初めまして!オレンチと申します。
この記事ではNETFLIXのみで配信されているオリジナル映画を全てご紹介していきます!
NETFLIXのレコメンド機能は非常にすぐれているんですが、オリジナル映画に絞られた一覧が無いので、僕みたいにオリジナル映画だけを摘んでみたい人にはちょっとだけ不便なんですよね。
とりわけポスターや予告編などがまとめ紹介されているサイトは存在せず、どんな作品があるのかイメージしずらいんす。
簡単な感想とオススメ度を添えて紹介していくので、映画選びの参考にしてもらえると幸いです。
感想は全てネタバレ無しですが、歯に衣着せず書き殴っています。不快に思われた方がいらっしゃいましたらごめんなさい。
また「これネタバレじゃねーか!」と思った方がいらっしゃいましたら、お手数ですがコメント欄やお問い合わせからご連絡いただけると幸いです。
この記事は編集中です。日々更新しているので、完成まで今しばらくお待ちください。
NETFLIXオリジナル映画の一覧
『ビースト・オブ・ノーネーション』 公開:2015年9月3日 上映時間:137分 |
(4.5) |
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『思いやりのススメ』 公開:2016年6月24日 上映時間:97分 |
(3.0) |
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『リバース』 公開:2016年7月15日 上映時間:100分 |
(1.5) |
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『タルーラ 〜彼女たちの事情〜』 公開:2016年7月29日 上映時間:111分 |
(3.5) |
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『XOXO』 公開:2016年8月26日 上映時間:92分 |
(2.0) |
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『ARQ:時の牢獄』 公開:2016年9月16日 上映時間:88分 ジャンル:SF、サスペンス |
(3.5) |
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『ジャドヴィル包囲戦-6日間の戦い-』 公開:2016年10月7日 上映時間:108分 ジャンル:戦争、実話 |
(4.0) |
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『呪われし家に咲く一輪の花』 公開:2016年10月28日 上映時間:108分 ジャンル:ホラー |
(1.0) |
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『7年間』 公開:2016年10月28日 上映時間:108分 ジャンル:サスペンス |
(3.5) |
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『慈悲』 公開:2016年11月22日 上映時間:90分 ジャンル:サスペンス、スリラー |
(2.5) |
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『スペクトル』 公開:2016年12月9日 上映時間:108分 ジャンル:SF、サスペンス |
(3.0) |
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『バリー』 公開:2016年12月9日 上映時間:104分 ジャンル:伝記 |
(2.5) |
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『コイン強盗クラブ』 公開:2017年1月6日 上映時間:97分 ジャンル:クライム |
(1.5) |
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『クリニカル』 公開:2017年1月13日 上映時間:104分 ジャンル:サスペンス、スリラー |
(3.0) |
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『iBoy』 公開:2017年1月27日 上映時間:91分 ジャンル:SF |
(3.0) |
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『インペリアル・ドリーム』 公開:2017年2月3日 上映時間:90分 ジャンル:ソフトストーリー |
(3.5) |
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『この世に私の居場所なんてない』 公開:2017年2月24日 上映時間:96分 ジャンル:ソフトストーリー、スラップスティック |
(3.5) |
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『ヘルウィーク』 公開:2017年3月10日 上映時間:102分 ジャンル:ソフトストーリー |
(2.5) |
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『ディードラ&レイニーの列車強盗』 公開:2017年3月17日 上映時間:92分 ジャンル:ソフトストーリー、コメディ |
(3.0) |
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『アメリカで最も嫌われた女性』 公開:2017年3月24日 上映時間:91分 ジャンル:伝記 |
(2.5) |
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『ザ・ディスカバリー』 公開:2017年3月31日 上映時間:102分 ジャンル:SF、ソフトストーリー |
(3.0) |
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『砂の城』 公開:2017年4月21日 上映時間:113分 ジャンル:戦争、伝記 |
(2.5) |
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『浮き草たち』 公開:2017年4月21日 上映時間:83分 ジャンル:ロマンス |
(3.0) |
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『BLAME!』 公開:2017年4月21日 上映時間:83分 ジャンル:ロマンス |
(3.0) |
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『美しい湖の底』 公開:2017年6月9日 上映時間:86分 ジャンル:サスペンス、スリラー、クライム |
(3.5) |
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『Death Note/デスノート』 公開:2017年8月25日 上映時間:100分 ジャンル:サスペンス、スリラー、クライム |
(2.0) |
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『最初に父が殺された』 公開:2017年9月15日 上映時間:136分 ジャンル:伝記、戦争 |
(3.5) |
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『ジェラルドのゲーム』 公開:2017年9月29日 上映時間:103分 ジャンル:ホラー、スリラー |
(2.0) |
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『夜が明けるまで』 公開:2017年9月29日 上映時間:103分 ジャンル:ロマンス |
(4.5) |
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『マイヤーウィッツ家の人々(改訂版)』 公開:2017年5月21日 上映時間:110分 ジャンル:コメディ、ソフトストーリー |
(3.5) |
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『1922』 公開:2017年10月20日 上映時間:102分 ジャンル:犯罪、ホラー |
(2.0) |
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『ホイールマン〜逃亡者〜』 公開:2017年10月20日 上映時間:82分 ジャンル:アクション、ハードボイルド |
(3.5) |
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『荒野の殺し屋』 公開:2017年11月10日 上映時間:99分 ジャンル:アクション、西部劇 |
(2.0) |
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『クリスマスがくれたもの』 公開:2017年12月15日 上映時間:104分 ジャンル:ロマンス、サクセスストーリー |
(1.5) |
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『オープンハウスへようこそ』 公開:2018年1月19日 上映時間:94分 ジャンル:ロマンス、サクセスストーリー |
(2.0) |
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『君はOnly One』 公開:2018年2月16日 上映時間:96分 ジャンル:ソフトストーリー、ラブストーリー |
(3.5) |
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『Mute/ミュート』 公開:2018年2月23日 上映時間:126分 ジャンル:SF、ノワール |
(4.5) |
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『アウトサイダー』 公開:2018年3月9日 上映時間:120分 ジャンル:犯罪、アクション、ヤクザ |
(2.0) |
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『パラドックスの瞬間』 公開:2018年3月9日 上映時間:120分 ジャンル:西部劇、ミュージカル、インディーズ |
(2.5) |
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『ロクサーヌ、ロクサーヌ』 公開:2018年3月23日 上映時間:100分 ジャンル:伝記、ソフトストーリー、サクセスストーリー |
(2.0) |
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『ファースト・マッチ』 公開:2018年3月30日 上映時間:94分 ジャンル:ソフトストーリー、サクセスストーリー |
(2.5) |
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『シックス・バルーン』 公開:2018年3月30日 上映時間:94分 ジャンル:ソフトストーリー |
(2.5) |
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『アマチュア』 公開:2018年4月6日 上映時間:96分 ジャンル:青春、サクセスストーリー |
(4.0) |
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『神の日曜日』 公開:2018年4月6日 上映時間:106分 ジャンル:伝記 |
(3.5) |
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『あなたかもしれない』 公開:2018年4月13日 上映時間:101分 ジャンル:ソフトストーリー、スリラー |
(3.5) |
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『カーゴ』 公開:2018年4月13日 上映時間:104分 ジャンル:ホラー、ゾンビ、ソフトストーリー |
(4.0) |
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『最悪の選択』 公開:2018年6月29日 上映時間:101分 ジャンル:スリラー、サスペンス |
(3.0) |
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『TAU/タウ』 公開:2018年6月29日 上映時間:97分 ジャンル:SF,シチュエーションスリラー |
(2.0) |
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『すべての終わり』 公開:2018年6月29日 上映時間:113分 ジャンル:SF,アポカリプス,ロードムービー |
(1.5) |
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『エクスティンクション 地球奪還』 公開:2018年7月27日 上映時間:95分 ジャンル:SF,アクション |
(3.5) |
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『世界で一番殺された女』 公開:2018年7月27日 上映時間:102分 ジャンル:伝記、スリラー、サスペンス |
(2.5) |
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『ネクスト・ロボ』 公開:2018年9月12日 上映時間:100分 ジャンル:SF、アニメ |
(3.5) |
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『コードネーム エンジェル』 公開:2018年9月14日 上映時間:114分 ジャンル:実話、スパイ |
(3.5) |
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『ホールド・ザ・ダーク そこにある闇』 公開:2018年9月28日 上映時間:125分 ジャンル:スリラー |
(3.0) |
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『プライベート・ライフ』 公開:2018年10月5日 上映時間:124分 ジャンル:ソフトストーリー |
(4.5) |
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『7月22日』 公開:2018年10月10日 上映時間:144分 ジャンル:テロ、実話、法廷 |
(4.5) |
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『アポストル 復讐の掟』 公開:2018年10月12日 上映時間:129分 ジャンル:歴史ドラマ、ホラー、スリラー |
(2.0) |
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『シャドー・オブ・ナイト』 公開:2018年10月19日 上映時間:120分 ジャンル:シラット、アクション |
(3.0) |
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『ずっとあなたを待っていた』 公開:2018年10月26日 上映時間:100分 ジャンル:ミュージカル |
(1.5) |
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『風の向こうへ』 公開:2018年11月2日 上映時間:122分 ジャンル:ドラマ |
(3.0) |
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『アウトロー・キング スコットランドの英雄』 公開:2018年11月9日 上映時間:121分 ジャンル:歴史ドラマ、伝記 |
(3.5) |
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『バスターのバラード』 公開:2018年11月16日 上映時間:133分 ジャンル:西部劇、アンソロジー、オムニバス |
(4.0) |
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『スイッチング・プリンセス』 公開:2018年11月16日 上映時間:102分 ジャンル:クリスマス・ロマコメ |
(2.0) |
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『カムガール』 公開:2018年11月16日 上映時間:94分 ジャンル:心理スリラー |
(2.0) |
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『アンジェラのクリスマス』 公開:2018年11月30日 上映時間:30分 ジャンル:アニメ |
(1.0) |
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『ROMA/ローマ』 公開:2018年12月14日 上映時間:135分 ジャンル:ドラマ |
(4.5) |
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『バード・ボックス』 公開:2018年12月21日 上映時間:124分 ジャンル:SF,スリラー |
(3.0) |
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『ブラックミラー:バンダースナッチ』 公開:2018年12月28日 上映時間:124分 ジャンル:SF,スリラー |
(2.5) |
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『ユピテルとイオ』 公開:2019年1月18日 上映時間:96分 ジャンル:SF,ドラマ |
(2.5) |
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『SONI』 公開:2019年1月18日 上映時間:97分 ジャンル:ドラマ |
(3.5) |
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『ポーラー 狙われた暗殺者』 公開:2019年1月25日 上映時間:118分 ジャンル:アクション、殺し屋 |
(4.0) |
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『ベルベット・バズソー:血塗られたギャラリー』 公開:2019年2月1日 上映時間:118分 ジャンル:ホラー・スリラー |
(4.0) |
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『ハイ・フライング・バード -目指せバスケの頂点-』 公開:2019年2月8日 上映時間:90分 ジャンル:スポーツドラマ |
(3.0) |
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『ファイアーブランド -燃える心-』 公開:2019年2月22日 上映時間:112分 ジャンル:社会風刺、ドラマ |
(3.0) |
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『パリ、混沌と未来』 公開:2019年2月22日 上映時間:112分 ジャンル:社会風刺、ドラマ |
(2.5) |
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『ライフ・アズ・ファニータ』 公開:2019年3月8日 上映時間:90分 ジャンル:社会風刺、ドラマ |
(3.0) |
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『ウォーク、ライド、ロデオ』 公開:2019年3月8日 上映時間:99分 ジャンル:伝記 |
(1.5) |
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『トリプル・フロンティア』 |
(3.0) |
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『ザ・ダート:モトリー・クルー自伝』 公開:2019年3月22日 上映時間:108分 ジャンル:伝記 |
(4.0) |
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『ザ・テキサス・レンジャーズ』 公開:2019年3月29日 上映時間:132分 ジャンル:伝記 |
(3.0) |
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『無人島につれていくなら誰にする?』 公開:2019年4月12日 上映時間:93分 ジャンル:スリラー |
(2.5) |
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『音楽教師 切ない恋のメロディー』 公開:2019年4月19日 上映時間:101分 ジャンル:ドラマ |
(2.0) |
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『善きサムからの贈り物』 公開:2019年5月16日 上映時間:90分 ジャンル:ドラマ |
(2.0) |
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『シー・ユー・イエスタデイ』 公開:2019年5月17日 上映時間:87分 ジャンル:SF、社会風刺 |
(3.0) |
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『リム・オブ・ザ・ワールド』 公開:2019年5月24日 上映時間:98分 ジャンル:SF、ジュブナイル |
(3.5) |
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『パーフェクション』 公開:2019年5月24日 上映時間:90分 ジャンル:スリラー |
(4.0) |
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『エリサ&マルセラ』 公開:2019年6月7日 上映時間:118分 ジャンル:ロマンス、伝記 |
(3.0) |
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『ビート -心を解き放て-』 公開:2019年6月19日 上映時間:86分 ジャンル:サクセスストーリー |
(3.0) |
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『ポイント・ブランク -この愛のために撃て-』 公開:2019年7月12日 上映時間:86分 ジャンル:アクション、クライム |
(3.0) |
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『密かな企み』 公開:2019年7月18日 上映時間:97分 ジャンル:スリラー |
(2.0) |
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『紅海リゾート -奇跡の救出計画-』 公開:2019年7月31日 上映時間:130分 ジャンル:伝記、スパイ、サスペンス |
(3.5) |
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『心惑いて行く先は』 公開:2019年8月9日 上映時間:106分 ジャンル:ドラマ |
(2.5) |
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『月影の下で』 公開:2019年9月27日 上映時間:101分 ジャンル:SF、ノワール |
(3.0) |
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『イン・ザ・トール・グラス -狂気の迷路-』 公開:2019年10月4日 上映時間:101分 ジャンル:ホラー、サスペンス |
(2.5) |
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『エルカミーノ:ブレイキング・バッド THE MOVIE』 公開:2019年10月11日 上映時間:122分 ジャンル:サスペンス |
(3.5) |
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『愛なき森で叫べ』 公開:2019年10月11日 上映時間:152分 ジャンル:サスペンス |
(3.0) |
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『フラクチャード』 公開:2019年10月11日 上映時間:100分 ジャンル:サスペンス |
(2.0) |
NETFLIXオリジナル映画の詳細
あらすじ・概要
西アフリカのとある国で内戦が勃発。家族を引き裂かれた少年は、武装集団に入ることを強要され、少年兵へと変貌していくのだった。
(NETFLIXより)
解説・おすすめポイント
ドキュメンタリー作品を除くと、ネットフリックス最初のオリジナル映画。
西アフリカにある架空の国が舞台ですが、起きていることは現実と乖離がなく次第に変わっていってしまう少年に心を打たれます。
監督は『007』シリーズ最新作『ノー・タイム・トゥ・ダイ』の監督キャリー・ジョージ・フクナガ。
詳細情報
- 原題:Beasts of No Nation
- 監督:キャリー・ジョージ・フクナガ
- 出演:イドリス・エルバ、カート・エジアワン
- 公開:2015年9月3日
- 上映時間:137分
あらすじ・概要
行きたい場所を巡る当てもない旅で2人が得たものは、生きていく希望とかけがえのない友情。体が不自由な青年と、心に傷を負う介護士が織りなす涙と笑いの物語。
(NETFLIXより)
解説・おすすめポイント
辛い過去を抱えた介護士の男性と重い障害を持った偏屈な少年のちょっとおかしなロードムービーです。
ユーモアと不謹慎が混ざり合っており、ギリギリで娯楽作に仕上がっている感じ。
ロードムービーたらしめる、移動中の出会いにも注目です。
詳細情報
- 原題:The Fundamentals of Caring
- 監督:ロブ・バーネット
- 出演:ポール・ラッド、クライグ・ロバーツ、セレーナ・ゴメス
- 公開:2016年6月24日
- 上映時間:97分
あらすじ・概要
平凡な日々を送るカイルは、久々に再会した友人のザックに自己啓発セミナーに誘われる。だが次第に誘惑や暴力に満ちた罠が彼を心理的に追い詰めていく。
(NETFLIXより)
解説・おすすめポイント
良くも悪くも配信オリジナルでしかできない作品だと思います。観終わったときはなんとも言えない不快感が残りました。
面白いのは不快感が残るということは、この映画を楽しんだ証な気もする点。
ある意味実験映画なので、興味を持った人はぜひご賞味あれ。
平凡な日常を過ごしていた男性が、アンダーグラウンドなセミナーの中で翻弄されていくスリラー作品です。
詳細情報
- 原題:Rebirth
- 監督:カール・ミュラー
- 出演:フランク・クランツ、アダム・ゴールドバーグ
- 公開:2016年7月15日
- 上映時間:100分
あらすじ・概要
元彼を捜していた住所不定の若い女が、衝動的に赤ちゃんを誘拐してしまう。ちゃんと子育てをしていない母親から救い、自分の子として育てるつもりだったが…。
(NETFLIXより)
解説・おすすめポイント
衝動的に赤ちゃんを誘拐してしまったホームレスの女性、その女性の彼氏の母親、育児放棄をし赤ちゃんを盗まれた毒親。3人の女性が主人公的に交差する物語。
毒親の描写が殺意を覚えるほど猛毒なんですが、その描写に殺意を覚えるということは製作者の意図通りといったところで、詰まるところ良くできているということでしょう。
後半にボソッと赤ちゃんがこぼす「ママ」という呼び声は、毒親に与えられた最後のチャンスのように感じました。
詳細情報
- 原題:Tallulah
- 監督:シアン・ヘダー
- 出演:エリオット・ペイジ、アリソン・ジャネイ、タミー・ブランチャード
- 公開:2016年7月29日
- 上映時間:111分
あらすじ・概要
元駆け出しDJとその親友。ロマンチックな恋に憧れる乙女、落ちぶれた元DJ、そして不安を抱えたカップル…。6つの人生が交差するEDMフェスが今、幕を開ける。
(NETFLIXより)
解説・おすすめポイント
XOXOという大型フェスをと駆け出しで人気急上昇中のDJを中心に、6つの人生が交差する群像劇です。
フェスという現代を象徴したカルチャーが中心にありますが、その構図は『グランドホテル』そのものの古典的なものとなっており、セオリーに忠実なので見やすい作りになっています。
詳細情報
- 原題:XOXO
- 監督:クリストファー・ルイ
- 出演:サラ・ハイランド、グレアム・フリップス、クリア・デリーア
- 公開:2016年8月26日
- 上映時間:92分
あらすじ・概要
石油に代わる新エネルギー供給技術開発に携わる1組の男女が、突然マスク集団に襲われる。しかも、タイムループにはまり、2人はその日を延々と繰り返す。
(NETFLIXより)
解説・おすすめポイント
目覚めてから様々な原因で死亡するまで、何度も同じ日を繰り返すという”よくある”タイムループものSF。なんですが──。
他のタイムループ作品と一線を画するのは、主人公意外の人物も徐々にループに加わっていく点。
普通タイムループモノの作品は死にゲーさながらパターンを覚え、様々な障壁をクリアしていくところにカタルシスを感じる作品ですが、本作の場合ループするたびにループ者が増えていく可能性を孕んでいるためサスペンスに変わるんです。
一風変わったタイムループ映画をみたいのなら、3番目くらいにオススメしたい一本です。
詳細情報
- 原題:ARQ
- 監督:トニー・エリオット
- 出演:ロビー・アメル、レイチェル・テイラー、ショーン・ベンソン
- 公開:2016年9月16日
- 上映時間:88分
- ジャンル:SF、サスペンス
あらすじ・概要
アフリカ大陸、コンゴ。圧倒的な数の敵に包囲されても、国連平和維持軍アイルランド部隊の兵士たちは、戦い抜くことを選んだ。歴史に埋もれた実話を映画化。
(NETFLIXより)
解説・おすすめポイント
実践経験のない国連平和維持軍アイルランド部隊が、クーデターで誕生した軍隊&傭兵団との包囲戦を余儀なくされた実話です。
国連軍の行動が第三次世界大戦につながってしまうということから、これまで闇に葬られてしまっていた事実を満を辞して映画化。
国連軍の指揮官がばちくそカッコいい一作でした。本当に実践経験ないの?
