- 日本が誇る怪獣王ゴジラが誕生した記念すべき第1作!
- 【巨大】を表現しようとする円谷英二による工夫がすごい!
- 社会風刺としてもメッセージが込められた作品!
オススメ度 |
公開日 | 1954年 |
制作国 | 日本 |
上映時間 | 97分 |
ジャンル | 特撮 アクション モンスター |
『ゴジラ』は1954年に公開された特撮映画で、日本が誇る怪獣王ゴジラが誕生した記念すべき第1作です。
怪獣特撮の歴史に明るいわけではありませんが、おそらく日本の第怪獣映画としては最初期に当たる作品だと思います。そんな怪獣特撮の黎明期的な位置付けでありながら、さまざまな工夫によって70年近い時を経ても見応えの鮮度を保っていることに驚きを隠せない作品でした。
本作以前で主流だったストップモーションアニメ(『ロストワールド』(25)『キングコング』(33)など)と比べると、その迫力は段違いで、当時の人々から見れば大変な衝撃だったことは間違い無いでしょう。
とりわけ【巨大】を表現しようとする円谷英二による工夫が光っており、中でも僕は路地裏から写したショットがとても好みです。東京で暴れるゴジラから逃れるため、人々が路地裏へと入ってくるシーンなのですが、この背景にはおそらくスクリーンが使われており、別撮りで撮影したゴジラが建物を踏み潰すショットが投影されているのです。
つまり実物大の路地裏のセットの背景に、ゴジラの足が街を踏み潰す映像が重ねられており、これらの縮尺が完璧に合っていることで非常にリアルで【巨大】を感じられる特撮になっているんです。
足と言えば全世界で初めてスクリーンに移されたゴジラの姿は足のみで、足跡から巨大さと不安感を煽る作劇の方法はスティーヴン・スピルバーグの『ジュラシック・パーク』まで受け継がれています。『ジュラシック・パーク』は『ゴジラ』の映画的DNAを持っていたということですね!
まだ現実世界でもゴジラの存在を知らなかったことから、「一体どんな怪物なのか」というモンスター映画では常套手段となるミステリーテイストで第一幕は進行します。今思えばこの流れは平成『ガメラ』と酷使しており、ともすると『ゴジラ』をリスペクトした作劇だったのかもしれません。
また現実世界でも、スクリーンの世界線でもゴジラを見た人がいないことから、初めてゴジラが現れたシーンでは大衆が「逃げる」のではなく、野次馬精神で「向かう」という、物理的方向が違うのも第1作ならではで面白いところだなと思いました。
ちなみにBlu-rayの音声解説では宝田明が解説しており、この日の撮影のことを「暑い日でしたよ〜」と語っていました。70年近い前の撮影のことを昨日の事のように語っていて、なんともノスタルジックを感じる一面でした。
そんな怪獣映画として魅力が詰まった『ゴジラ』ですが、社会風刺としてもメッセージが込められた作品で、こちらは本多猪四郎の手腕といったところですかね。
本作のメッセージというのは核戦争の恐怖を投影したもので、目に見えない恐怖の感情を具現化されたものがゴジラという巨大怪獣だったのです。
唯一の被爆国として原子力爆弾の恐ろしさを肌で感じた日本は、その後繰り返し行われた水爆実験などに警鐘を鳴らすように、例えば黒澤明の『いきものの記録』(55)のように、大量破壊兵器を批判した映画が作られるようになります。
本作『ゴジラ』(54)もそんなメッセージ性が込められた作品で、ラストで志村喬が締めるセリフからは水爆実験に警鐘を鳴らす意味が込められていることを感じられるはずです。
そんなゴジラを倒す最終手段がさらに架空の大量破壊兵器な訳で・・・。芹沢博士の苦悩からもまた同じテーマへの警鐘を感じられるのでは無いでしょうか。
本作が封切られる直前、第五福竜丸事件という有名な被爆事件が起きており、まさに本作の冒頭は第五福竜丸事件を彷彿とさせるようなものになっています。
そんなわけで『ゴジラ』、気になる方は是非ご鑑賞ください。
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