- 冒頭の嵐を表現した特撮がすごい!荒れ狂う水を主役した特撮に注目!
- 原点回帰!原水爆実験に対する批判をテーマに持った作品!
- 少しばかりドジなゴジラが可愛かったりもする作品!
オススメ度 | (4/5) |
公開日 | 1964年 |
制作国 | 日本 |
上映時間 | 89分 |
ジャンル | 特撮 アクション モンスター |
『モスラ対ゴジラ』は1965年に公開された特撮映画で、ゴジラシリーズの第4作目に当たる作品。
ドラマ部の監督は前作『キングコング対ゴジラ』から引き続き本多猪四郎。特技監督はこちらも引き続き円谷英二が務めます。
まず目を奪われたのが冒頭の嵐を表現した特撮でした。嵐の一連のシーンがとにかく凄く、ここまで荒れ狂う水を主役した特撮は少なくともここまでのゴジラシリーズの中では初めてのこと。
よく目を凝らすと雨粒や泡立てられた粒子の大きさが、実物大とは異なりジオラマによる撮影だということに気づくこともできますが、本物の嵐に見せようとする職人技がとにかく光っていました。
嵐のシーンにおける職人技とはカメラを回すスピードです。カメラスピードを調整することでスロー撮影のような写り方になり、水の動きに魔法をかけることによって大海原の嵐のように見せていたんです。
円谷英二はどんなスピードで回せば水が巨大に見えるのか、またどんなスピードで回せば炎が巨大に見えるのか、などカメラスピードについて熟知していたと、彼の弟子にあたる有川貞昌と富岡素敬は語ります。
つまり炎や水、風などのエレメンタル的な要素はカメラスピードによって巨大を表現することができるんです。本作は「ジオラマや怪獣の着ぐるみだけが特撮ではない」ということを突きつけられたかのような冒頭だった気がします。
とりわけ本作では「水」の特撮に力を入れているようで、そのことは嵐の後に水を排出する特撮シーンにつながることから感じることができます。
そんな特撮の技術が詰まりに詰まった冒頭から始まる『モスラ対ゴジラ』ですが、初代『ゴジラ』(1954)のテーマが戻ってきたようで、原水爆実験に対する批判をテーマに持っています。特にラストは初代『ゴジラ』や本多猪四郎らしさを彷彿させるセリフで締まるところにも注目してみてください。
これまでの特撮はマクロを表現するためのものでしたが、小美人が登場したことでミクロを表現するたまにも活用されるようになった点も面白いですね。
またドラマ部(俳優が演じるパート)と特撮部(怪獣が暴れるパート)は、基本的に会話をするようなことはなかったのですが、人間と小美人の間には会話が発生するので本作で──ゴジラシリーズとしては──初めてドラマ部と特撮部が会話をするつながりが発生しています。
にもかかわらず、これほどまでの違和感の無さは本当に素晴らしく、本多猪四郎と円谷英二の名コンビだからこそなぜる技なのかもしれません。
例えば両者の目線には何の違和感もありませんし、ミクロ化した街とは正反対にマクロ化した部屋の中で撮影された特撮も見事でした。
また毎回ゴジラのビジュアルが少しづつ変わるのも、ゴジラシリーズの醍醐味でありますが、本作のゴジラは(ファンの間ではモスゴジと言うらしい)少しばかりドジが目立つところが可愛かったりもします。狙っているわけではないと思いますが、上唇あたりがブルブルと震えるのも可愛さに拍車をかけていますねw
そんなわけで『モスラ対ゴジラ』、気になる方は是非ご鑑賞ください。
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