詳細情報
- 原題:The Siege of Jadotvile
- 監督:リッチー・スミス
- 出演:ジェイミー・ドーナン、ギョーム・カネ、エマニュエル・セニエ、マークストロング
- 公開:2016年10月7日
- 上映時間:108分
- ジャンル:戦争、実話
あらすじ・概要
恐がりの女性が、作家の家で住み込みの看護にあたることになった。いくつものホラー小説を書いてきたその作家の住む家には、秘密が潜んでいた。
(NETFLIXより)
解説・おすすめポイント
住み込みで介護をしたら幽霊屋敷でした。というのが超ざっくりなプロットなんですけど、これは上手くないです。
これまで出会った中でもトップクラスに出来が悪く、まるで原作小説をAIが実写化したかのような作りになっています。
そう感じさせる要因のひとつとして、独白の多さが言えるかと思います。
それっぽい映像に、小説の文章を朗読した音声を付け加えているだけのようで、安っぽく焦ったい仕上がりになっています。
詳細情報
- 原題:I Am the Pretty Thing That Lives in the House
- 監督:オズグッド・パーキンス
- 出演:ルース・ウィルソン、ボブ・バラバン
- 公開:2016年10月28日
- 上映時間:108分
- ジャンル:ホラー
あらすじ・概要
仕事のパートナー4人で犯した罪。1人だけ刑務所に行くとするなら、それは誰か? 開かれた話し合いは緊迫し、人間関係とそれぞれの本性が試される。
(NETFLIXより)
解説・おすすめポイント
4人のうち最も刑務所に行くべき人物──、つまり会社にとって最も必要のない人物を決定する”会議”を描いた作品。
7年という刑期を賭けて、全編ほぼひとつの部屋の中で展開される話運びが見事です。
冒頭は仲の良さそうな4人でしたが、誰も7年を無駄にしたくはなく、徐々にあらわになっていく本性も見応え十分。
詳細情報
- 原題:7 Años
- 監督:ロジャー・グアル
- 出演:パコ・レオン、フアナ・アコスタ、フアン・パブロ・ラバ、アレックス・ブレンデミュール
- 公開:2016年10月28日
- 上映時間:108分
- ジャンル:サスペンス
あらすじ・概要
死期の近づいた母を訪ねた2人の兄弟が、継父と異父兄弟らに故郷で再会。だが、その夜、突然何者かに襲われ、命がけの戦いを余儀なくされる。一体、誰が…?
(NETFLIXより)
解説・おすすめポイント
死期が近い母親の遺産をめぐったサスペンスなのですが、途中から何者かに命を狙われるスリラーな展開に。
家族構成のややこしさが、”何者か”により強力なサスペンスを産んでおり”何者か”の目的が明かされたとき2度びっくりできる良作でした。
詳細情報
- 原題:Mercy
- 監督:クリス・スパーリング
- 出演:ジェームズ・ウォーク、ケイトリン・フィッツジェラルド、トム・リピンスキー
- 公開:2016年11月22日
- 上映時間:90分
- ジャンル:サスペンス、スリラー
あらすじ・概要
異次元の敵が襲来し、戦火に包まれたヨーロッパの街は壊滅状態。この危機に立ち向かうのは、ある技師と精鋭揃いの特殊作戦部隊。未知なる脅威との死闘が始まる。
(NETFLIXより)
解説・おすすめポイント
ネットフリックスオリジナル映画を公開順にみていくと、一気に予算をかけてきたなと感じるくらいバジェットが高いです。
全国のシネコンでかかっていても何ら不思議はないくらいVFXがしっかりしていました。
詳細情報
- 原題:Spectral
- 監督:ニック・マチュー
- 出演:ジェームズ・バッジ・デール、エミリー・モーティマー、ブルース・グリーンウッド、マックス・マーティーニ
- 公開:2016年12月9日
- 上映時間:108分
- ジャンル:SF、サスペンス
あらすじ・概要
若き日のバラク・オバマは、進学のためNYへ。世界一刺激的な街で、人種、文化、そして自分自身と向き合ってゆく。第44代大統領の大学時代を描いた青春映画。
(NETFLIXより)
解説・おすすめポイント
若き日のバラク・オバマを描いた青春映画。ヒロインには21世紀の絶叫ガール、アニャ・テイラー=ジョイが参加しています。
人種の壁に悩むバラク改めバリーの姿が新鮮。若い頃は政治に興味がなかったんですね。
毎年その年を感じさせるプレイリストを公開するほど、ポップミュージックファンのオバマにちなんで、プレイリストムービーのように作っても面白かったんじゃないかなと思いました。
詳細情報
- 原題:Barry
- 監督:ヴィクラム・ガンディー
- 出演:デヴォン・テレル、アニャ・テイラー=ジョイ、ジェイソン・ミッチェル
- 公開:2016年12月9日
- 上映時間:104分
- ジャンル:伝記
あらすじ・概要
財政危機に見舞われた学校を救おうと、1000万ドル獲得計画を企む4人の高校生たち。その大胆な作戦とは、天下のアメリカ造幣局へ忍び込むこと!
(NETFLIXより)
解説・おすすめポイント
なんというか全ての要素が「がっかり感」を味あわさせられるガッカリ映画ですね。
ティーンエイジたちが潰れかけの学校を救うため、アメリカ造幣局に忍び込みプレミアコインをジャンジャン製造してしまおう!というのが物語の骨子。
この骨子の時点で「ご都合主義の実写化」のようなものなのに、強盗メンバーは天才ハッカー少女、父が車屋を営むメカニック、校長の息子、生徒会の会長の4人。後半の2人は一体何の役に立つのでしょう。少なくとも強盗の局面で活躍できることはなさそうです。
さらにはカラーグレーディングが物語とマッチしていないか、そもそも行っていないのでシットコムのような仕上がりに。作品のテイストは割とシリアスなのでこれまたマッチしてないのです。
唯一よかったのは、ヒロインのハッカー少女を演じたアレクシス・G・ザルが可愛かったこと。
詳細情報
- 原題:Coin Heist
- 監督:エミリー・ハギンズ
- 出演:サーシャ・ピーターズ、アレクシス・G・ザル、アレックス・サクソン
- 公開:2017年1月6日
- 上映時間:97分
- ジャンル:クライム
あらすじ・概要
衝撃的な出来事によるトラウマを抱えた女精神科医が、数年ぶりに仕事に復帰する。しかし、患者の1人の治療に関わるうちに、恐怖の過去が再び呼び起こされる。
(NETFLIXより)
解説・おすすめポイント
精神科医と、とあるPTSD患者を主軸としたサスペンス・スリラーといったところ。
超広角やダッチアングル(斜めの画)など、精神不安定な様を映像で語りかけるショットに強いこだわりを感じる。
なんならこだわりが強すぎて、半分以上のショットがダッチアングルなんじゃないかと思ってしまうほど。90度近く傾くシーンもあって、各ダッチアングルショットの角度を分度器なんかで調べたら面白んじゃないですかね。
冗談はさておき、サスペンス・スリラーとして一定の水準を越す程度の面白さはあり、点と点が繋がり謎が解ける要素もあるのでオススメできる一本ではある。
『ダイ・ハード』ファンならお馴染み、ウィリアム・アザートンも出演。『ダイ・ハード』ファンなあなたなら、どうしてもウィリアム・アザートン疑惑の目が向いてしまうことだろう。
詳細情報
- 原題:Clinical
- 監督:アリステア・ルグラン
- 出演:ヴァネッサ・ショウ、ケヴィン・ラーム、ウィリアム・アザートン
- 公開:2017年1月13日
- 上映時間:104分
- ジャンル:サスペンス、スリラー
あらすじ・概要
最先端のテクノロジーを自由自在に操る不思議な力の源は、脳内に埋め込まれた携帯電話の破片。突如超能力に目覚めた少年の危険な復讐劇がいま幕を開ける。(NETFLIXより)
解説・おすすめポイント
事故(殺人未遂)でスマホの破片が脳内に埋め込まれたことがきっかけで、どんなテクノロジーも自由自在に操れるようになった少年iBoyの物語。正気の沙汰じゃないダサいネーミングとは裏腹に、内容は割とシリアスな骨太ドラマ。
iBoyの脳内で再生されているUIの視覚化がわかりやすく、ストーリーテリングとしてよく機能していた。
いつの間にか巨悪と対峙することになってしまった話運びも無理がない。
イギリスの「チャヴ」がテーマにあり、イギリスの階級社会における社会問題を描いている。「チャヴ」がテーマになっている代表的な作品といえば『キングスマン』や『アタック・ザ・ブロック』など。
イギリスでは常に訴えかけておくべき問題なのだろう。
詳細情報
- 原題:iBoy
- 監督:アダム・ランドール
- 出演:ビル・ミルナー、メイジー・ウィリアムズ、ロリー・キニア
- 公開:2017年1月27日
- 上映時間:91分
- ジャンル:SF
あらすじ・概要
罪を償い出所した青年は、作家を目指しながら幼い息子と穏やかに暮らすはずだった。だが犯罪と貧困に蝕まれたこの街では、そんなささやかな願いも夢のまた夢。(NETFLIXより)
解説・おすすめポイント
若き名優ジョン・ボイエガで贈る、アメリカと黒人と貧困にメスを入れた一本。
犯罪に蝕まれた家庭環境の中で息子だけは犯罪者にさせまいともがくバンビの行動に強い好感を得ることができた。
アメリカにおける社会復帰の欠陥についても赤裸々に語っている。
詳細情報
- 原題:Imperial Dreams
- 監督:マリク・ヴィタル
- 出演:ジョン・ボイエガ、ロティミ、グレン・プラマー
- 公開:2017年2月3日
- 上映時間:90分
- ジャンル:ソフトストーリー
あらすじ・概要
気弱でおとなしい看護助手の家に空き巣が入るが、警察は何もしてくれない。彼女は仕方なく、変わり者の隣人と手を組んで、自分で犯人探しを始めるが…。(NETFLIXより)
解説・おすすめポイント
これまで不親切で失礼な社会を耐え続けていた女性が反旗を翻し、自ら立ち上がって行動する様はロックを感じる。
溜めに溜められたストレスを解放する様が気分爽快な、よく見るスラップステッィクなコメディで、変人な隣人トニーが気持ちのいいスパイスとして効いていた。
よく見るとは言ったものの、これはネットフリックス畑の作品。
普通では見ることのできないグロ描写が作品に新鮮味を与えていた。人間ってそんなにゲロ出る?っていうくらいの吐きっぷりに注目。
詳細情報
- 原題:I Don’t Feel at Home in This World Anymore
- 監督:メイコン・ブレア
- 出演:メラニー・リンスキー、イライジャ・ウッド、デヴィッド・ヨウ、ジェーン・レヴィ
- 公開:2017年2月24日
- 上映時間:96分
- ジャンル:ソフトストーリー、スラップスティック
あらすじ・概要
学生クラブで繰り返される、いじめのような上級生のしごきに、疑問を感じ始める新入生のズリック。そして見習い期間最後の夜、行き過ぎた”指導”が悲劇を招く。
(NETFLIXより)
解説・おすすめポイント
日本ではあまり馴染みのない”学生クラブ”をテーマにした作品。しばしばティーンエイジャーな作品をみると(『ドラムライン』や『ネイバーズ』、変わり種で言うと『モンスター・ユニバーシティ』など)学生クラブが登場するが、ここまで骨子に持ってきた作品はこれが初めてかも。
本作は学生クラブに入部するために必要な地獄の1週間にスポットライトをあて、次第にボロボロになっていく新入生たちの様子を描いている。
指導とは体良くいったもので実情はほぼリンチ。言わんこっちゃない事態に発展していき・・・。
たぶんアメリカ社会に向けた警鐘的作品なのだろう。
それにしても黒人ヒロインが可愛かった。
詳細情報
- 原題:Burning Sands
- 監督:ジェラード・マクマリー
- 出演:トレヴァー・ジャクソン、アルフレ・ウッダード、トレヴァンテ・ローズ
- 公開:2017年3月10日
- 上映時間:102分
- ジャンル:ソフトストーリー
あらすじ・概要
母子家庭の母親が刑務所に入り、お金が底をつく。困り果てた姉妹は、貨物列車を襲う計画を立てた。10代の子どもだけで生きていくには、これしかない!?
