はじめまして!オレンチと申します。
この記事では映画『DISTANCE/ディスタンス』について、以下の情報をお届けします。
- 作品情報とあらすじ
- 見どころ解説
- 各種配信サービスでの配信状況
- DVD&ブルーレイ情報
- カルト教団の信者が無差別の大量殺人を起こし、自身も命を落とした加害者の遺族が一堂に集まり、彼らの心のうちを吐露していく作品
- こちら側(遺族や大多数の観客)とあちら側(新興宗教にハマった人)の境界線を描く
- 現実と回想の編集バランスが絶妙で、記憶に根付く力強さを持った映画
オススメ度 | (3/5) |
公開日 | 2001年 |
制作国 | 日本 |
上映時間 | 132分 |
ジャンル | ドラマ |
『DISTANCE』は2001年に公開された是枝裕和監督による作品。
主演は『福田村事件』の井浦新(旧芸名:ARATA)、伊勢谷友介や寺島進などが助演として脇を固めています。
そんな本作は、カルト教団の信者が無差別の大量殺人を起こし、自身も命を落とした加害者の遺族が一堂に集まり、彼らの心のうちを吐露していく作品です。
このテーマを見てどうしても思い出してしまうのは某教団が起こした「地下鉄サリン事件」ですね。本作はそんな日本中を──、ともすると世界中を震撼させた事件をとてもクローズアップした目線で描いた作品なんです。
誰目線かと言えば、前述通り【加害者の遺族】というとてもニッチな目線です。しかし彼らの瞳の奥に見えてくるもう一つのテーマがあって、それというのが「なぜ彼らはハマってしまったのか」ということだと思います。
とある出来事をきっかけに、加害者遺族の四人は同じ屋根の下で一晩を共にすることになります。さらにその場にはもう一人、加害者になるはずだったが土壇場で踏みとどまった元教団員(浅野忠信)も運命のイタズラで加わることに。
そんな状況下で彼らはそれぞれ、故人との思い出と、故人が教団へとハマっていく過程を回想していくことになります。
つまりこちら側(遺族や大多数の観客)とあちら側(新興宗教にハマった人)の境界線を描いた作品なんですね。
事件の責任について言及しているシーンはほとんどないので、本当にニッチな目線で描いた映画なのだと思います。
そういう意味では同じ是枝監督作の『幻の光』や『ワンダフルライフ』と同じようにソフトストーリー的な映画なのかもしれません。
回想と現実にも境界線がなく特別これといった説明なく混ざりあっています。
そいういった作品は観客の興味や集中力を削いでしまう危険性を孕んでいるんですが、逆に一度心を掴んでしまえば「どういった物語なのか知りたい」という欲求が働いて、記憶に根付く映画になります。
個人的に本作は、現実と回想の編集バランスが絶妙で、記憶に根付く力強さを持った映画だったかなと思います。
また本作を見て「新興宗教にハマるわけがない」「ハマる人の気持ちがわからない」と思う人ほど、ハマっていく危険性を孕んでいるようにも感じます。
というのも「ハマるわけがない」という思いこそ、一方の側しか見えていない何よりの証拠だと思うのです。もしその思いが新興宗教の方に向いてしまえば、熱烈な信者になり得るのかなと。
さらに本作にはちょっとしたドンデン返的な展開もあって、観客も加害者遺族も信じて疑わなかったことに対して、とある嘘があります。
その嘘こそ、こちら側(遺族や大多数の観客)とあちら側(新興宗教にハマった人)の両側に足を踏み入れており、実はこちら側とあちら側に境界線──ディスタンスなんか無いということを示しているのかのように思いました。
そんな『DISTANCE』、気になる方は是非ご鑑賞ください。
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