- ゴジラ映画界におけるヌーヴェル・ヴァーグ!?シリーズに新しい風を起こした作品!
- 核の恐怖から生まれた怪獣王ゴジラ vs 公害から生まれた公害怪獣ヘドラ
- 1作目を彷彿とさせる社会問題に警鐘を鳴らした作品!
オススメ度 | (4/5) |
公開日 | 1971年 |
制作国 | 日本 |
上映時間 | 70分 |
ジャンル | 特撮 アクション モンスター |
『ゴジラ対ヘドラ』は1971年に公開された特撮映画で、ゴジラシリーズの第11作目に当たる作品。
監督はレジェンダリー版の『GODZILLA ゴジラ』のエグゼクティブ・プロデューサーとしても召喚された坂野義光が務めています。
ヘドロから生まれた怪獣・ヘドラは公害を吸ってどんどん巨大化し。しかもヘドラから分泌されるヘドロは人間を溶かしてしまうほど有害なもので、このままでは地球が危ない!ということでゴジラが立ち上がる。というのが大まかな骨子です。
骨子や名前の通りヘドロがモチーフにされており、大1作の『ゴジラ』にかなり近い社会問題に警鐘を鳴らした作品となっていて、当時かなりの問題になっていた公害問題に強く言及しています。
例えば劇中で女子高生がヘドラのガスを吸ってバタバタと倒れるシーンがありますが、これは本作公開の1年前に光化学スモックによって実際に発生した事件がモチーフになっています。
1950年代──核の恐怖から生まれた怪獣王ゴジラと、1970年代──公害から生まれた公害怪獣ヘドラの対決は、時代を超えて社会問題を扱ってきたゴジラシリーズの本質が如実に現れた対決シーンと言えるかもしれません。
ゴジラが程度よく人類の味方であり、悪役怪獣が徐々に成長していくスタイルなど、過去作のマンネリを払拭するようなアプローチがされていて、ゴジラシリーズに新しい風を与えた作品だったように思えます。ともするとゴジラシリーズにおけるヌーヴェル・ヴァーグだったのかもしれないですね。
ちなみに前述したゴジラが程度よく人類の味方であり、悪役怪獣が徐々に成長していくスタイルというのは、後の平成VSシリーズの原型となっています。
また本作の主題歌『かえせ!太陽を』はかなり印象に残る力を持っていますが、実は『かえせ!太陽を』の歌詞の一部は、動物学者レイチェル・カーソンの書籍『沈黙の春』から引用されているそうです。
このように監督の坂野義光は文学や芸術にも造詣が深く、『ゴジラ対ヘドラ』にはそんな一面も投影されています。
そんなメッセージ性の強い本作ですが、前作『ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃』あたりからより顕著になった【子供向け】も意識されていて、前作から引き続き少年が主人公的な立ち位置をキープしています。
冒頭ではゴジラを彷彿させるソフビ人形で遊ぶ姿が映されているなど、ゴジラは人間の味方という印象を与えたかったことが伺えます。
前作や本作は鍵っ子がテーマの中にありますが、高度経済成長の副産物が公害問題であり、高度経済成長の忙しさゆえ鍵っ子という概念が生まれたと思うと、全てのことは繋がっているようにも思えてきます。
また当時ハリウッドではアメリカン・ニュー・シネマが流行っていたこともあり、本作にもそんなアメリカン・ニュー・シネマを感じさせる描写が随所にあります。
そんなわけで『ゴジラ対ヘドラ』、気になる方は是非ご鑑賞ください。
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『ゴジラ対ヘドラ』はDVDとブルーレイのフォーマットで販売されています。
ブルーレイに収録されている特典は以下の通り。
- 劇場予告
- 「かえせ!太陽を」2014
- 公害怪獣、世界を蹂躙す 坂野義光 x 真里圭子
- ゴジラ対ヘドラ 井上泰幸の美術世界
- カラオケ映像「かえせ!太陽を」
- メイキング映像
- 劇場パンフレット
- オーディオ・コメンタリー(中野 昭慶/聞き手 倉敷保雄)
ゴジラシリーズの特典はなかなか豪華で、特に毎回オーディオ・コメンタリーが面白いです。
特撮ファンなら十分に価値があると思いますので、ぜひ購入も検討して見てください。