(NETFLIXより)
解説・おすすめポイント
学校一優等生の姉と、うだつの上がらない妹の姉妹が、列車強盗で進学資金と母親の保釈金を稼ぐお話。
ティーンエイジャーのクライム(犯罪)ムービーということで、同じ畑のネットフリックスオリジナル作品としては『コイン強盗クラブ』とコンセプトは同じ。
ただし出来具合は本作に軍配が上がる。
どちらも描かれる犯罪行為は信憑性ゼロの御都合主義と化しているが、本作の場合は御都合主義をコメディでラッピングしているため、御都合主義が作品の強みとして機能していた。
そもそも本作の主軸にいる五人家族全員に個性が強く、単純に魅力的。
ヴィランとしての列車警備員は正直ちょっと気の毒。
詳細情報
- 原題:Deidra & Laney Rob a Train
- 監督:シドニー・フリーランド
- 出演:レイチェル・クロウ、アシュリー・マレー、サシェア・ザマタ、ダニエル・ニコレット
- 公開:2017年3月17日
- 上映時間:92分
- ジャンル:ソフトストーリー、コメディ
あらすじ・概要
キリスト教に挑戦状を叩きつけ、大論争を巻き起こしたマデリン・マリー・オヘア。最高裁まで争われた宗教戦争や衝撃的な失踪事件など、彼女の数奇な人生を追う。
(NETFLIXより)
解説・おすすめポイント
「アメリカ無神論者協会」の創設者にして「アメリカで最も嫌われている女性」と呼ばれ続けたマデリン・マーレイ・オヘアの半生を綴った作品。
公民権運動と息子の一言をきっかけに無神論者として突き進んでいく時間軸と、晩年マデリンを襲ったある事件の時間軸を交差するように描かれています。
本作で注目すべきは『ザ・ファイター』や『プリズナーズ』などで強烈な印象を残したメリッサ・レオが主演を演じているという点。
2つの時間軸であり、1つは回想的に無神論者としての軌跡を振り返る流れからして「あー、これはメリッサ・レオの演技力を堪能する映画」と直感で感じました。
1つ注意しなければならないのは、マデリン・マーレイの半生とは言ったもののかなり脚色されている点です。
全てを事実として受け止める鑑賞はダメ・ゼッタイ。
詳細情報
- 原題:the most hated woman in america
- 監督:トミー・オヘイヴァー
- 出演:メリッサ・レオ、ジョシュ・ルーカス、ヴィンセント・カーシーザー、ジュノー・テンプル
- 公開:2017年3月24日
- 上映時間:91分
- ジャンル:伝記
あらすじ・概要
科学者である父親が証明した死後の世界の存在は、大量の自殺者を生んだ。それでもなお研究を続ける父に反発する息子は、1人の女性と出会い恋に落ちるが…。
(NETFLIXより)
解説・おすすめポイント
「”死後の世界”の存在が科学的に証明されたことによって、”リセット”と称し自殺者が続出している」というサンダンス映画祭で上映されてそうな哲学的SF。
実際にサンダンス映画祭で上映されはしなかったが、映画祭の創設者ロバート・レッドフォードが重要な役で出演しているあたりが面白いところ。
“死後の世界”はテーマである「生の意義」を語るための設定に過ぎず、直接的な描写無い。
故にSFとは言ったものの少々地味であり、大々的なSFを求める人にとっては向かないかも。
詳細情報
- 原題:The Discovery
- 監督:チャーリー・マクダウェル
- 出演:ジェイソン・シーゲル、ルーニー・マーラ、ロバート・レッドフォード
- 公開:2017年3月31日
- 上映時間:102分
- ジャンル:SF、ソフトストーリー
あらすじ・概要
2003年、戦火に揺れるイラクの紛争地域。ある村の給水系統の復旧を命じられた兵士たちは、村人と己の未来を守るため、命を賭けた危険な任務に挑んでいく。
(NETFLIXより)
解説・おすすめポイント
イラク戦争を体験した退役軍人の自伝を映画化した作品。
とある村の給水機を米軍が破壊してしまい、危険地帯でその修理を任命された1小隊にスポットが当てられる。
砂だらけの景色で水を求めるという「生物の本能」みたいなプロットが面白い。
戦争映画における魅力は、描かれる小隊の魅力と言っても過言ではないため、本作における小隊の魅力が弱かったのは少し残念。
詳細情報
- 原題:Sand Castle
- 監督:フェルナンド・コインブラ
- 出演:ニコラス・ホルト、ローガン・マーシャル=グリーン、ヘンリー・カヴィル、グレン・パウエル
- 公開:2017年4月21日
- 上映時間:113分
- ジャンル:戦争、伝記
あらすじ・概要
やむをえない事情で怪しげな取引に巻き込まれたダニーとエリー。指示通りに取引を完了させようとするが、目的のブリーフケースを間違った相手に渡してしまい…。
(NETFLIXより)
解説・おすすめポイント
とある取引でブリーフケースを紛失してしまった男女二人が、ブリーフケースを取り戻すまでの1日を描いた作品。
ほとんどのショットが望遠レンズを用いて、俳優から離れた位置で撮影されているのが大きなポイント。
俳優はカメラに意識を奪われることなく、全編通してかなり自然なタッチで描かれています。
詳細情報
- 原題:Tramps
- 監督:アダム・レオン
- 出演:カラム・ターナー、グレイス・ヴァン・パタン
- 公開:2017年4月21日
- 上映時間:83分
- ジャンル:ロマンス
あらすじ・概要
正常な機能を失い暴走する巨大階層都市で抹殺される人類。孤独な旅人・霧亥は、人類の生き残りを賭け、かろうじて生き延びていた村人たちと共に戦うことを誓う。
(NETFLIXより)
解説・おすすめポイント
原作は未見での鑑賞。
『マトリックス』の影響を強く受けているのかな?と思いきや原作は1997年開始で『マトリックス』は1999年公開だったため、なんなら『マトリックス』に影響を与えた作品の一つと数えることができるのかもしれない。
とりわけ本作に登場する監視塔のフォルムは『マトリックス』のセンチネルそっくりで、人間を発見した際にカメラが赤く光ると瓜二つ。この「目が赤く光る = 悪しきロボ」というイメージは『2001年宇宙の旅』におけるHAL9000から受け継がれてきた強烈なイメージであり、海を渡り日本産SFにも継承されていると思うとなんだか感慨深くもある。
舞台は行き過ぎたテクノロジーによって文明が崩壊した超未来となっており、例えば『SEE〜暗黒の世界〜』や『クラウドアトラス』といったように多くのSF作品で語られてきた内容である。
また”光源”にかなりこだわった作品となっており、さまざまなショットの光源にも注目していただきたい。最もわかりやすい例で言うと、たびたび映り込むレンズフレアの存在だ。
レンズフレアはカメラに向かって強烈なスポットライトを当てないと起こり得ない現象なので、アニメにおけるレンズフレアは誰かの意思がない限り絶対に発生しない。
J・J・エイブラムス監督の『スタートレック』あたりからレンズフレアがSF作品に持ち込まれ、作り物のSF映画にドキュメンタリー映画のような真実味を加えたテクニックと言える。
詳細情報
- 原題:BLAME!
- 監督:瀬下寛之
- 出演:櫻井孝宏、花澤香菜、雨宮天、山路和弘
- 公開:2017年4月21日
- 上映時間:83分
- ジャンル:ロマンス
あらすじ・概要
小さな町で発生した銀行強盗事件と3人の容疑者。そのうち1人は自分の兄弟だった…。真相の解明を目指す保安官の姿を描いた時間逆行型クライム・スリラー。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
とある小さな町で起こった銀行強盗の日まで、時間を逆行させながら物語が進むサスペンス・スリラー。
クリストファー・ノーラン監督の『メメント』を模倣しているような作品だが、こちらは1日ごとに逆行していくので『メメント』よりも幾らかわかりやすい(『メメント』は10分ごとに逆行する。)
『メメント』では記憶喪失の男を疑似体験する舞台装置として時間の逆行が使われていたが、本作では常識破りなストーリーテリングとしてのみ機能し、「アンサーが先で、クエスチョンが後」な初期のタランティーノ語をほのかに感じる。
時間が逆行する瞬間はチャプター仕立てになっているしね。(タランティーノもチャプターを多用する。)
各章(各曜日)同士は様々な演出が反復しており、脚本に仕掛けられた真実を暗喩しているセリフが所々にみられ存外楽しめた。
詳細情報
- 原題:Shimmer Lake
- 監督:オーレン・ウジエル
- 出演:ベンジャミン・ウォーカー、レイン・ウィルソン、ロブ・コードリー、ワイアット・ラッセル
- 公開:2017年6月9日
- 上映時間:86分
- ジャンル:サスペンス、スリラー、クライム
あらすじ・概要
死神が落としたノートを駆使し、悪人を葬り去る闇の存在となったライト・ターナー。だが謎の名探偵、そして1人の同級生の存在が、その運命を大きく変えていく。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
キャーっと悲鳴をあげるライトと、取り乱しがちのLが対決する外国産『デスノート』。
自主規制無しのNETFLIXという環境を活かし、スラッシャーというジャンルに比重を傾けている。
劇中ファンタジックなスラッシャームービー『ファンタズム』をミアが見ている点からもスラッシャー映画のDNAを取り込もうとしていたことは間違いないだろう。
つまりスラッシャーとコンゲームのジャンルのぶつかり合いが見れるのか!と思いきや、スラッシャーは失速して行き、コンゲームに至っては最初から存在していなかった。
コンゲームの代わりにあったのは刑事モノによく見るチェイスアクションだったのだが、これがどうしてつまらない。
原作のようにコンゲームが必要なわけではないし、実写化するのならば原作とは違うものであって然るべきだし、原作至上主義の連中には中指を立てて行きたいが、本作と僕のフィーリングは合わなかった。
スラッシャーとデスノートは相性が良いと感じただけに残念。
有能な性格俳優シェー・ウィガム(父親役)には注目していただきたい。
詳細情報
- 原題:Death Note
- 監督:アダム・ウィンガード
- 出演:ウィレム・デフォー、ナット・ウルフ、ラキース・スタンフィールド、マーガレット・クアリー、シェー・ウィガム
- 公開:2017年8月25日
- 上映時間:100分
- ジャンル:サスペンス、スリラー、クライム
あらすじ・概要
カンボジアで急速に支持を集めたクメール・ルージュの支配下で行われた大虐殺。5歳の少女が過酷な運命に巻き込まれつつ、生きていく様子を描いた壮絶なドラマ。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
いわゆる”ポル・ポトの大虐殺”の発端から終焉までを、一人の少女目線という非常に低い視線から描いた作品。
冒頭でニクソン元大統領や反米のニュース映像をモンタージュすることで、ベトナム戦争──、もっと細かく言えばアメリカ合衆国が加担していることをクレショフ効果で伝えている。
『フロリダ・プロジェクト』よろしくカメラの位置は低く設定されており、被写界深度を浅くし背景をぼやけさせるなど徹底してまだ現実を理解しきれていない少女の視線をレンズが語っている。
それでいて時折はさまれる神の目ショット(クレーンショットやドローンによる見下ろしショット)が観客へ起きている現実を叩きつけている。
また兄弟たちが愛を確かめ合っているシーンには決まって神々しいレンズフレアが降り注いでいるなど、随所にストーリーテリングのテクニックが見て取れて好印象だった。(アンジー監督作は初めてだったが、やるなアンジー!)
詳細情報
- 原題:First They Killed My Father
- 監督:アンジェリーナ・ジョリー
- 出演:スレイモック・サリウム、コンペーク・ポーク、ソチュアータ・スウェン
- 公開:2017年9月15日
- 上映時間:136分
- ジャンル:伝記、戦争
あらすじ・概要
マンネリの性生活に刺激を求めて試したゲームが暗転。人里離れた別荘のベッドに手錠でつながれた妻のジェシーを襲う幻覚、過去の秘密。そして究極の選択が迫る。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
マンネリを解消するため中年夫婦が人里離れた別荘でSMプレイに勤しもうとしたのも束の間、肝心なところで旦那がバイアグラによる心臓発作で急死してしまい、妻はベットに縛り付けられたままになってしまうというシチュエーション・スリラー。
叫び声は誰にも聞こえず、数週間先まで自分を探す人はいない状況。さらに野犬が・・・と、これ以上ないくらい恐ろしいシチュエーションが出来上がっているのにもかかわらず、蓋を開けてみたらちょっと病んでるジェシーの内なる声たちが勝手に会話しだすスピリチュアルな展開に。
シチュエーションはほとんど生かされず、自分の知らないローカルネタで盛り上がってる二人を見ているような虚無感が強かった。
手枷の暗喩まぁ面白いが特筆するまでもなく。徐々にジャンルがとっ散らかって行く。
そもそもスティーブン・キングはホラーやソフトストーリーに、ファンタジックやスピリチュアルな展開をコリジョンさせる物語を書くことが多いので、当然と言えば当然なのかも。
詳細情報
- 原題:Gerald’s Game
- 監督:マイク・フラナガン
- 出演:カーラ・グギノ、ブルース・グリーンウッド
- 公開:2017年9月29日
- 上映時間:103分
- ジャンル:ホラー、スリラー
あらすじ・概要
それぞれの伴侶に先立たれた男と女が、互いの孤独を埋めるため、話をしながら一緒に眠る。ただそれだけでも、新しい愛が始まるには十分だった。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
ロバート・レッドフォードとジェーン・フォンダという晩年スターが織りなす初々しいロマンスと言った感じ。
恋愛から甘酸っぱさや清々しさを感じることに、年齢は関係ないということを教えてくれる一本だ。
もちろん二人はただ歳を重ねただけでなく、様々なことを経験しており解決しなければならない葛藤も抱えている。心に秘めた葛藤を説明的ではなく自然と引き出し、後半の展開に繋げていく脚本のバトン渡しは見ていて気持ちが良い。
こういうのが伏線だ!
序盤ではほぼ無口だったルイスが、夜を共にするたびに心を開いていく変化によってこの老人を好きになってしまっているので、ちょっとしたことでももらい泣きしてしまいそうになる。大好きだレッドフォード!!
