オススメ度 | (3/5) |
公開日 | 2021年 |
制作国 | アメリカ |
上映時間 | 105分 |
ジャンル | ドラマ 戯曲 |
- デンゼル・ワシントンがマクベスに挑戦した一作!
- モノクロによって引き出される光と影の芸術作品!
- 英語音声の歌うようなセリフにも注目!
『マクベス』はデンゼル・ワシントン&フランシス・マクドーマンド主演で贈る、AppleTV+オリジナルの作品。
3人の魔女に「お前は王になる」と予言されたマクベスは、妻と主君の暗殺を計画するが・・・。という言わずと知れたシェイクスピアによる戯曲を、『ファーゴ』『ノーカントリー』や『バーン・アフター・リーディング』などのジョエル・コーエンがメガホンをとった作品です。
モノクロとアップショットが非常に美しい一本でした。モノクロを選択することで、現実世界から切り離し、芸術の世界に引き摺り込むような効果を狙っている気がしますね。
もしそうだとしたらその効果は絶大で、『バスターのバラード』や『ヘイル・シーザー』などで観られるジョエル・コーエンのアヴァンギャルドな絵作りが、より効果的に芸術感をマシマシにしていると思います。
ライティングにも注目したく、モノクロの世界に映える光と影がとても美しいです。おそらくほとんど全てのシーンをスタジオ撮影にして、かなりこだわりを持って光をコントロールしていると思います。
とりわけ、影の映し出し方がとても素晴らしい逸品です。
『マクベス』の映画化。というよりも、そのもっと土台にある<戯曲>という概念を映画化したような作りだったような気がします。
というのは前述した全てスタジオ撮影による光のコントロールや、第四の壁を破るような─まさしく戯曲的な─独白などから感じ取れます。
ちなみにおすすめは英語字幕。というのもセリフはまるで歌を歌っているかのようなリズミカルな読まれ方をしており、俳優の口から発せられるセリフの緩急がとても美しいのです。もちろん吹替でも鑑賞し、面白いことは面白かったですが、本作に限っては一度英語字幕を体験してほしいと思う作品ですね。
と、ここまで本作の芸術性について語ってきましたが、さすがのデンゼル・ワシントンと言わざるを得ないのが、殺陣のシーンですね。ここまで芸術性の高い作品においても、その強さを隠せないのがデンゼル・ワシントンでした。
ちなみにシェイクスピアの『マクベス』を含めた悲劇作品はリドリー・スコットの『悪の法則』キム・ギドクの『嘆きのピエタ』などに大きな影響を与えています。(特にキム・ギドク監督作はほとんど全ての作品に戯曲要素が入っていたりするんです。)
さらに『マクベス』はシェイクスピアの戯曲の中でも『ハムレット』『オセロー』『リア王』と並び4大悲劇と呼ばれてもいます。
そんな『マクベス』。是非ご鑑賞ください。
配信状況は上記の通り。『マクベス』はAppleTV+が独占配信している作品なので、AppleTV+でのみ鑑賞することが可能です。全話見放題で配信しているので、お試し期間中に解約すれば無料で全話見ることも可能です。
AppleTV+は全てオリジナル作品を展開している配信サービス。見渡す限りオリジナル作品で、配信オリジナルが好きな人にとって金脈のような配信サービスです。
どのドラマや映画もハリウッドで一度は見たことがある俳優が出演しており、スティーブン・スピルバーグなどの有名監督も参加しています。ここでしか見れないような掘り出し物を探している人にとって非常にお勧めな動画配信サービスとなっています。
結論『マクベス』を観たい人はAppleTV+一択です!