- パニック障害を持った心優しきお金持ちの男性を、自己顕示欲の塊な精神科医が洗脳していく、実話を元にした物語
- ポール・ラッド本人を嫌いになってしまうのではないかと思うほどポール・ラッド演じる精神科医の話術がとにかく巧み!
オススメ度 |
公開日 | 2021年 |
制作国 | アメリカ |
エピソード数 | 8話(リミテッド) |
1話平均 | 50分 |
ジャンル | ドラマ 実話 |
『となりの精神科医』はAppleTV+がオリジナルで配信しているドラマで、パニック障害を持った心優しきお金持ちの男性を、自己顕示欲の塊な精神科医が洗脳していく、実話を元にした物語です。
主演はウィル・フェレルとポール・ラッド。さらに『ワンダヴィジョン』などのキャスリン・ハーンが続きます。
面白いのは本作に出演する俳優がコメディ俳優で固められている点。内容はとてもシリアスで犯罪的なものですが、ここにコメディ俳優を投入することでシリアス感を隠しているように思えます。
当然内容が内容なので、シリアス感を隠し切れるわけではなく、漏れたシリアス感が洗脳による不気味さや嫌悪感を与える助けとなっています。
ポール・ラッド演じる精神科医の話術がとにかく巧みで、ポール・ラッド本人を嫌いになってしまうのではないかと思うほど、人の心の隙に入り込んでくる人物を演じています。アイク(ポール・ラッド)主催のパーティーシーンが数多く登場しますが、これは新興宗教のメタファーかもしれません。
実際、アイクの犠牲となり人生が壊れた人物は大勢いるようで、彼の手法はターゲットにとって正常に判断できる人物である親族を排除していくことから始まります。
ドラマの中でもマーティ(ウィル・フェレル)とアイクの関係を正常に判断できる、恋人や妹などのことを「有害な関係」としてマーティから徐々に切り離していきます。
極め付けが、マーティの別荘を奪っていく流れで、ドラマ中にとにかく嫌悪感で溢れています。ただ面白いことに嫌悪感を感じるということはその人物に強い興味を抱いている裏返しで、ある意味で魅力あふれる人物なんです。ゆえに嫌悪感が面白さに変換されるわけです。(第三者としてみている前提ですが)
オープニングも面白く、毎回そのエピソードに因んだ背景に、蔓が侵食していく演出なのですが【背景=マーティの身の回り】であり、【蔓=アイク】のメタファーとなっています。そのような見方をした場合、最終話でどんなオープニングになっているかぜひご確認いただきたいです。
衣装の色もキャラクターを表しており、とりわけアイクは青のイメージを持っています。そしてマーティの身の回りはドラマのエピソードが進んでいくとどんどん青く染まっていくのでした・・・。
たまマインドコントロールによって人生を壊されたニュースに出会いますが、その文脈には本作のような出来事が隠されているのだと思います。
というわけで『となりの精神科医』、気になる方は是非ご鑑賞ください。
配信状況は上記の通り。『となりの精神科医』はAppleTV+が独占配信している作品なので、AppleTV+でのみ鑑賞することが可能です。全話見放題で配信しているので、お試し期間中に解約すれば無料で全話見ることも可能です。
AppleTV+は全てオリジナル作品を展開している配信サービス。見渡す限りオリジナル作品で、配信オリジナルが好きな人にとって金脈のような配信サービスです。
どのドラマや映画もハリウッドで一度は見たことがある俳優が出演しており、スティーブン・スピルバーグなどの有名監督も参加しています。ここでしか見れないような掘り出し物を探している人にとって非常にお勧めな動画配信サービスとなっています。
結論『となりの精神科医』を観たい人はAppleTV+一択です!