画面の9割に映し出されるカラッとした青空ショットがどこか涼しげで心を清らかにしてくれる。
息子役のマティアス・スーナールツは顔良し声良しの持つべきモノを持っている俳優なので、いつかヒットするはず。
詳細情報
- 原題:Our Souls at Night
- 監督:リテーシュ・バトラ
- 出演:ロバート・レッドフォード、ジェーン・フォンダ、マティアス・スーナールツ
- 公開:2017年9月29日
- 上映時間:103分
- ジャンル:ロマンス
あらすじ・概要
積年の恨みや競争心を抱えたまま、NYで顔を合わせた3人の兄妹。大人になった今、過去の栄光にしがみつき、老いてなお気難しい芸術家の父に振り回される…。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
それぞれ人並みな問題を抱えたとある家族の再会を、フィルムグレインがたっぷり効いたホームビデオのような映像で観せる。
全編通してウェス・アンダーソンの香り(例えば被写体がX軸やZ軸に真っ直ぐ移動するショットなど)が漂っていると思ったら、本作の監督はウェス監督の作品にたびたび参加しているノア・バームバックだった。
語りはチャプター仕立てになっており、タランティーノイズムも感じ取ることができる。誰かがブチギレた時や感極まった瞬間にブツっと切って次のチャプターに持っていく切替タイミングに作家性を感じることができる。
登場人物が喜怒哀楽どこかの方向に昂った時はたっぷり見せることで観客に共感を誘うのが通例だが、本作では交通事故でも起きたかの如く一瞬でテンションをクールダウンさせられる。
まるで監督が「これ、映画なんで」と捻くれた悪戯をしているかのようだ。
詳細情報
- 原題:The Meyerowitz Stories (New and Selected)
- 監督:ノア・バームバック
- 出演:アダム・サンドラー、ベン・スティラー、ダスティン・ホフマン、エマ・トンプソン
- 公開:2017年5月21日
- 上映時間:110分
- ジャンル:コメディ、ソフトストーリー
あらすじ・概要
ペンを取り、自ら犯した妻殺しの事実を書き残していく農夫。だがその殺人は、不気味な恐怖の物語への序章に過ぎなかった。原作はスティーヴン・キングの小説。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
私利私欲のために妻であり母親を殺してしまった父子の話。
原作は言わずと知れたホラー作家の記事等スティーヴン・キングの同名小説から。
主演は2代目パニッシャー(マーベルヒーロー)としてブレイク目前か!?と思ったまま静かにフェードアウトしてしまったトーマス・ジェーン。他には『ミスト』(『ミスト』もスティーヴン・キング原作)あたりが有名かな。
スティーヴン・キングの作品は、主人公かそれに近い人物が物書きで、書いている物語の回想というケースが多く、本作も同様のケースに当てはまる。
しかし回想という設定に頼りすぎた結果、主人公の独白が多く「観る」というより「聞く」に近い作品に成り下がってしまっている。
トーマス・ジェーンは何処訛りか知らないが、これまで聞いたことのないような訛りをわざとらしい位に発揮し、案外役作りが心地よかった。
詳細情報
- 原題:1922
- 監督:ザック・ヒルディッチ
- 出演:トーマス・ジェーン、モリー・パーカー、ディラン・シュミット
- 公開:2017年10月20日
- 上映時間:102分
- ジャンル:犯罪、ホラー
あらすじ・概要
犯罪者の逃走を請け負うドライバーが受けた奇妙な着信。それは、長く危険な一夜の幕開けだった。とっさの機転とハンドルさばきで、この危機を切り抜けられるか。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
全編通して車の中、もしくはフレーム内に車の一部が映り込んでいるショットで構成されている、ハードボイルド系ゲッタウェイムービー。
主演は『パージ:アナーキー』で頭角を現し、『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』などで知られるフランク・グリロ。
前述通りほとんどのショットが車の中から映し出されているので、ほぼ全ての時間グリロのアップを堪能できる。
通話とはいえ劇中の7割近くを”独り言”でよくこなしているよグリロ!
ほぼ通話という構成なので、コールセンターのおっさんの苦悩を描いた『ギルティ』に近いものがあるのかも知れない。
また数々のハードボイルド系映画から影響を受けていそうだが、なにぶん僕がそちらのジャンルに疎いため過去のDNAを見出すことができず、もっと勉強したい。
とりあえずこれ見よがしのゴースト(丸くぼやけたレンズフレア)がそれっぽいです。
もう一つ特筆したいのは最近僕の推し俳優シェー・ウィガム。残念な外国産『デスノート』ではライトの父親役を演じ、『キングコング:髑髏島の巨神』ではオフビートな軍人を、『世界に一つのプレイブック』ではなんとも冴えないブラッドリー・クーパーの兄を演じている。
そんな彼が本作で演じるのが、ゴリゴリモヒカンのマザーファッカーだ。
そう。彼は有能な性格俳優なのだ。
詳細情報
- 原題:Wheelman
- 監督:ジェレミー・ラッシュ
- 出演:フランク・グリロ、ギャレット・ディラハント、シェー・ウィガム
- 公開:2017年10月20日
- 上映時間:82分
- ジャンル:アクション、ハードボイルド
あらすじ・概要
社会から隔離された荒野で成長したカベレイラは、殺し屋だった育ての父と同じ運命をたどり、ブラジルの無法地帯で誰もが恐れる冷酷な殺し屋となる。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
油ぎったオープニングが最高にかっこいいブラジル産西部劇。イタリア産西部劇がマカロニ・ウエスタンなら、こちらはシュラスコ・ウエスタンとでも呼ぶべきか。
暴力的かつ神話的な語り口が、マカロニ・ウエスタンを代表する監督の一人セルジオ・コルブッチの作品と何処となく似ている。
しかし本作のピークはオープニングで終わる。
オープニングがギトギトと油ぎった、はたまた砂埃でざらついた独特の味を醸し出していたのに対し、本編が始まると何処となく涼しげなのだ。
さらに全編通して同じようなショットの応酬で目が飽きてしまう。これは辛い。
“動”の要素が強い西部劇はロケーションのスケールをもっと見せてほしいと思うところだが、構図が悪く奥行きがあまり感じられず、スケールを見せるのは決まってドローンによる見下ろしショットなので荒野の広大さがいまいち伝わらない。
勧悪懲悪な物語となっているが、主人公がなかなか救いようもないクズで笑う。
詳細情報
- 原題:The Killer
- 監督:マルセロ・ガルヴァオン
- 出演:ディオゴ・モルガド、エチエンヌ・シコ、マリア・デ・メディロス
- 公開:2017年11月10日
- 上映時間:99分
- ジャンル:アクション、西部劇
あらすじ・概要
世間知らずのお騒がせ令嬢エレンは、父に後継者として認めてもらうため父の故郷を訪れる。そこで働くことの尊さと助け合いの精神を目の当たりにしたエレンは…。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
これまで五万と作られてきた善の押し売りのような物語であり、実にステレオタイプな作品だった。
この時代に、ましてはネットフリックスでGoが出たことに驚きを隠せない。
社長令嬢が自分の身分を隠し、ど田舎で慈善行為を始めるのが物語の骨子。なのだが、目の前の慈善行為──、つまり作品のテーマとメッセージを伝えたいばかりに他のことがおなざりになってしまっている印象を受ける。
エレンの身を案じ、吹雪の中一晩車を走らせてやってきた彼氏に、ねぎらいの言葉一つかけることができないヤツに正しい心が備わっているとは微塵にも思えない。
そもそも大企業の後継者になるための試練がコレというのはさすがに陳腐すぎるのではなかろうか・・・。
また映画がデジタル撮影されるようになって20年近くが経とうとしているが、本作は典型的な映画デジタル時代が生み出した負の部分が見て取れる。
あまり詳しくはないのだけれど、絵がとてもデジタルっぽいのだ。つまりカラーグレーディングをすっかり置いてけぼりにしてしまっている印象をうける。
その結果、ディズニーチャンネルで毎週やっていそうなチープな見栄えになってしまっていると言えるだろう。
詳細情報
- 原題:Christmas Inheritance
- 監督:アーニー・バーバラッシュ
- 出演:イライザ・テイラー、ジェイク・レイシー、アンディ・マクダウェル
- 公開:2017年12月15日
- 上映時間:104分
- ジャンル:ロマンス、サクセスストーリー
あらすじ・概要
この上ない悲劇を体験した後、母と10代の息子が親戚の所有する別荘に移り住む。そこには親子の静かな生活を脅かす、不気味で説明不可能な力がうごめいていた。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
まず技術的な点に絞って感想を言うなら、良くできている印象だ。
本作のホラー、サスペンスの源泉は”オープンハウスに誰かが潜んでいるかもしれない”というもので、各ショットが覗きを彷彿させるものとなっている。
またディープフォーカスを用いた奥域まで行き届いた鮮明なフォーカスで、画面上のどこで何が起こるかわからないサスペンスを生み出している。
ディープフォーカスはフレームに入り込む全ての美術に気を配らなければならないので、なかなか手間がかかる。古くは古典ホラーにして最高峰の『回転』(61)から使われてきた技術で、『パラノーマルアクティビティ』でも見ることができた。
ただし技術によって上手く生み出したサスペンスとホラーが物語に繋がってこない。
作り手が「こんな伏線をおいたらゾクゾクするでしょ」を随所にばら撒いた結果、それを回収できていないことが大きな問題に思えた。
これ以上はどうしてもネタバレに触れそうなので、伏字で書きます。
ようするにオープンハウスをした結果、誰かが家の中に潜み、覗かれていることにサイコ的なホラーを感じる作品なのだが、ここで重要なのは「誰なのか」と「殺意の動機」だと個人的には思う。
「誰なのか」と「殺意の動機」が結びついた時、数々の伏線も線で繋がりこれまで見てきた物語に戦慄するのがセオリーなのかなと。
しかし本作では「誰なのか」の伏線を散りばめておきながら、全員を手放し無名のジョン・ドゥを犯人に仕立て上げているのだ。
所詮映画は他人事の出来事なので、どこの誰だかわからないサイコが暴力行為に及んだら本人たちは恐ろしくてたまらないだろうが、スクリーンを通してしまうとその恐怖は著しく低下してしまう。
ホラーサスペンスのストーリーテリングを踏襲してきたのにも関わらず、最後の最後で『ジョーズ』のようなモンスター映画に鞍替えしてしまうのだ。そのため観客は拍子抜けをしてしまう。
何方かと言えば『ジョーズ』というより『激突!』なのかもしれないけど。
詳細情報
- 原題:The Open House
- 監督:マット・エンジェル、スザンヌ・クゥート
- 出演:ディラン・ミネット、ピアシー・ダルトン、パトリシア・ベスユーン
- 公開:2018年1月19日
- 上映時間:94分
- ジャンル:ロマンス、サクセスストーリー
あらすじ・概要
突然ガンを告知されたアビー。でも、自分が死ぬことより心配なのは、幼なじみで婚約者のサムのこと。奥手で女性の扱いを知らない彼に、新しい恋人を見つけなきゃ!
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
『クローバーフィールド・パラドックス』や『ロキ』に出演したことで、注目を集めつつあるググ・バサ=ローと、『ゲーム・オブ・スローンズ』で隠れファンがきっと多いミヒウ・ハウスマンの命をテーマにしたラブストーリー。
とりわけ髭を封印し、前髪を下ろし、メガネをかけることで優男に変体したミヒウ・ハウスマンが新たな魅力を放っている。
前途洋々な若い女性に突然言い渡された死の宣告。という重々しい死のテーマにもかかわらず、そんな重々しさを吹き飛ばすような生命力に満ち溢れた作品だった。
しかしそんな明るく楽しい生命力の影から時折、”辛さ”や”悲しみ”が溢れ出ていて人間味あふれる物語になっている。
わざとらしくせず、喜怒哀楽を使い分けた役者陣に拍手を称賛の意を込めた拍手を送りたい。
化学療法のナースにスタンディングオベーションだ。
詳細情報
- 原題:Irreplaceable You
- 監督:ステファニー・ラング
- 出演:ググ・バサ=ロー、ミヒウ・ハウスマン、クリストファー・ウォーケン、ケイト・マッキノン
- 公開:2018年2月16日
- 上映時間:96分
- ジャンル:ソフトストーリー、ラブストーリー
あらすじ・概要
最愛の恋人が突然の失踪。その行方をつかむ鍵は、混とんを極める裏社会に隠されていた。近未来のベルリンを舞台に、声を失った男の静かなる戦いが幕を開ける。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
『月に囚われた男』で鮮烈な監督デビューを飾ったダンカン・ジョーンズが、父デヴィッド・ボウイに捧げたノワール味の濃いSF作品。
また『月に囚われた男』とリンクしている点が多く、”ダンカン・ユニバース”の作品とも言える。
劇中、随所にデヴィッド・ボウイを感じると思ったらエンドクレジットでデヴィット・ボウイと、ダンカン・ジョーンズの乳母であるマリオン・スキーンに捧げられていたので、僕の目は間違っていなかったと信じたい。
というのは舞台の中心にあるクラブのテイストが、ジェンダーバイナリー(性別二元論)的考え方を砕いているように見えたからだ。
本作のクラブに登場する人物は様々なファッションで自分の表現している。(ジェンダー・エクスプレッションという。)
デヴィット・ボウイは性的指向に囚われることなく、ドレスや口紅、ハイヒールや派手なジュエリーを用いて自己を表現し、男らしさの典型を打ち破った最初のスターである。
さらにデヴィット・ボウイは自身がゲイであることも公言している。
ようやく多様性に世界中の人々が目を向け出した今、そのパイオニアともいえるデヴィット・ボウイに捧げる作品としては至極真っ当な内容と言えるだろう。
一方で性的な道徳をダック(ジャスティン・セロー)の行為を通じて警鐘を鳴らしている。
またダンカン・ジョーンズは『月に囚われた男』で『2001年宇宙の旅』を上手に引用し、そのサスペンスを逆手にとったことからもSF作品への思い入れが非常に強いと感じられる。(『2001年宇宙の旅』におけるHAL9000のサスペンスを、ガーディに上手く忍ばせた)
そもそもデヴィット・ボウイの初主演作品が『地球に落ちてきた男』だったのに対し、ダンカン・ジョーンズの初監督作品が『月に囚われた男』というのは相当SFに因果の強い一族なのだろう。
そんなダンカン・ジョーンズが今作に込めたのは『ブレードランナー』を彷彿させるポストモダニズムだった。
『ブレードランナー』より以前のSFは、同名の都市だったとしてもあらゆる建造物を再構築して作られた”モダン”な世界だったのに対し、『ブレードランナー』では現代の都市に未来的価値を肉付けした”ポストモダン”な世界を作り上げてみせた。
どちらが現実的かと言えば比較するまでもないだろう。
ポストモダニズムの証拠に『ブレードランナー』におけるデッカードの住居は今なおロサンゼルスに残る歴史的な建造物が利用されている。
本作『ミュート』も『ブレードランナー』と同等に、現代のテクノロジーと未来的価値が共存する世界を魅力的に構築している。
さらにフィルムノワールな骨子も踏襲していることから、相当『ブレラン』への愛が深いと思える。さしずめナディーラはファム・ファタールといったところだろうか。
もっと言えば”ゲイシャ”や”透明コート”までダンカン・ジョーンズテイストでオマージュしてみせている。
ロッテントマトでの評価は散々だったようだが、そもそも『ブレードランナー』も公開時の評判は芳しくなく、後々評価をあげてきた作品だ。
さらに『クラシック名曲「酷評」辞典』によれば、かの有名なチャイコフスキーでさえボロカスに言われていたそうなので、作品の評価というものはディケートという大きな視野で見れば、当てにならないものなのかもしれない。
個人的にはもっと”ダンカン・ユニバース”を展開していただきたいと思った。
最後に本作に込められたメッセージを汲み取ると「愛情は声に出そう」と言うことだと思う。
詳細情報
- 原題:Mute
- 監督:ダンカン・ジョーンズ
- 出演:
- 公開:2018年2月23日
- 上映時間:126分
- ジャンル:SF、ノワール
あらすじ・概要
終戦後の大阪で、囚われの身から解放されたアメリカ兵が歩み始めた極道としての人生。だがそこは、一度足を踏み入れたが最後、頭まで沈み込む危険な世界。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
ジャレッド・レト、浅野忠信、椎名桔平が共演したネットフリックスオリジナルの大阪を舞台にしたヤクザ映画。
浅野忠信は松田優作になれなかった・・・。というのが強い印象。
舞台背景などはキチンと作り込まれており、絵作りもしっかりしているので雰囲気は非常によくできている。
しかし物語の狂気を担う一人、清(浅野忠信)の語彙が余りのも乏しい印象を受ける。「バカが」「そうだよ」「だから言ってんだろ」と低い声で連呼するだけなので徐々に小物臭が強くなってしまっている。
そもそも大阪の話なのになぜ一度も浅野は大阪弁を喋らないのだろう・・。
『日本で一番悪い奴ら』で素晴らしかったYOUNG DAISも活かしきれてなかった。
詳細情報
- 原題:Outsider
- 監督:マーチン・サントフリート
- 出演:ジャレッド・レト、浅野忠信、椎名桔平
- 公開:2018年3月9日
- 上映時間:120分
- ジャンル:犯罪、アクション、ヤクザ
あらすじ・概要
ニール・ヤングと無法者の一行が、西部の荒野で気まぐれに興じる突飛な悪ふざけと音楽を通して創造性と命の種をまく。ダリル・ハンナ監督の新感覚ウェスタン。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
