- 初めて本格的に宇宙人──X星人──が登場する作品!
- なんとゴジラやラドンも宇宙へ!
- 初めて本格的な空想化学兵器──Aサイクル光線車──が登場!
オススメ度 |
公開日 | 1965年 |
制作国 | 日本 |
上映時間 | 94分 |
ジャンル | 特撮 アクション モンスター |
『怪獣大戦争』は1965年に公開された特撮映画で、ゴジラシリーズの第6作目に当たる作品。
ドラマ部の監督は前作『三大怪獣 地球最大の決戦』から引き続き本多猪四郎、特技監督も引き続き円谷英二が務めています。
本作は『ゴジラ』シリーズの中で、初めて本格的に宇宙人──X星人──が登場する作品で、なんとゴジラやラドンさえも宇宙へと飛び立ちます。
すごいと思うのが宇宙映画ブームを作った『スター・ウォーズ』よりも前であり、あのキューブリックの『2001年宇宙の旅』よりも前に、そして何よりもアポロの月面着陸よりも前に本作が封切られているという点。
数々の名だたるSF作品や、歴史的なイベントよりも前に宇宙へと目を向けたゴジラシリーズの先見の名と言ったところでしょうか。
本作でX星人を演じた土屋嘉男(つちや よしお)は宇宙にも造詣が深く、「地球よりも重力の低い惑星だと、フワフワとした歩き方になるはずだ」と提案しますが、当時のスタッフに「バカに見える」と一蹴され却下されてしまったと言います。
しかし後のアポロ11号月面着陸の中継で、自分の考察が証明されたことに激しく興奮したというエピソードが本作の音声解説の中で紹介されていました。
またゴジラが「シェー」をすることで、今もなお話題になる本作ですが、この「シェー」を提案したのものなんと土屋嘉男で、ゴジラシリーズのマンネリを相談された際、冗談で答えたものが採用されてしまった。と語っています。
さらに本格的にゴジラシリーズに空想化学兵器──Aサイクル光線車──が登場するのも初めて。
ゴジラの「シェー」やAサイクル光線車など、これまで以上にエンターテイメント作品に仕上げてきたことから察するに、『怪獣大戦争』はいよいよターゲットを子供達に広げた作品だったのでしょう。
初めて宇宙人が現れるということで、SF作品の超金字塔からオマージュをするという映画好きらしさも現れています。その超金字塔というのがH・G・ウェルズの『宇宙戦争』です。
どんなところをオマージュしたのかというとX星人の撃退方法ですね。どんな方法でX星人は破れることになるのかについてはぜひ本編をご確認ください。
また、前作『三大怪獣 地球最大の決戦』ではゴジラたちにキャラクター性を持たせるため、「自衛隊が登場しない」と解説しましたが、本作では前述のAサイクル光線車などが登場する兼ね合いもあり、怪獣と自衛隊のバランスがちょうど良い塩梅になっていた気がします。
特撮部で見ると、1作目の『ゴジラ』以降、あまり見ることがなくなった怪獣の足だけを写したショットがかなり多かった気がします。つまり怪獣による踏み潰しのショットですね。
またキングギドラの光線に合わせて独特の流れで建物が爆発する技術も見事で、ギドラの攻撃に全く違和感がないのがとても見ていて気持ちが良かったです。
そんなわけで『怪獣大戦争』、気になる方は是非ご鑑賞ください。
配信状況は上記の通り。現在『怪獣大戦争』はU-NEXTとAmazonプライムビデオで配信しています。U-NEXTなら見放題で配信している上、他のゴジラシリーズも全て見放題で配信しています。
さらに入会と同時に600円分のポイントがもらえ、劇場のチケットなどに利用できます。
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『怪獣大戦争』はDVDとブルーレイのフォーマットで販売されています。
ブルーレイに収録されている特典は以下の通り。
- 劇場予告
- チャンピオン祭り版本編
- 復元!Aサイクル光線車 ミニチュア特撮の魅力
- 劇中新聞
- 幻の怪獣展示イベント
- 「ゴジラ宇宙へ行く!」8mm+ソノシート
- 絵本「ゴジラ宇宙へ行く」(静止画)
- 劇場パンフレット(静止画)
- オーディオ・コメンタリー(土屋嘉男/聞き手 倉敷保雄)
中でも『復元!Aサイクル光線車 ミニチュア特撮の魅力』と『オーディオ・コメンタリー(土屋嘉男/聞き手 倉敷保雄)』は特撮ファンに強くお勧めしたい内容です。
『復元!Aサイクル光線車 ミニチュア特撮の魅力』は原口智生にとっての「特撮」や「ゴジラ」とは?と言った内容で、『オーディオ・コメンタリー(土屋嘉男/聞き手 倉敷保雄)』は土屋嘉男による本多猪四郎や黒澤明の超貴重なエピソードが収録されています。
とりわけ興味をそそったのが、黒澤明が語った「本多猪四郎のゴジラ作品には、必ず逃げ惑う人々を誘導する警察のショットがあるが、俺の作品では警察が真っ先に逃げる。あれは本多猪四郎の良心だ。」というエピソード。
なんとも作家性の芯をとらえたエピソードだったと思います。
また、黒澤明は骨董品を集めることが趣味だったそうですが、その理由は、「昔の芸術家には負けていられない」と自分を鼓舞するために骨董品をそばに置いておいたのだとか。
と、そんなエピソードが満載な超貴重なコメンタリーだったので、ぜひともご購入も検討してみてください。