
オススメ度 |
公開日 | 2021年 |
制作国 | アメリカ |
上映時間 | 116分 |
ジャンル | SF |
- 死にゆく男が家族のために残したのは自分のクローン!
- 死をテーマに人生の意味について考察する作品。
- 複製や生と死を象徴するこだわりの絵作りにも注目!
- 日常生活に根付いた近未来ガジェットが面白い!
『スワン・ソング』はマハーシャラ・アリ主演で贈る、AppleTV+オリジナルのSF映画。
余命わずかな男性が、残されてしまう家族のために自身のクローンを自分の代わりに仕立て上げるという近未来を舞台にした物語です。
一見NETFLIXオリジナルの『ブラックミラー』的なディストピアSFのようなプロットですが、本作は自分の死について鑑賞者を向き合わせるソフトストーリーとなっています。
ソフトストーリーというのは、物語を簡単に説明しづらいけど、誰かにとっては強い共感を得ることのできる映画の大項目とも言えるジャンルのこと。対照的なのがハイコンセプトと呼ばれるジャンルで、簡単にいえば万人受けする映画のことを言います。
本作の場合、自分の家族を持った人々に強い問題提起を起こすでしょう。
重要なのは自分とクローンが入れ替わることを知っているのは本人だけで、残される家族は何も知らないという点です。
つまり死にゆく自分以外、自分が死んでしまうことも知らず、死んだ後も変わらず幸せな日常を過ごすことになるのです。
残される家族に自分の死による悲しみを与えるか、何も知らずに過ごしてもらうか、究極の自己犠牲の物語ですね。
クローンに自分の記憶を与えていく作業の中で、回想のように主人公と家族の歩みを振り返っていく物語の進行となっています。なぜ主人公はそんな究極の自己犠牲を選んだのか。回想とともに彼の人生を覗いていくなかで、彼の選択についての説得力を与えてくれていました。
あらゆるショットをシンメトリーにすることで複製をイメージさせたり、オリジナルの人物は常に黒服で死の象徴を、クローンの人物は白服で生の象徴など絵作りにも拘った作品でした。
一方は死にゆく男性を、他方は自分がオリジナルとなって生きてゆく男性をマハーシャラ・アリが見事に演じ分けていました。
どちらも複雑な心境を持っていることを十二分に伝えるべく、画角は表情へのアップショットが多くなっているので、マハーシャラ・アリの真に迫る演技を楽しむことができます。
一方で非常に重いテーマであるからなのか、画面を明るくしてくれるオークワフィナの起用もナイスキャスティングかなと思います。
近未来としての描写も面白く、近未来SFでありながらアクションは一切ないため近未来作品特有のユニークなデザインの武器やスパイツールなどは登場しません。
そのかわり、日常生活に根付いた近未来のツールはしっかりと考察がなされ、モダンと便利を追求された様々なガジェットが登場します。
そんな『スワン・ソング』。是非ご鑑賞ください。
配信状況は上記の通り。『スワン・ソング』はAppleTV+が独占配信している作品なので、AppleTV+でのみ鑑賞することが可能です。全話見放題で配信しているので、お試し期間中に解約すれば無料で全話見ることも可能です。
AppleTV+は全てオリジナル作品を展開している配信サービス。見渡す限りオリジナル作品で、配信オリジナルが好きな人にとって金脈のような配信サービスです。
どのドラマや映画もハリウッドで一度は見たことがある俳優が出演しており、スティーブン・スピルバーグなどの有名監督も参加しています。ここでしか見れないような掘り出し物を探している人にとって非常にお勧めな動画配信サービスとなっています。
結論『スワン・ソング』を観たい人はAppleTV+一択です!