ニール・ヤングが仲間を集め、ガンマンのコスプレで楽しくキャンプをしている様子を編集ドキュメンタリーといった感じ。
ジガ・ヴェルトフのような手作り感や、ロバート・ロドリゲスのような趣味全開の編集を感じる一本。
詳細情報
- 原題:Paradox
- 監督:ダリル・ハンナ
- 出演:ニール・ヤング、ルーカス・ネルソン、マイカ・ネルソン
- 公開:2018年3月9日
- 上映時間:120分
- ジャンル:西部劇、ミュージカル、インディーズ
あらすじ・概要
初のラップ”ロクサーヌ・リベンジ”で、ヒップホップ界に旋風を巻き起こしたロクサーヌ・シャンテ。これは、80年代にNYの貧困地区で懸命に生きた少女の物語。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
女性ラップシーンの草分け的存在となった、ロクサーヌ・シャンテの自伝的作品。
ラップのスキルにはスポットライトを当てず、シャンテの伝記を濃く描いている。
マハーシャラ・アリは本当にいい味を出す。
詳細情報
- 原題:Roxanne Roxanne
- 監督:マイケル・ラーネル
- 出演:シャンテ・アダムス、マハーシャラ・アリ、ニア・ロング
- 公開:2018年3月23日
- 上映時間:100分
- ジャンル:伝記、ソフトストーリー、サクセスストーリー
あらすじ・概要
里親の家を転々とする中、疎遠だった父親が出所したことを知った女子高生が、自分の価値を認めてもらおうと男子ばかりのレスリング部に入部する。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
非行の黒人女性が、男子レスリング部に入部して代わっていくお話。
『アクアマン』のヤーヤ・アブドゥル=マティーン二世が、どクズの父親を演じており、印象深かった。
詳細情報
- 原題:First Match
- 監督:オリビア・ニューマン
- 出演:エルヴィル・エマニュエル、ヤーヤ・アブドゥル=マティーン二世、コールマン・ドミンゴ
- 公開:2018年3月30日
- 上映時間:94分
- ジャンル:ソフトストーリー、サクセスストーリー
あらすじ・概要
ヘロイン中毒の弟と2歳の姪(めい)を車に乗せて、デトックス治療院を探し夜の街を走り回るケイティ。心の中で、暗い海の底へと沈んでいく感覚に抗いながら…。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
彼氏のサプライズパーティーを台無しにされてもなお、愛がある故にヘロイン中毒の弟を救うため、デトックス治療院を探し回るとある一夜のお話。
しかし本当にデトックスすべきものはもっと別のものだった。というラストは良い。
シックス・バルーンはおそらく劇中に登場するヘロインのことだろう。たぶん6つくらいの丸い包みだった気がする。
詳細情報
- 原題:6 Balloons
- 監督:マージャ・ルイス・ライアン
- 出演:アビ・ジェイコブソン、デイヴ・フランコ
- 公開:2018年3月30日
- 上映時間:94分
- ジャンル:ソフトストーリー
あらすじ・概要
類まれなる才能を見出され、若干14歳で名門校にスカウトされた天才バスケ少年。年若い金の卵を、私利私欲が渦巻くアマチュアスポーツの世界が待ち受ける。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
数字を理解できない学習障害を持った少年が、バスケの名門校で仲間と友情を育む一方で、大人の私利私欲に翻弄されていく物語。
主人公の影をバーコードでかたどったポスターがよくテーマを表している。
とりわけ面白いのは、父親とコーチという正反対の意見を自分にぶつけてくる存在がいて、そのどちらかが自分を私欲のために利用しようとしているのかボカされている点だ。
まるでフォーカスを切り替えているかの如く、一方が意見するときはそちらが正しく見え、他方が悪者に見える。
つまり撮影や演技のテクニックによって主人公の心境を表現しているのだ。
青春サクセスストーリーとして特筆する点は特にないが、セオリー通りに必要なモノが揃っていて楽しく見ることができる。
例えば本作のように”転校”が物語の骨子にある場合、「衝突しあう同級生」や「自分の才能を示す見せ場」など。
成功者と敗北者の二極の末路を示すことで、選択への警鐘を慣らしているようにも思えた。
詳細情報
- 原題:Amateur
- 監督:ライアン・クー
- 出演:マイケル・レイニー・Jr、ジョシュ・チャールズ、ブライアン・ホワイト
- 公開:2018年4月6日
- 上映時間:96分
- ジャンル:青春、サクセスストーリー
あらすじ・概要
キリスト教の根本主義者、カールトン・ピアソン牧師に信仰の危機が訪れ、新たな精神的な道へといざなわれる。それは彼の人生における全てを脅かす危険な道だった。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
極端なことを言えば信者のみ天国に行くことができ、その他や自殺者は地獄に落ちるとされる「キリスト教」。
その主義を忠実に説教することで多くの信者を得てきた牧師が、叔父の自殺そしてルワンダ虐殺のニュースを目の当たりにしたことをきっかけに、「キリスト教もそれ以外の人々も天国にいける」と主張を覆したという実話。
自信の信仰の危機に苦悩するキウェテル・イジョフォーが素晴らしい。
「自分を信じない者は全て地獄に送ってしまう神はモンスターだ。」という台詞が印象深い。至極真っ当なことを言っているよね。
本作の主人公カールトン・ピアソンを支えたジーナ・ピアソンの才女ムービーでもあった。やはり偉人の影には彼を支えた妻がいるものだ。
詳細情報
- 原題:Come Sunday
- 監督:ジョシュア・マーストン
- 出演:キウェテル・イジョフォー、マーティン・シーン、ダニー・グローヴァー
- 公開:2018年4月6日
- 上映時間:106分
- ジャンル:伝記
あらすじ・概要
HIV検査の結果を、落ち着かない気分で待つ7人の見知らぬ男女。待ちきれず、病院の受付係に賄賂をわたして結果を早く聞き出すと、1人だけ陽性だった…。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
最終的には社会問題に警鐘していく作品になっているが、ほぼスリラー映画としても見ることができる。
物語の骨子はこうだ。HIV検査にやってきた7人の男女だったが結果が発表されるまでまだ数時間もある。受付の女性に賄賂を渡し、結果を早く知ろうとした7人だったがわかったのは1人だけ陽性という事実だけだった。
つまり7人のうち誰が陽性なのかは示されれず、結局7人は正規の時間まで待たなければならないのだ。
さらに映画の第二幕をふんだんに利用し、7人のバックヤードを細かく説明していく。結果発表の時までには「知らない7人」ではなく「陰性であってほしい7人」に変わっているのだ。(1人だけドクズがいるけど。)
誰が陽性だったとしても後味が悪く、スリルとしては確かな手応えがここにある。
さらにインドにおけるHIV患者の差別も説明されているので、両方の手を合わせずにはいられない。
エンドロール前ではHIVに関する警鐘が長々と語られるが、最後の赤字のインパクトは絶大だった。
詳細情報
- 原題:Sometimes
- 監督:プリヤダーシャン
- 出演:プラカーシュ・ラージ、シュリア・レディ、アショク・セルヴァン
- 公開:2018年4月13日
- 上映時間:101分
- ジャンル:ソフトストーリー、スリラー
あらすじ・概要
恐ろしい感染症により荒廃したオーストラリアで、幼い愛娘を守るべく見渡す限りの荒野を懸命に歩き続ける男。だが、彼の体もまたウイルスにむしばまれていた…。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
ゾンビ映画にしか描くことのできない父性について、静かに激しく物語った傑作だった。
いわばゾンビ映画の上着を羽織った父娘の物語である。
2013年に公開された同名のショートフィルムをベースにしているが、7分間では表現しきれなかった部分を見事に照らしてみせている。
”ゾンビ映画にしか描くことのできない”というのは、ゾンビが出現した世界というだけで、多くを説明せずとも観客は主人公が置かれている状況を瞬時に理解することができるため。
要するに絶望的な状況が、主人公の父性をこの上なく輝かせることができるからである。
これは映画史が育んできた一種の文化であり、本作はゾンビ映画という文化を巧みに利用してみせたのだ。
またショートフィルムよりもバジェットが上がったことで、オーストラリアの広大な大地を映し出すエスタブリッシングショットも多く見ることができる。
英国訛りをかき消したマーティン・フリーマンも素晴らしく、オーストラリアの先住民アボリジニにスポットライトを当てた点には土地へのリスペクトを感じる。
詳細情報
- 原題:Sometimes
- 監督:ヨランダ・ラムケ、ベン・ハウリング
- 出演:マーティン・フリーマン、アンソニー・ヘイズ、スージー・ポーター
- 公開:2018年4月13日
- 上映時間:104分
- ジャンル:ホラー、ゾンビ、ソフトストーリー
あらすじ・概要
男同士で狩猟を楽しもうとスコットランド北部へ出かけた幼なじみの2人。だが週末の旅はたちまち悪夢に転じ、人としての本質を揺るがす耐え難い試練が待ち受ける。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
悲運な事故からどんどんと深みにハマり、袋小路にされてしまうずいぶんと性格の悪い悲劇だ。悲劇における”性格の悪さ”はある種、作品の出来の良さに通じているように感じる。
一見するとドミノ倒しのように状況が悪くなっているように見えるが、上手い悲劇というものは物語が始まった時点で全てが完成されている。
本作の場合、最初に訪れたバーでとった行動が後の全ての原因を作っている。
面白いなぁと思うのは脚本とレンズの技によって、さも自分が悲劇を起こしてしまった側の立場に立って考えてしまうところ。
選べるなら当然、立場が上位の村人だが脚本とレンズの誘導尋問によって観客は追われる側の立場になる。
詳細情報
- 原題:calibre
- 監督:ヨランダ・ラムケ、ベン・ハウリング
- 出演:マーティン・フリーマン、アンソニー・ヘイズ、スージー・ポーター
- 公開:2018年6月29日
- 上映時間:101分
- ジャンル:スリラー、サスペンス
あらすじ・概要
完璧なAIロボット製作のための被験者として発明家に拉致されたジュリア。だが、荒んだ生活の中で身につけた処世術を武器に、ハイテク施設からの脱出を試みる。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
ずいぶんジャンルやメタファーがとっ散らかった、味のうす〜〜〜いサイファイ映画だった。
冒頭ではポストモダン風な世界観を定時しておきながら、ほとんどの物語はモダンSFなとある屋内のみで展開される。【世界観の乱れ】
屋内に幽閉されるとモンスターパニックがあり、サイコスリラーがあり、ショック系ホラーも用意されてる。(唐突なショック系はブラクラにも近いからマジでやめれ・・。)【ジャンルの乱れ】
最終的にはゲイリー・オールドマン演じるAI、TAUを愛せるか否かが本作を楽しむポイントであるが、『2001年宇宙の旅』『月に囚われた男』『エクス・マキナ』などなどそろそろAI系というサブジャンルが設立されても良いのかもしれない。
詳細情報
- 原題:TAU
- 監督:フェデリコ・ダレッサンドロ
- 出演:マイカ・モンロー、エド・スクライン、ゲイリー・オールドマン
- 公開:2018年6月29日
- 上映時間:97分
- ジャンル:SF,シチュエーションスリラー
あらすじ・概要
原因不明の異変が突然発生。行方不明になった妊娠中の婚約者を捜すため、若き弁護士は未来の義父とともに、危険を承知でシカゴから西海岸へ向かう。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
ロードムービーとアポカリプスムービーという一見アンマッチなジャンル映画を、非常にヘタクソに掛け合わせることで、本当にただただアンマッチなだけという作品だった。
ちなみに自論だがアポカリプスムービーとは、『マッドマックス2』や『ウォーターワールド』などと言ったポストアポカリプスムービーと違う。
ポストアポカリプスは「終末後の世界を描いた作品」であり、アポカリプスムービーは「終末そのものにスポットライトを当てた作品」ということでジャンル分けさせて頂いている。
アポカリプスムービーの代表的な作品を挙げると『宇宙戦争』や『クローヴァーフィールド』『デイ・アフター・トゥモロー』など。
人類が終末に打ち勝つ場合もあるが(侵略物のSFなどは特に)その後、文明が崩壊していく姿が用意に想像できるのがアポカリプスムービーというわけ。
本作のアンマッチの件に話を戻そう。
ロードムービーというのは旅の途中で様々な人々と出会い、様々な価値を見出していく映画である。
対してアポカリプスムービーやポストアポカリプスムービーというのは、様々な人々の汚い深淵を覗く映画なのだ。
つまりロードムービーは人々に歩み寄る映画なのに対し、アポカリプスムービーは人々から遠ざかる映画なのだ。
状況が悪くなればなるほど他者は信じられなくなっていくので、ロードムービーとは非常に相性が悪いのである。
本作の物語の土台はロードムービーでできているため、どこまでも都合良く事が運び、薄っぺらくて退屈な旅になってしまっている。
暴徒が渦巻いている道路で、銃を持ったヒッチハイカーを親子連れが車に乗せてくれるとは全く思えなかった。
結局原因がなんだったのかの是非を問うようなことはしない。本作において原因はどうでもよく、あくまでもロードムービー仕立ての人と人とを語った映画だからだ。
そもそも結末が曖昧でも傑作な映画は世の中にゴマンと存在するしね。
詳細情報
- 原題:How It Ends
- 監督:デヴィッド・M・ローゼンタール
- 出演:テオ・ジェームズ・フォレスト・ウィテカー、カット・グレアム
- 公開:2018年6月29日
- 上映時間:113分
- ジャンル:SF,アポカリプス,ロードムービー
あらすじ・概要
家族を愛する男を苦しめる、エイリアンが地球へ侵攻する悪夢。ある日、謎の地球外生命体が地球上のあらゆる生命に総攻撃を仕掛け、男の悪夢は現実と化してゆく。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
アメリカ映画のほぼすべては三幕構成と呼ばれる脚本構成でできている。
そんな三幕構成における第一幕が、物語の後半に大きな影響を及ぼす作品だった。
要するにネタバレ厳禁と呼ばれる部類の映画だということ。一つ言えることは映画好きほど騙されるような内容だ。
第一幕の内容は、主人公の技師が地球外生命体に侵略される断片的な夢に悩まされているというもの。
そのため第一幕の20分ほどは割と静かでスピリチュアルな流れとなっている。
しかし第二幕が始まると事態は一変し、夢が現実となり一斉に地球外生命体が攻めてくるのだ。
もちろん”夢”が物語の重要な鍵を握っているのだが、主人公たちに行動をもたらす動機としても作用しており、上手いなと感じた。
例えば異星人襲来後、夢の記憶を頼りにとある建物に向かう。といったもの。第一幕で”夢”を非現実として扱わず、”予言”として扱っていたためこの流れはすごく自然なのである。
詳細情報
- 原題:Extinction
- 監督:ベン・ヤング
- 出演:マイケル・ペーニャ、リジー・キャプラン、イズラエル・ブルサード
- 公開:2018年7月27日
- 上映時間:95分
- ジャンル:SF,アクション
あらすじ・概要
1930年代のパリ。グラン・ギニョル劇場の舞台で惨殺される役を演じて有名になった女優は、実生活で不気味なストーカーと過去の亡霊に悩まされていた。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
19世紀末から20世紀半ばまでフランスに実在したグラン・ギニョール劇場の花形女優だったポーラ・マクサにスポットライトを当てたフレンチムービー。
彼女は劇場において犠牲者の役を演じることが多く、10,000回以上も舞台上で殺害されたという逸話が本作のタイトルの由来だ。
演じるのはアナ・ムブラリスという女優で、これがなかなか美人。既視感強いなと思ったけどおそらくケイト・ブランシェットに似ている。なんならハスキーボイスまで。
いやアナのほうはハスキーを通り越して酒焼けに近いが。
冒頭で自分の殺されパターンを列挙するアナがなかなかカッコイイぞ。
肝心の物語はなかなかとっ散らかっていて、様々な要素(「とある男の狂気」「アンナの妄想癖」「新聞記者の末路」)が一人歩きを始め、それぞれが本作の良さを潰しあっていた。
一つ面白い発見があった。
ネットフリックスらしく、本作はゴア描写が多く完成度も高い。
僕はゴア描写というものが少々苦手で血が噴き出た場所を手で隠したくなってしまうのだけれど、今回に限ってはそんなことがなかった。
なぜかというと、本作はゴア描写という作り物を”作り物として(舞台上の演出として流血が発生する)”スクリーンに映しているからで、僕の脳は「これは舞台上の演出」と解釈しているらしい。
要するに映画における様々な描写はコンテキスト次第で180度感じ方が変わるということを実体験できたのだった。
詳細情報
- 原題:The Most Assassinated Woman in the World
- 監督:フランク・リビエール
- 出演:アナ・ムブラリス、ニールス・シュナイダー
- 公開:2018年7月27日
- 上映時間:102分
- ジャンル:伝記、スリラー、サスペンス
あらすじ・概要
1930年代のパリ。グラン・ギニョル劇場の舞台で惨殺される役を演じて有名になった女優は、実生活で不気味なストーカーと過去の亡霊に悩まされていた。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
『アイ,ロボット』ミーツ『アイアンジャイアント』といったテイストのCGアニメ作品。
