- ゴジラ史の中で大きなターニングポイントを迎えた作品!
- 昨日の敵は今日の友的な激アツ展開!
- ドラマ部や特撮部のきめ細かな演出にも注目!
オススメ度 | (4/5) |
公開日 | 1964年 |
制作国 | 日本 |
上映時間 | 93分 |
ジャンル | 特撮 アクション モンスター |
『三大怪獣 地球最大の決戦』は1964年に公開された特撮映画で、ゴジラシリーズの第5作目に当たる作品。
ドラマ部の監督は前作『モスラ対ゴジラ』から引き続き本多猪四郎。特技監督はこちらも引き続き円谷英二が務めます。
個人的に本作はゴジラ史の中で大きなターニングポイントを迎えた作品だったと思います。というのもこれまでは【自然災害】として扱われてきた大怪獣(特にゴジラ)が、明らかにキャラクターとして扱われるようになった作品だからです。
本作で物語の軸になっているのは、キングギドラという宇宙からやってきた史上最強の怪獣を、地球の怪獣で力を合わせて倒そうぜ!といった感じ。
お互いに歪みあっていたゴジラとラドンはモスラの説得によって共闘することになるわけですが、この展開は昨日の敵は今日の友のような感覚で、『ワイルドスピード』シリーズにおけるホブスのような熱さを持っています。
この熱さはキャラクターを持っていないと成立しないですよね。
また『ラドン』や『モスラ』はそれぞれ本作の前に単体映画が公開されており、MCUにおける『アベンジャーズ』のような映画でもあります。
ユニバース的なことを、すでにこの時代からやっていたんですね。
さらに怪獣達のキャラクター性を引き出すため、本作にはほとんど自衛隊が登場しないのも大きなポイント。ここまでのゴジラシリーズといえば災害を対処するかの如く、ゴジラと自衛隊を対峙させることで、人間の無力感を演出していたのですが、ゴジラの見せ方が変わったため、本作には前述したような演出が不要になったというわけですね。
さらに重要なこととして、本作は怪獣達の目がぎょろぎょろと動き、これまで以上に表情が作れるようになっているんです。そのため明らかに顔をアップで写したショットが増えています。
顔をアップショットというのは俳優の表情を読み取り、演じているキャラクターをより一層味わい深くする効果があります。
つまりゴジラやラドンの表情を作り込むことで、災害からキャラクターへと進化をさせていたというわけです。
この変化はピクサー史の中でも起きていて、一作目の『トイ・ストーリー』と『トイ・ストーリー4』では明らかにアップショットの数や、作り込まれた表情が違うので是非比較してみてください。ピクサー史の中では技術の進歩によってより細かい表情が作れるようになり、より複雑な感情が表現できるようになったという進化があります。
CGアニメで起きていた変化が、特撮の世界でも起きていたというのがなんとも面白い発見でした。
またゴジラにキャラクター性を持たせたことで、本作あたりから徐々にゴジラがヒロイックな存在へと変化していくような気がします。
ドラマ部の細かい演出にも本多猪四郎らしさが現れています。
例えば浮浪者(金星人 a.k.a サルノ王女)をホテルに連れていくと、受付の人が怪訝な表情をするんです。脚本上名前が無いようなキャラクターにも血を通わせる細かい演出ですよね。こういった細かい演出がドラマ部の完成度を底上げしてくれています。
また特撮部の中にも随所に細かさを感じることができ、風に吹かれて瓦が一枚づつ飛んでいく特撮を見ると、職人魂を感じざるを得ないですね。
同じ東宝映画で黒澤明監督の『赤ひげ』の撮影が遅れてため、急いで製作されたというエピソードがあるとは思えないほど、完成度の高い作品でした。
ちなみにキングギドラはギリシャ神話におけるヒドラ、ユニコーン、ペガサスを組み合わせたイメージを持った怪獣だそうです。
そんなわけで『三大怪獣 地球最大の決戦』、気になる方は是非ご鑑賞ください。
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