- ゴジラシリーズで初めてミニラが登場した作品!
- 円谷英二の特撮的息子とも言える有川貞昌にバトンが渡った!
- 悪役怪獣は全てワイヤーのみで動くタイプな点に注目!
オススメ度 |
公開日 | 1967年 |
制作国 | 日本 |
上映時間 | 86分 |
ジャンル | 特撮 アクション モンスター |
『怪獣島の決戦 ゴジラの息子』は1967年に公開された特撮映画で、ゴジラシリーズの第8作目に当たる作品。
ドラマ部の監督は前作『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』から引き続き福田純が務め、特技監督は円谷英二から弟子の有川貞昌にバトンが渡りました。実質前作『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』でもほとんど有川貞昌が特技監督を務めていたようなのですが、本作では正式に特技監督としてクレジットされたという形です。
円谷英二の特撮的息子とも言える有川貞昌にバトンが渡ったことから、タイトルもダブル・ミーニングになっているんじゃないかと感じてしまいますね。
そんな本作はタイトルからもお察しの通り、ゴジラシリーズで初めてミニラが登場した作品です。ミニラは文字通りゴジラの息子としてシリーズに姿を現した怪獣で、本作ではその孵化から目の当たりにすることになります。
シリーズにおけるミニラの役割は、明らかに”子供受け”を狙ったものだったのですが、見ての通り可愛いとは言い難いビジュアルもあってか、当の子供達からは見向きもされずシリーズの黒歴史となりつつある怪獣と言っても過言ではないですね。
そんなミニラにばかり目がいってしまいがちの本作ですが、特撮としてはかなり新しいことに挑戦している点で注目したい作品です。
というのも本作の悪役怪獣は、全て人間が中に入って演じる着ぐるみタイプではなく、ワイヤーによって操作するタイプの怪獣なんです。
登場する悪役怪獣はカマキラスとクモンガですが、どちらも人が入れるような造形をしていないですよね。彼らは全てワイヤーによって複数人がかりで操作されているのですが、カマキリらしさやクモらしさがとてもうまく表現されていて、職人技の高さを感じられます。
特にクモンガはクモがモチーフの怪獣なので当然足が8本あり、おそらくそれぞれの関節ごとにワイヤーが必要なので、操作の難易度の高さは相当なものだったと思います。それでもしっかりとクモらしさを表現できている技術レベルは本当にすごいですよね。
またカマキラスにしても、1匹ならまだしも3匹同時に操作しなければならないシーンがあり、こちらも特撮部はかなり苦労があったことでしょう。
3匹といえば、カマキラスが3匹いることには意味があるらしく、3匹をバラバラに動かすことで”自然”が生まれると有川貞昌は語ります。つまり”わざとらしさ”を限りなく消してくれるのは3匹のバラバラの動きからということですね。
“わざとらしさ”を限りなく消すというのは特撮に与えられた命題とも言えるのでは無いでしょうか。
有川貞昌はそんな”自然”にとことんこだわった特撮を目指していたようで、どんな風景ショットでも空気を必ず意識したそうです。
そんなこだわりはセット撮影のシーンの細部に目を凝らすと、木々の微かな揺れなどに見ることができます。
また、怪獣に襲われて逃げ惑う人々を描いたシーンが多く、ゴジラシリーズとしてはかなり久しぶりな印象です。ともすると明確に人間の命を狙って襲ってくる怪獣(カマキラスとクモンガ)は本作が初めてかもしれません。
そんなわけで『怪獣島の決戦 ゴジラの息子』、気になる方は是非ご鑑賞ください。
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『怪獣島の決戦 ゴジラの息子』はDVDとブルーレイのフォーマットで販売されています。
ブルーレイに収録されている特典は以下の通り。
- 劇場予告
- チャンピオン祭り版本編
- 光線を描く男 飯塚定雄
- ゴジラの息子 井上泰幸の美術世界
- 「怪獣No.1 ゴジラ」8mm+ソノシート
- 絵本「怪獣No.1 ゴジラ」(静止画)
- 劇場パンフレット(静止画)
- オーディオ・コメンタリー(有川貞昌/聞き手 倉敷保雄)
ゴジラシリーズのDVD&Blu-ray特典は毎回かなり豪華なので、購入する価値も十分にあります。
本作の特典で特にオススメなのは「光線を描く男 飯塚定雄」と「オーディオ・コメンタリー」です。
本作のオーディオ・コメンタリーは本作の特技監督も務めた有川貞昌で、特撮に信念を持った方なので、非常にタメになるお話を聞くことができます。もしこれから特撮の世界に入っていきたい方も必ず学びがあるような解説になっています。
聞き手の倉敷保雄も非常に博識なので二人の掛け合いを聞いているだけでかなりの満足感を得ることができます。
また円谷プロで仕事をしていた時のエピソードや、映画とテレビの違いについてのエピソードなど、貴重なものも多々あるので興味のある方はぜひ一度、オーディオ・コメンタリーも鑑賞してみてください。