背景としては一家に一台”お手伝いロボ”が常識化された未来を描いた『アイ,ロボット』が大きくを締め、物語の主題(テーマ)はロボットとの親交を描いた『アイアンジャイアント』が担っている。
主人公メイと親交を深める7723はなかなか物騒なロボットだけどね。
ただし『アイアンジャイアント』にあったような命の尊さを説くような内容にはなっていない。パワーについての物語でもあるので、スーパーヒーロー映画に近いのかもしれない。
かなり引っ掛かるのは、本作に登場するお手伝いロボットが【ロボット三原則】をガン無視している件。
【ロボット三原則】とはSF作家アイザック・アシモフが『われはロボット』(『アイ,ロボット』の原作)でロボットたちに与えた人間を守る安全装置のこと。
【ロボット三原則】によるとロボットは人間に害を与えることができないのだ。
『アイ,ロボット』ではこの三原則がサスペンスのスパイスとなっているのだが、本作では当然のようにお手伝いロボット(Qボット)がメイに暴力を振るっている。
これはいただけない。
『アイ,ロボット』を引用しているのは明らかだし、もし【ロボット三原則】のことを知らないのであれば単なる研究不足だ。
せめて意図的に三原則を破るのなら一言言及するくらいしてくれた方が洒落が効いていると思う。
とはいったものの、全体を通して楽しめた作品だった。
とりわけ”映画”を意識した演出が良い。というのは画角の中にルプソワール(前景)が入っていたり、被写界深度の概念が露骨で奥行きを強く感じることができる。
またカラーグレーディングやフィルムグレインのエフェクト(フィルムっぽく見えるようにする粒子のエフェクト)が効いているので、映画を見慣れた人ほどリアリティを感じることができる。これが本作のクオリティが高く見える正体なのだ。
とくに後半のアクションシーンは必見で、明らかに撮影監督が優秀だ。
さまざまなショットでアクションを盛り上げ、長回しやジョン・フォードを引用したかのような(『駅馬車』のことなんだけど流石に言い過ぎ)ズームショットまで楽しめる。
SF映画におけるレンズフレアはカメラの存在を観客に意識させることで逆に現実感を出す演出であり、本作も漏れずにレンズフレアを利用している。
しかもそれだけでなく、レンズにこびり付いたダストまで演出しているのだから驚く。
レンズのダストの件についてはSF映画の巨匠が真似しても良いくらいに思う。
詳細情報
- 原題:Next Gen
- 監督:ケヴィン・R・アダムス、ジョー・クサンダー
- 出演:ジョン・クラシンスキー、シャーリン・イー、ジェイソン・サダイキス
- 公開:2018年9月12日
- 上映時間:100分
- ジャンル:SF、アニメ
あらすじ・概要
エジプト政府高官のアシュラフ・マルワンは、自国がイスラエルとの戦争に備える中、危険を承知で、一か八かのスパイ活動に身を投じる。実話に基づく映画。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
これまた骨のぶっといスパイ映画がやってきた。
それもそのはず、『007』や『キングスマン』といったスパイジャンルという上着を羽織ったアクション映画とは違い、実話ベースで正真正銘スパイ活動を描いた作品だからだ。
本作はモサド(イスラエル)とエジプト政府の間で平和のために暗躍したアシュラフ・マルワンという人物にスポットライトを当てている。
しかもこの男、諜報機関に所属していたわけではない。平和を願う己の意思こそが行動原理となっている、正真正銘の英雄なのだ。
「ミスター・モサド」とも呼ばれた2代目モサド長官、イサー・ハレルによれば「007は幼稚園児のようなもの」らしい。
どうしてもアシュラフについて語りたいことがあるのだが、ネタバレになってしまうので続きは以下で。
物語は完全にアシュラフを英雄視して語られる。要するに一方の意見に偏った不完全な映画とも言えるが、今回はアシュラフが英雄として語られる流れに身を任せて鑑賞してみた。
流れを任せると本当にアシュラフという男は誉れの高い人物で、イケイケな女性から何度アプローチされても、ガタフィ大佐のハーレムでも「妻と子供がいる」で妖艶な誘惑を蹴り飛ばしているのだ。
人知れずイスラエルとエジプトを救ったこの男は、個人の幸せを犠牲にしてしまう。スパイ活動を浮気と勘違いされた挙句、妻に別居を言い渡されてしまうのだ。
本作の自己犠牲の美学には魅力を感じざるを得なかった。
詳細情報
- 原題:The Angel
- 監督:アリエル・ヴロメン
- 出演:マーワン・ケンザリ、ハンナ・ウェア、トビー・ケベル
- 公開:2018年9月14日
- 上映時間:114分
- ジャンル:実話、スパイ
あらすじ・概要
オオカミに息子をさらわれたと言う母親の依頼で、アラスカの辺ぴな村を訪れた作家。だが、動物行動学の知識を生かした人助けが、不気味な謎に包まれる恐怖に変わる。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
いわゆる昨今の”難解映画”として形容される映画で、ストーリーは答えまで導いてくれない。
とはいったものの昨今の(1990年代〜)の映画は導きすぎている傾向があり、観客に選択の余地を与えてくれないという問題点がある。僕も90年代〜の世代なので、答えまで導いてくれる映画で育っており、それが普通だったのであまり大きなことは言えないのだけれど。
ただ本作は郷土的問題への理解や、原作をじっくり読まない限り、隠されているメッセージの入り口にも辿り着けないかもしれない。
実際『ウインド・リバー』的な側面を持った風刺が隠されているのかな?くらいで、主題(メインテーマ)はさっぱり読み取れなかった。
一つ言えるのは長回しを巧みに使い、観客の集中力と不気味さを保っていたという技術的側面について。
例えば序盤でオオカミ退治を依頼してきた女性が不可解な行動を取る際、必要以上にジョー・ライト単体のショットが続いている。このショットの長さが、異常注意報として観客の感覚を刺激しているのだ。
詳細情報
- 原題:Hold the Dark
- 監督:ジェレミー・ソルニエ
- 出演:ジェフリー・ライト、アレクサンダー・スカルス・ガルド、ジェームズ・バッジ・デール
- 公開:2018年9月28日
- 上映時間:125分
- ジャンル:スリラー
あらすじ・概要
長い間、不妊治療を試みてきた40代の夫婦。選択肢が狭まっていく中、居候をしにきた義理の姪(めい)が協力を申し出る。彼女は夫婦の最後のとりでとなるか。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
googleの辞書によれば、意義とは、
「行為・表現・物事の、それが行われ、また、存在するにふさわしい積極的な(すぐれた)価値。」
とある。
映画には様々な意義が存在する。本作は不妊治療について──、そして命の尊さについてを説いた意義の高い映画だ。
子供を授かる、様々な選択肢がうまく物語の中に練り込まれているのだ。
命というものは実に尊く、命を授かるということが如何に奇跡なのか、そんなことは皆頭ではわかっている。本作は命の尊さや授かることの奇跡について十分な説得力を持って観客に語っている。
ポール・ジアマッティとキャスリン・ハーンの名演が大きく貢献していることは言うまでもないだろう。
親しい友人が不妊治療に悩んでいる様を眺めているかのようだった。
とりわけキャスリン・ハーンの様々な感情を語る表情を見逃さないでほしい。
本作はタイトルのタイポグラフィでクリッピングマスクしたような形で、物語がスタートする。
あえてエンドロールについて記載するが、クレジットが画面を登っていってもなお、レンズは二人を移していることに注目していただきたい。
レイチェルとリチャードという40代の夫婦の物語は、映画が始まるずっと前からスタートしており、映画は修了しても彼らの物語は続くのだ。
つまり、観客は彼らの人生をほんのちょっとだけ覗いただけなのである。
詳細情報
- 原題:Private Life
- 監督:タマラ・ジェンキンス
- 出演:ポール・ジアマッティ、キャスリン・ハーン、ケイリー・カーター
- 公開:2018年10月5日
- 上映時間:124分
- ジャンル:ソフトストーリー
あらすじ・概要
ノルウェーで発生したテロ事件。この卑劣な攻撃を生き延びた若者や悲しみに暮れる家族など国全体が、心の拠り所と正義を求めて歩み続ける。実話に基づく映画。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
ポール・グリーングラスの映画は好きだなぁ。
ノルウェーで発生したウトヤ島の事件を題材にした作品で、知名度の高い『ウトヤ島、7月22日』の方は未見。
そのため『ウトヤ島、7月22日』との比較はできないが、本作はテロ当日を第一幕として描き、主題を被害者たちの苦悩と精神面でのテロリストへの反撃としている。
つまり冒頭で痛々しくも激しいテロ行為を描き、残りの時間はとある生存者の再生と実行犯の法廷劇となっている。そのため見た目上のテンションは右肩下がりとなっているのだが、そこは流石のポール・グリーングラス。
巧みなカメラワークによって観客の集中力をストーリーの最後まで引率してくれるのだ。とりわけグリーングラスは”間”の撮り方がうまい。
登場人物が無言であろうが、それまでのコンテクストによって何を考えているのか想像する余地を与えてくれている。故に我々は集中力を欠くことなく、物語に入り込むことができるのだ。
それにしても弁護士という生業は、時に侍のような仕事なのだと感じる作品でもあった。
どんなに弁護人と自分の思想が異なっていようが、クライアントになったからにはベストを尽くさねばならない。そんな弁護士にもスポットライトをあて、彼をスケープゴートにしなかった点は賞賛に値する。
ちなみにアメリカ映画の脚本はほぼ三幕構成で作られていると言って過言ではなく、1(一幕):2(二幕):1(三幕)の比率となる。映画の上映時間が伸びればそれぞれの幕の時間も応じて伸びる。
第一幕の役割は”設定”でこの映画はどんな物語になるのかを示す。登場人物や舞台、何がテーマになっているか等のことを示すのだ。
三幕構成の方程式に当てはめると、本作は約37分が第一幕として機能しているわけだが、実行犯が逮捕され弁護士が指名されるシーンでちょうど37分になる。
本作を見た人ならば、如何に優れた第一幕であったかがよくわかると思う。
詳細情報
- 原題:22July
- 監督:ポール・グリーングラス
- 出演:ヨナス・ストラン・グリヴリ、アンデルシュ・ダニエルセン・リー
- 公開:2018年10月10日
- 上映時間:144分
- ジャンル:テロ、実話、法廷
あらすじ・概要
1905年。誘拐された妹を救うため、孤島へ忍び込んだ男が、島を牛耳る狂信的カルト教団と対峙(たいじ)する。だが、その残虐非道ぶりは想像を絶するものだった。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
カルトの映画(カルト映画とはまた別)かと思ったらオカルト映画だっただけじゃなく、処刑具の趣味に個性が強いので、観ようと思う人は「流血は得意か?」自問自答してほしいと思う。ちなみに僕は苦手です。
カルト集団をフィルターにオカルト映画を語るので、画面からのオーラはどす黒く、左右に傾くダッチアングルショットが多いことなんの。
監督は『ザ・レイド』で、インドネシアにおける最強の格闘術、シラットを描いたギャレス・エヴァンス。
そのためか格闘シーンは無駄にキレが良い。被写体(格闘している2人以上)はそのままにして、背景がグワングワン揺れる特殊なショットが、ギャレスが撮るアクションシーンのキレの良さの秘訣。
だと思うんだけど、どんなレンズを使ってどんな風に撮影しているのかは謎。
カルトのボスにマイケル・シーンが起用されているが、ちょい太った?久々に見れてよかった。
詳細情報
- 原題:Apostle
- 監督:キャレス・エヴァンス
- 出演:ダン・スティーヴンス、ルーシー・ボーイントン、マイケル・シーン
- 公開:2018年10月12日
- 上映時間:129分
- ジャンル:歴史ドラマ、ホラー、スリラー
あらすじ・概要
ある日少女の命を見逃したため、組織から追われる身になった元トライアッドのエリート殺し屋。少女を守るため、残虐な闇社会を敵に回し、凄惨な闘いに身を投じる。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
ネットフリックス産のシラットムービー。
これは「ネットフリックスでは映画作家が自由に映画作りができる」という環境が生み出した、悪い例だと思う。ただし面白いから始末に負えない。
さぞかし映画作りを楽しんだことでしょう。
一度戦闘が始まれば、あたり一面は血の海とかし、容赦無く様々な体の部位が宙を舞う。ただ『ザ・レイド』や『スカイライン-奪還-』などのシラットムービーを見ていると、格闘術というより破壊術なので、そういった意味では最も良さが出ているのかもしれない。
とりわけボロボロになった主人公サイドの登場人物を見ていると、ほぼゾンビ映画と言って等しい。ちょっと黄緑のカラーグレーディングを施せばゾンビ映画と見分けがつかないだろう。
『ザ・レイド』と『ヘッドショット』くらいしか見たことがないのだけれど、インドネシア映画は非常に日本コミックと似ていると感じる。インドネシア産映画の組織やキャラクターは、日本コミックでよく見るように思えるのだ。ナンバーとかつけがちだよね。
それにしてもマフィアと肉屋は良いね。
詳細情報
- 原題:The Night Comes for Us
- 監督:ティモ・ジャヤント
- 出演:ジョー・タスリム、イコ・ウワイス・アシャ・クニェリ・ベルムデス
- 公開:2018年10月19日
- 上映時間:120分
- ジャンル:シラット、アクション
あらすじ・概要
友人に誘われ、ロンドンのカムデン・タウンに繰り出したシングルマザー。暗い過去を持つハンサムな男性に出会ったものの、なかなか新しい恋に踏み出せない。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
なんだろう・・・。こっちの脳が死んでいくお花畑映像を見させられた気分だ。
群像劇的に何名かに葛藤が植え付けられるのだけれど、本作の葛藤は全てにおいて時間が解決していってしまうのだ。
バーなんか特にひどい。
だいたいこの手のストーリーによくあるのだけれど、別の女性と寝たことを目撃されてしまい「本当に最低なことをした・・・。」と釈明する男がが後を絶たない。
その晩を共にした女性のことも考えろやっと思ってしまう。浮気でも無いのにね。
ジョージ・マッケイはなかなかキレッキレでよかったよ。
詳細情報
- 原題:Been So Long
- 監督:ティンジ・クリシュナン
- 出演:ミカエラ・コーエル、アリンゼ・ケニ、ジョージ・マッケイ
- 公開:2018年10月26日
- 上映時間:100分
- ジャンル:ミュージカル
あらすじ・概要
伝説の映画監督が復帰を賭けて製作した映画の上映会を開催。奇しくもその日が彼の人生最後の日となる…。2つの物語が同時進行するオーソン・ウェルズ監督の遺作。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
オーソン・ウェルズが残した未完成作品を再編集し、彼の死後に完成させたという試み自体が非常に面白い一作。
オーソン・ウェルズは映画について学びだせば、かなり早い段階で行きあたる人物。彼が初監督した『市民ケーン』は『國民の創生』などにも並ぶ、映画史におけるマスターピースだ。
本作のあらすじを見ると、ウェルズの伝記なのか?と思うくらい彼の物語だった。
詳細情報
- 原題:The Other Side of the Wind
- 監督:オーソン・ウェルズ
- 出演:ジョン・ヒューストン、オヤ・コダール、ピーター・ボグダノヴィッチ
- 公開:2018年11月2日
- 上映時間:122分
- ジャンル:ドラマ
あらすじ・概要
14世紀のスコットランドで、王位継承を主張するロバート・ブルースが、イングランドの支配からの独立を求めて戦う姿を描いた歴史ドラマ。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
国民的英雄として名高いスコットランドの国王、ロバート・ブルースを描いた伝記映画。
冒頭の10分に及ぶ長回しが面白い。ほとんどの登場人物と力関係をこの長回しで示している。
クリス・パインやフローレンス・ピューといった、ハリウッドの第一線を牽引する俳優のほか、『ゲーム・オブ・スローンズ』で見かけた俳優陣が出演。
バジェットも高く、美術が細かいので没入感は良いのだが、英雄を英雄たらしめる描写が少なく、元来からの”英雄”としてネームバリュー&俳優の名演に映像が着いてこれていない印象だった。
アーロン・テイラー=ジョンソンのマッドネス感が一際目立っていた。
詳細情報
- 原題:Outlaw King
- 監督:デヴィッド・マッケンジー
- 出演:クリス・パイン、アーロン・テイラー=ジョンソン、フローレンス・ピュー
- 公開:2018年10月26日
- 上映時間:121分
- ジャンル:歴史ドラマ、伝記
あらすじ・概要
荒唐無稽なものから深遠な話まで、コーエン兄弟ならではの味わいあふれるアンソロジー。アメリカ西部を駆け抜けた無法者や開拓者たちの6つの冒険物語。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
コーエン兄弟による西部劇のアンソロジー映画。6つの物語が1つの映画になっている。
個々のエピソードを単体として楽しむのはもちろんなのだが、全ての物語を1つの映画として見た時どう感じるか、俯瞰的に見るとアンソロジー映画はとても面白いものになる。
本作は言わば”西部劇”を映画化した西部劇なのだと思う。
冒頭はジョン・フォードの刻印とも言えるモニュメントバレーを、大体にもデカデカとフレームに収めたカットで始まる。
他にも幌馬車の大移動や、銀行強盗、広大な大自然やゴールドラッシュを描いて見たりと、西部劇の様々な一面を描いているのだ。
残念なことに『折れた矢』や『ソルジャー・ブルー』『ダンス・ウィズ・ウルヴズ』などといったネイティブ・アメリカンを友好的に描いた一面が欠如しているように感じた。
詳細情報
- 原題:The Ballad of Buster Scruggs
