目次
- アニメ畑の監督を迎えたことで、シリーズにマンガっぽさを上手く取り込んだ作品!
- 物語に真実味を与えるトム・クルーズによる決死のノースタントに注目!
オススメ度 | (3/5) |
公開日 | 2023年 |
制作国 | アメリカ |
上映時間 | 154分 |
ジャンル | アドベンチャー |
『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』は2023年に公開されたアドベンチャー映画で、おそらく『インディ・ジョーンズ』シリーズの最終作に当たる作品です。ナンバリングとしては5作目となります。
監督は過去4作品の監督を務めたスティーヴン・スピルバーグから、『フォード v フェラーリ』『ローガン』などのメガホンをぶん回したジェームズ・マンゴールドにバトンタッチ。
そんな本作はそんな時の流れから生まれる”哀愁”のようなものが、テーマの1つとして与えられているように僕は感じます。似たようなテーマはジェームズ・マンゴールドが得意とするところなのですが、詳しくは以下の記事をご覧いただければと思います。
【特集】ジェームズ・マンゴールド監督作品の特徴・作風について考察例えば冒頭にインディが大学で講義をするシーンがありますが、講義のシーンはシリーズお馴染みのものなのですが、過去作と比較すると、生徒の講義に対する姿勢が180度違うのがわかると思います。
かつて若かりしインディの講義を聞く生徒たちは彼に熱い視線を送り熱心に講義を聞いていましたが、本作ではインディにも講義にも興味がなく、物理的にも生徒とインディの間に距離があります。これらはインディが時代から取り残されている存在ということを彷彿させています。
この42年の変化は誰にでも起こり得ることで、これぞ哀愁ですよね。
さらにとあるインディの孤独を感じさせるシーンのバックで流れている音楽ですが、僕の記憶が正しければデヴィット・ボウイの『スペース・オデッセイ』か、エルトン・ジョンの『ロケットマン』で、どちらの曲も宇宙ではたった一人の宇宙飛行士をメタファーに寂しさを歌った曲なんです。
時代背景はアポロ計画の真っ只中で、米ソで宇宙開発競争をしていた時代なので、これらの曲がラジオから流れてくるのは至極自然ですよね。
では一体哀愁は何を感じさせてくれるのでしょう。
哀愁からくる寂しさというのは、輝いていた時代があった裏返しで、歳月を感じさせます。歳月というのは人生であり歴史です。人の歴史はその人の個性そのものであり、個性はその人の魅力となります。つまり本作のような作品から感じる”哀愁”とは、その人の魅力を醸成したものであると僕は考えます。
本作のように長く続くシリーズでは、実時間がそのまま哀愁を醸成してくれるので、やはり味わい深さが違いますし、ともすると観客の人生さえ影響を与えるはず。
またインディアナ・ジョーンズという人物が本当に存在して、引退する彼に何をプレゼントをすれば一番喜んでもらえるのか、しっかりと熟考されたクライマックスになっているので、個人的には満足感の高い幕引きでした。
ただし手放しで喜べないところもあって、それというのが哀愁っぽさとエンターテイメントっぽさがケンカしているように思えるんです。
『ローガン』を作った時のように過去作のテイストは忘れて、思いっきり哀愁的なテーマを描いてくれればもっと良かった気がします。まるで作家性がゲシュタルト崩壊しているように感じてしまいました。
そんなわけで『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』、気になる方は是非ご鑑賞ください。
ネタバレ有りの感想も以下で書いているので、鑑賞済みの方はぜひこちらもよろしくお願いいたします。
配信状況は上記の通り。現在『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』を配信している動画配信サービスはありません。
ただしその他のシリーズ作品はすべてDisney+で配信されており、ディズニー傘下で制作されたことからDisney+で配信が開始される可能性が非常に高いです。
というわけで『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』を観るなら、今のところDisney+が有力かなと思います。いますぐに入会する必要はありませんが、前シリーズの予習をしておきたい人は先に入会しておいても良さそうですね!
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