- 監督:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン
- 出演:リーアム・ニーソン、ジェームズ・フランコ、ティム・ブレイク・ネルソン、トム・ウェイツ
- 公開:2018年11月16日
- 上映時間:133分
- ジャンル:西部劇、アンソロジー、オムニバス
あらすじ・概要
心優しいシカゴのケーキ職人が、自分とそっくりの公女に出会う。王子との結婚を間近に控えた彼女と共に、クリスマスの入れ替わり計画を立てる。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
違う世界に生きるソックリさんが数日間入れ替わるロマンスコメディ。
映画は何かのきっかけ(事件)で物語が動き出すが、本作が動き出すきっかけは言って仕舞えば”金持ちの道楽”にすぎなかった・・。
ジャッキー・チェンもジェレミー・アイアンズなども双子を経験しており、アメリカ映画では割とよくあるテーマなんだよな。
詳細情報
- 原題:The Princess Switch
- 監督:マイク・ロール
- 出演:ヴァネッサ・ハジェンズ、サム・パラディオ
- 公開:2018年11月16日
- 上映時間:102分
- ジャンル:クリスマス・ロマコメ
あらすじ・概要
自分にそっくりな女にアダルトサイトのアカウントを乗っ取られたカムガール。彼女は過激な演技でファン層を急激に増やしていく…。一体彼女は誰? 目的は何?
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
自分のプライベートをライブ配信することで、収入を得る”カムガール”がアカウントを乗っ取られた挙句、正体不明のソックリさんが自分を装って配信し続けているというサイコスリラー。
物語の骨子は面白いのに、どうしてこうなった感が非常に強い。
主人公の行動原理や物語のオチなど何処をとっても”どうしてこうなった”なのだが、とりわけ気になったのはカムガーム仲間の反応である。
さすがにドンマイぐらいのテンションでは無いだろ・・。
詳細情報
- 原題:Cam
- 監督:ダニエル・ゴールドヘイバー
- 出演:マデリーン・ブルーワー、パッチ・ダラー
- 公開:2018年11月16日
- 上映時間:94分
- ジャンル:心理スリラー
あらすじ・概要
クリスマスイブのよる、かぞくできょうかいにいったアンジェラは、とてもいいことをおもいつく。F・マコートの本がもとになったこころあたたまるものがたり。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
5歳はもっと頭良いと思う・・。と言う感想しか・・。笑
詳細情報
- 原題:Angela’s Christmas
- 監督:ダミアン・オコナー
- 出演:ルーシー・オコンネル、ルース・ネッガ
- 公開:2018年11月30日
- 上映時間:30分
- ジャンル:アニメ
あらすじ・概要
政治的混乱に揺れる1970年代のメキシコ。ひとりの家政婦と雇い主一家の関係を、アカデミー賞受賞監督アルフォンソ・キュアロンが鮮やかに、かつ感情豊かに描く。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
キュアロンの映画は本当に好き。
非常にテクニックが綿密な映画。詳しい感想はネタバレ有りで以下の記事に書き起こしてあります。
【解説】『ROMA/ローマ』|ネタバレ感想・伏線・考察など|なぜこの映画は美しいのか
詳細情報
- 原題:Roma
- 監督:アルフォンソ・キュアロン
- 出演:ヤリッツァ・アパリシオ、マリーナ・デ・タビラ
- 公開:2018年12月14日
- 上映時間:135分
- ジャンル:ドラマ
あらすじ・概要
謎の闇に突き動かされた者たちが相次々と命を絶ち、人口が激減して5年。ここまで生き延びてきた母親が2人の子供を連れて、安住の地を目指す危険な旅に出る。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
見ると自害してしまう”何か”が現れたことによって文明が崩壊した後の世界を描くポストアポカリプス映画。
世紀末となってしまった原因が新感覚ではある。
しかし”見えない”サスペンスのインパクトが弱い。またポストアポカリプス映画は崩壊後に適応した、新しい生活力を見るもの楽しみの一つだ。なのだが、こちらも”見えない”生活のアイディアが弱く感じた。
目が見えないSFならAppleTV+の『SEE〜暗黒の世界〜』がおすすめ。
詳細情報
- 原題:Bird Box
- 監督:スサンネ・ビア
- 出演:サンドラ・ブロック、トレヴァンテ・ローズ、ジョン・マルコヴィッチ
- 公開:2018年12月21日
- 上映時間:124分
- ジャンル:SF,スリラー
あらすじ・概要
1984年、ビデオゲームの開発チャンスを得た若いプログラマー。ファンタジー小説に基づくゲーム開発に取り組む中、現実とパラレルリアリティが混同し始める。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
ネットフリックスの「SF×世にも奇妙な物語」的なオリジナルドラマ『ブラックミラー』の映画版。
なんと視聴者に2択を与え、選択によってエンディングが変化していくマルチエンディングな映画なのだ。
なおかつ”2択”そのものが物語に関わってくるのだから面白い。
ただストーリーに厚みがなく、これからと言う時に終わってしまった気がする。
詳細情報
- 原題:Black Mirror: Bandersnatch
- 監督:デヴィッド・スレイド
- 出演:フィオン・ホワイトヘッド、ウィル・ポーター
- 公開:2018年12月28日
- 上映時間:124分
- ジャンル:SF,スリラー
あらすじ・概要
滅びゆく地球に残り、生存へのわずかな希望を模索し続ける若き女性科学者。だが宇宙行きシャトルの発射場へと急ぐ男と出会ったことで、その決意が揺らぎ始める。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
大気の変化により人類が地球に住めなくなった近未来で、地球にとどまることを選択した女性科学者の物語。
木星の衛星イオにギリシア神話をかけた芸術思考の高い作品だった。
実は地球の滅亡は本作においてほとんど重要なものではなく、とある恋愛こそ本作の主題である。
最近マーガレット・クアリーが個人的にお気に入り。
詳細情報
- 原題:IO
- 監督:ジョナサン・ヘルパート
- 出演:マーガレット・クアリー、アンソニー・マッキー、ダニー・ヒューストン
- 公開:2019年1月18日
- 上映時間:96分
- ジャンル:SF,ドラマ
あらすじ・概要
大都会デリーで凶悪犯罪と戦い続ける短気な女性警官と冷静な女上司。組織内部、そして社会に根付く深い性差別にも負けず、正義を貫こうとする2人だったが…。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
インド映画にはこういう作品が多い気がする。性差別が本当に根深いのだろうな。
差別を差別だと思っていない奴こそ最もタチが悪いということを痛感させられる。
クィア作家でノンバイナリーのアイリス・ゴッドリーヴは、自身の著書『イラストで学ぶジェンダーのはなし』の中で「生まれながら特権を持っている人は、自分の特権に気づかず持っていない人を傷つける。」と言っている。
男性は男に生まれたと言う特権を自覚し、特権が特権ではない社会を作っていかなければならないのだと思う。
詳細情報
- 原題:SONI
- 監督:アイヴァン・アイル
- 出演:ギーティカ・ヴィディヤ・オーリアン、サローニ・バトラ
- 公開:2019年1月18日
- 上映時間:97分
- ジャンル:ドラマ
あらすじ・概要
殺し屋稼業からの引退を目前にして、穏やかな生活を送っていた凄腕暗殺者を狙う冷酷非情な若手刺客集団。強欲なボスの仕業だと知り、男は決死の反撃に出る。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
マッツ・ミケルセン渾身の職人っぷりは見応えたっぷり。
引退を目前とした老兵マッツは極力モノクロで描かれ、新進気鋭な若者暗殺者たちはカラフルなビビットカラーで描かれているイメージカラーの使い分けが非常に印象的。
これはぜひ続きが見たい。
詳細情報
- 原題:Polar
- 監督:ヨナス・アカーランド
- 出演:マッツ・ミケルセン、ヴァネッサ・ハジェンズ、キャサリン・ウィニック
- 公開:2019年1月18日
- 上映時間:118分
- ジャンル:アクション、殺し屋
あらすじ・概要
辛口評論家、冷酷な画商、野心家の助手。急逝した無名画家が遺した絵画を利用して自己の利益を得ようと目論むすべての人間に、悲劇的な結末が待っていた…。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
ジェイク・ギレンホールにレネ・ルッソ、トニ・コレットからジョン・マルコヴィッチまで、これを本当に配信限定でやるの?というくらい一流の俳優が揃っていて、配信時代の到来を感じざるを得ないキャスティングです。
無名の巨匠が遺した呪われた絵画で、金儲けを目論んだ人々が悲惨な死を遂げていくというモダンホラー。
芸術性よりも商業に大きく比重が寄ってしまった昨今の映画業界に対する痛烈な風刺も込められている作品です。
詳細情報
- 原題:Velvet Buzzsaw
- 監督:ダン・ギルロイ
- 出演:ジェイク・ギレンホール、レネ・ルッソ、ゾウイ・アシュトン、トニ・コレット、ジョン・マルコヴィッチ
- 公開:2019年2月1日
- 上映時間:118分
- ジャンル:ホラー・スリラー
あらすじ・概要
バスケ選手の代理人が、NBAのロックアウトにより窮地に陥った担当新人選手と自身のキャリアを救うため、権力構造を揺るがす大胆なアイデアを思いつく。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
邦題には「バスケ」とありますが、バスケにスポットライトを当てた作品ではなく、画面越しでは見ることのできないビジネスとしてのバスケを描いています。
バスケをするシーンはワンシーンだけなので、ご注意を。
ソダーバーグ節たっぷりにビジネスとしてのバスケ社会を描き、『オーシャンズ』シリーズのような種明かし的なラストとなっています。
詳細情報
- 原題:High Flying Bird
- 監督:スティーヴン・ソダーバーグ
- 出演:アンドレ・ホランド、ザジー・ビーツ、ビル・デューク
- 公開:2019年2月8日
- 上映時間:90分
- ジャンル:スポーツドラマ
あらすじ・概要
難しい離婚裁判を担当し、女性の権利のために戦い続ける有能な女弁護士。だが性的暴行の被害者であるという過去は、自らの結婚生活に暗い影を落としていた。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
女性のため次々と離婚裁判での勝利を収めてきた敏腕女弁護士と、とある富豪の離婚裁判にスポットライトを当てた作品。
富豪の奥様がなかなか歪んでて面白いです。
また弁護士自身も性的暴力の被害者という過去を抱えている点が、インドで起こっている問題へのメッセージとなっています。
詳細情報
- 原題:Firebrand
- 監督:アルナ・ラジェ
- 出演:ウシャ・ジャーダヴ、ギリーシュ・クルカルニー、サチン・ケーデーカル
- 公開:2019年2月22日
- 上映時間:112分
- ジャンル:社会風刺、ドラマ
あらすじ・概要
高まる社会的緊張に揺れるパリの街角。運命の愛に揺れるひとりの女性が迷い込んだのは、夢、記憶、そしていくつもの”もしも”が交錯するゆらめきの世界。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
非常にアヴァンギャルドな作品で、作品のメッセージをくみ取るのは非常に難しい作品です。
ヌーヴェルバーグ時代のゴダールを彷彿させる編集かなと思います。
主人公の後方から追い撮りするような形で多用される画角の狭い映像で、彼女の混沌とした視野を表しているように感じました。
詳細情報
- 原題:paris is us
- 監督:エリザベト・ヴォグレール
- 出演:ノエミ・シュミット
- 公開:2019年2月22日
- 上映時間:84分
- ジャンル:社会風刺、ドラマ
あらすじ・概要
成人しても問題ばかり起こす3人の子供や人生に疲れた母親が一念発起。行き先も決めず旅に出ようと思いつき、モンタナ州のペーパームーンにたどり着く。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
3人の子供を一人で育てたの黒人女性ファニータが、平凡で疲れ果てた日常から脱出するために、旅に出る物語です。
第四の壁を破ることで、ファニータが視聴者に話しかけてくれるので、彼女の心情が理解しやすい作品です。
詳細情報
- 原題:Juanita
- 監督:クラーク・ジョンソン
- 出演:アルフレ・ウッダード、アダム・ピーチ
- 公開:2019年3月8日
- 上映時間:90分
- ジャンル:社会風刺、ドラマ
あらすじ・概要
交通事故に遭い下半身不随になっても大好きなロデオを諦めず、アンバリー・スナイダーは再び愛馬にまたがり、優勝を目指して競技に挑む。実話に基づく物語。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
将来有望視されていたロデオライダーの少女が、不幸な事故によって下半身が付随になってしまい、そこからロデオへの再生を描いた実話です。
タイトルはリハビリ開始時、「何が出来るようになりたい?」と聞かれた際に彼女が答えた名言から。「歩けるようになって、馬に乗れるようになって、ロデオをする」と言う意味が込められています。
映画らしさ溢れるエピソードをもちつつ、カラーグレーディングの弱さや、ありきたりな編集のため少々チープな印象に落ちてしまっているのが非常に残念。
詳細情報
- 原題:Walk Ride Rodeo
- 監督:コナー・アリン
- 出演:スペンサー・ロック、ミッシー・バイル
- 公開:2019年3月8日
- 上映時間:99分
- ジャンル:伝記
あらすじ・概要
麻薬王から大金を奪う強盗計画を企てた5人の元特殊部隊の兵士たち。だが、この強奪が不測の事態に襲われるサバイバルバトルに変わるとき、彼らのきずなが試される。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
かつての米軍特殊部隊5人が麻薬王の隠し財産を強奪する。という、スクワッドアクション味やクライムアクション味を感じる1作ですね。しかも5人それぞれが主役級で活躍するキャスティングなだけあってアクション映画好きには魅力あふれる一作です。
ただしアクションというよりも生き様を描いた1作で、サンダンス映画祭で上映していてもおかしくない内容でした。
作品としては悪くないのですが、キャスティングとアクション映画的マーケティングに評価を落とされた一作かなと感じました。
詳細情報
- 原題:Triple Frontier
- 監督:J・C・チャンダー
- 出演:ベン・アフレック、オスカー・アイザック、チャーリー・ハナム
- 公開:2019年3月13日
- 上映時間:125分
- ジャンル:アクション、スリラー
あらすじ・概要
音楽界でスターダムにのし上がり、地獄のふちをはうようなどん底を経験したLAの4人組。ベストセラー自叙伝を基に、その怒涛(どとう)の半生を赤裸々に描き出す。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
アメリカ合衆国出身のヘヴィメタル・バンド、『モトリークルー』の結成から繁栄と衰退を描いた一作です。
「事実は小説よりも奇なり」とはよく言ったもので、波乱万丈なエピソードの連続であり、メンバー全員が個性的なため全く飽きさせません。
ロックバンドの自伝と言えば『ボヘミアン・ラプソディ』を彷彿させまずが、モトリークルーは本人たちが存命な分『ロケットマン』に近い気がします。
詳細情報
- 原題:The Dirt
- 監督:ジェフ・トレメイン
- 出演:ダグラス・ブース、イヴァン・リオン
- 公開:2019年3月22日
- 上映時間:108分
- ジャンル:伝記
あらすじ・概要
冷酷な銀行強盗ボニーとクライド逮捕に駆り出された2人の元テキサス・レンジャーが、経験に裏打ちされた直感を頼りに悪党を追い詰める。史実に基づく犯罪ドラマ。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
アメリカ史上最も有名と言っても過言ではないギャング、ボニーとクライドを追った二人の元テキサス・レンジャーを描いた作品です。
射撃の腕は追い、走る体力もままならない老レンジャー二人が、かつてのカンを頼りに凶悪なギャングに迫って行く様をヒロイックに描いています。
ボニーとクライドをアンチヒーローとして描いたアメリカン・ニュー・シネマの火つけ『俺たちに明日はない』と裏と表の様な関係の映画ですね。
『俺たちに明日はない』では親しみやすく描かれていたボニーとクライドが本作では凶悪二描かれている点も面白いなと思います。
詳細情報
- 原題:The Highwaymen
- 監督:ジョン・リー・ハンコック
- 出演:ケヴィン・コスナー、ウディ・ハレルソン
- 公開:2019年3月29日
- 上映時間:132分
- ジャンル:伝記
あらすじ・概要
一緒に過ごす最後の夜に集まった4人の男女。だが、ルームメイトとして育んできた8年間の友情を祝う楽しいはずの時間が、驚きの秘密に揺れる衝撃の夜となる。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
医大に進学するため、仲の良い男女4人の若者が、共に過ごせる最後の夜を描いた作品です。「4人の中で2人と一緒に無人島に行けるとしたらだれにするか?」というゲームをきっかけに、仲の良いはずだった4人のメッキがはがれていく様を描いています。
詳細情報
- 原題:¿A quién te llevarías a una isla desierta?
- 監督:ホタ・リナレス
- 出演:マリア・ペドラサ
- 公開:2019年4月12日
- 上映時間:93分
- ジャンル:スリラー、ドラマ
あらすじ・概要
かつて愛し合った元教え子が、自分がずっと欲しかった名声を手に入れて華々しく帰郷すると知り、寂れた小さな町の音楽教師は罪悪感と後悔に身を焦がす。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
結婚と仕事のチャンスを逃した、一人の音楽教師を描いたミュージカル作品です。
人生の絶頂だった過去と、絶望の淵にいる現在とが交互に語られます。
主人公の男性は終始ウジウジしていて、少々いらつく場面も・・。
詳細情報
- 原題:Music Teacher
- 監督:サータク・グスグプタ
- 出演:マナフ・カウル、アムリタ・バグチ
- 公開:2019年4月19日
- 上映時間:101分
- ジャンル:ドラマ
あらすじ・概要
NYでお金が必要な人たちに匿名で大金を届ける人物が現れる。1人の記者がその真意に疑問を抱き、彼の正体と動機を探り始めるが、彼女にも思わぬ幸運が訪れる。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
手がかりは「善きサムより」という手紙のみで、共通点もな人々に10万ドルを配った人物を探るニュースキャスターを描いた作品です。
テーマは誉れの高い、高尚なものなのですがご都合主義な側面が目立ち、結論に至るまでがかなり雑なため脳みそお花畑の様な残念な仕上がりになってしまっている気がしました。
詳細情報
- 原題:Good Sam
- 監督:ケイト・メルヴィル
- 出演:ティヤ・シルカー、チャド・コネル
- 公開:2019年5月16日
- 上映時間:90分
- ジャンル:ドラマ
あらすじ・概要
タイムマシーンで時間をさかのぼり、警官に射殺された兄の命を救おうと奮闘する2人の天才ティーンエイジャー。だが、過去に戻る度、別の悲劇に見舞われて…。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
「タイムマシンを開発した天才ティーン二人が、時間を遡る」という物語からSFジュブナイルや、ほんのりスチームパンクの香りが漂う一作ですが、根本にあるメッセージは、ブラックライブスマターのような黒人差別を訴える作品になっています。
プロデューサーに『マルコムX』や『ブラック・クランズマン』など数々のレイシズムと戦う作品を作り出してきたスパイク・リーが参加していることからも、本作にかけられたメッセージは顕著でしょう。
詳細情報
- 原題:See You Yesterday
- 監督:ステフォン・ブリストル
- 出演:エデン・ダンカン=スミス、ダンテ・クリッチロウ
- 公開:2019年5月17日
- 上映時間:87分
- ジャンル:SF、社会問題
あらすじ・概要
エイリアンに襲われ、キャンプ場に足止めされた4人の子供たち。出会ったばかりで互いのこともよく知らないけれど、こうなったら、力を合わせて地球を救うしかない!
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
SFジュブナイルらしさ満載で、少年たちの成長譚として、ロードムービーとして、モンスター系SFムービーとしてそれなりに楽しめる一作です。
マックG監督の、映画ファンが居酒屋でトークしいるかのようなゆるい映画の引用も面白いです。
詳細情報
- 原題:Rim of the World
- 監督:マックG
- 出演:ジャック・ゴア、ミヤ・ケック
- 公開:2019年5月24日
- 上映時間:98分
- ジャンル:SF、ジュブナイル
あらすじ・概要
かつて将来を有望視されていた天才チェロ奏者が元恩師を訪ねるが、そこには別の才能豊かな愛弟子がいた…。二転三転する展開から目が離せない驚がくのスリラー。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
あらすじにもある通り、二転三転する展開から目が離せない一作であることは間違い無いのですが、それ以上に各シーンに潜り込ませた小さなスリルと布石、それを観客の潜在意識にのみ語りかける絵作りが凄い一本です。
神は細部に宿るを体現した作品でしょう。
詳細情報
- 原題:The Perfection
- 監督:リチャード・シェパード
- 出演:アリソン・ウィリアムズ、ローガン・ブラウニング
- 公開:2019年5月24日
- 上映時間:90分
- ジャンル:サスペンス
あらすじ・概要
20世紀初頭、禁断の愛で結ばれたエリサとマルセラは、夫婦として共に人生を歩むため、大きな決断をするが…。スペイン初の同性婚を果たした実在の夫婦の物語。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
スペインで初めて同性婚を果たしたレズビアン夫婦の実話を、全編モノクロで編集された作品です。かなり官能的な描写があるので、鑑賞するタイミングにはお気をつけください。
エンディングロールが良きです。
詳細情報
- 原題:Elisa & Marcela
- 監督:イザベル・コイシェ
- 出演:ナタリア・デ・モリーナ、グレタ・フェルナンデス
- 公開:2019年6月7日
- 上映時間:90分
- ジャンル:伝記、ロマンス、大人向け
あらすじ・概要
シカゴのサウスサイド。ヒップホップの才能を秘めたオーガスト・モンローは、心の病に苦しんでいた。そんな彼の閉ざされた世界を、型破りな男がこじ開けてゆく。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
PSTDを患った少年が、音楽の才能を通して心を開いていく、回復映画であり音楽業界で成功の道を歩んでいくサクセスストーリーです。
監督はミュージックビデオ監督出身なこともあり、サンプリングされている音楽は最高に良いです。
PSTDになってしまう原因も描かれており、感情移入がしやすい設計になっていますが、原因の描写がネットフリックスらしさ満載な流血満載となっていますので、鑑賞タイミングにはご注意ください。
詳細情報
- 原題:Beats
- 監督:クリス・ロビンソン
- 出演:カリル・エヴァレッジ、アンソニ^・アンダーソン
- 公開:2019年6月19日
- 上映時間:110分
- ジャンル:サクセスストーリー
あらすじ・概要
救急科勤務の看護師が、誘拐された身重の妻を救うため殺人容疑者と手を組むことに。汚職警官たちを敵に回し、愛のため、迫りくる時間との戦いに挑む。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
MCUに出演するファルコン(サム・ウィルソン)ことアンソニー・マッキーと、クロスボーンズ(ブロック・ラムロウ)ことフランク・グリロが共演する巻き込まれ型バディムービーです。
2019年配信の比較的新作に近いアクションムービーですが、劇伴や挿入される映画ネタから察するに、80年代ハリウッドにおけるバディアクションをリスペクトしている作品と言えるでしょう。
詳細情報
- 原題:Point Blank
- 監督:ジョー・リンチ
- 出演:フランク・グリロ、アンソニー・マッキー
- 公開:2019年7月12日
- 上映時間:86分
- ジャンル:アクション、クライム
あらすじ・概要
何者かに襲われ大怪我を負った後、記憶を失ったまま目を覚ましたジェニファー。傍らには献身的な夫がいるものの、彼女を狙う危険が去ったわけではなかった…。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
「何者かに襲われて・・・」というあらすじがあるものの、開始から数分で犯人がわかってしまうプロットになっています。とはいうものの、そもそも犯人がわかってしまうことを前提として作られている脚本で、犯人の周到性や執着への気持ち悪さを楽しむ作品なのかなと思います。
ただしその周到性がかなりお粗末な作品であることは間違い無いです。
詳細情報
- 原題:Secret Obsession
- 監督:ピーター・サリヴァン
- 出演:ブレンダ・ソング、マイク・ヴォーゲル
- 公開:2019年7月18日
- 上映時間:97分
- ジャンル:スリラー
あらすじ・概要
数万ものエチオピア難民を密航させるため、諜報(ちょうほう)員たちが本物の観光客を受け入れる偽のホテルを開く。実際にあった救出作戦に着想を得た物語。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
エチオピアに住むユダヤ人をイスラエルへ入国させる、イスラエル政府(モサド)による”モーセ作戦”から着想を得た作品です。
主演はキャプテン・アメリカでお馴染みのクリス・エヴァンス。
かなりスパイ映画風味に脚色された作品で、130分という若干の長尺でありながらサラッと鑑賞することができる作品になっています。
脚色については賛否ありますが、事実を知るきっかけとしては良いのでは無いでしょうか。
詳細情報
- 原題:The Red Sea Diving Resort
- 監督:ギデオン・ラフ
- 出演:クリス・エヴァンス、マイケル・ケネス、ヘイリー・ベネット
- 公開:2019年7月31日
- 上映時間:97分
- ジャンル:スリラー
あらすじ・概要
熱気あふれるムンバイの街角で、終わらない口論を繰り返す恋人たち。限界まで張り詰めた糸が切れたとき、2人の間に存在したはずの愛はどこに向かうのか。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
約100分の上映時間で、主人公のカップルが語り合うだけに等しい、絵的にはかなり地味な作品です。
そのため万人には間違いなくオススメできない作品ではありますが、世界共通とも言える”男性問題”──とくに男尊女卑についてかなり切り込んだ作品になっているので、一度は鑑賞する価値がある作品でしょう。
詳細情報
- 原題:Jaoon Kahan Bata Ae Dil
- 監督:アーディッシュ・ケルスカル
- 出演:クシュブー・ウバディヤイ、ロヒット・コカテ
- 公開:2019年8月9日
- 上映時間:106分
- ジャンル:ドラマ
あらすじ・概要
科学では説明できない不可思議な方法で、人を殺し続ける女性殺人鬼。その逮捕に人生の全てをささげてきたひとりの刑事はやがて、狂気と正気の狭間におちていく。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
「刑事・ミステリ・SF」という要素から『ブレード・ランナー』や『未来世紀ブラジル』、『マイノリティ・リポート』などと同じような「テク・ノワール」に分類されるSF作品です。
何年もかけて不可解な殺人事件を追う刑事が、次第に事件に陶酔して行く様が面白い作品ですが、物語が導き出す答えは少々過激な宗教的な側面も。ある意味でかなり恐ろしい映画なのかもしれません。
事件の真相は、これから歴史的に間違ったことを起こす人物を事前に殺人して、大きな事件を未然に防ぐというもの。『マイノリティ・リポート』で導き出した答えを真逆で行くような答えが、過激な宗教的で結構怖いラストだなと思います。
詳細情報
- 原題:In the Shadow of the Moon
- 監督:ジム・ミックル
- 出演:ボイド・ホルブルック、マイケル・C・ホール
- 公開:2019年9月27日
- 上映時間:101分
- ジャンル:SF、ノワール
あらすじ・概要
助けを呼ぶ少年の声を聞き、高い草が生い茂る広い草むらに足を踏み入れた妊婦とその兄。だが、やがて互いを見失い、そこから出られなくなる。
(NETFLIXより)
解説・感想・おすすめポイント
入ると出ることのできなくなってしまう高い草むらの中で展開される狂気のサスペンス。なのですが、かなり斬新のタイムリープが起こるのが存外面白いです。
ただし物語の設定上、ほとんどの時間を草むらという絵的に代わり映えしないシチュエーションで過ごすため、視覚的にはかなり退屈を覚える可能性も。圧倒的に小説向きの物語であり、映画化としての面白さを作り込めなかった気がします。
スティーヴン・キング原作の作品でありがなら、主人公が物書きでない点が他のキング原作作品と大きな違い。息子と共作な点が影響しているのでしょうか。
詳細情報
- 原題:In the Tall Grass
- 監督:ヴィンチェンゾ・ナタリ
- 出演:パトリック・ウィルソン、ライズラ・デ・オリヴェイラ
- 公開:2019年10月4日
- 上映時間:101分
- ジャンル:ホラー、サスペンス