目次
- ゴジラシリーズで初めて島をメインの舞台とした作品!
- そんな島に登場する怪獣がエビをモチーフにしたエビラ。初登場シーンはなかなかのインパクト!
オススメ度 |
公開日 | 1966年 |
制作国 | 日本 |
上映時間 | 87分 |
ジャンル | 特撮 アクション モンスター |
『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』は1966年に公開された特撮映画で、ゴジラシリーズの第7作目に当たる作品。
特技監督は前作『怪獣大戦争』から引き続き円谷英二が務めていますが、ドラマ部の監督は長らく努めていた本多猪四郎から福田純へとバトンが渡っています。
そんな本作は行方不明となった兄を探すため、レッチ島という南海の孤島に漂着するも、秘密結社と怪獣エビラがレッチ島の守りを固めているため島から出ることが困難になってしまったため、ゴジラの力を借りて脱出を試みる──というのが大まかな骨子です。
骨子からも島が舞台になっていることはわかりますが、実はゴジラシリーズで初めて島をメインの舞台とした作品で、今後のゴジラ作品は島を舞台にした作品が多くなっていきます。
この変化はおそらく前作『怪獣大戦争』や前々作の『三大怪獣 地球最大の決戦』に起きた2つの変化が影響しているように思えます。
その2つというのが、1つは怪獣のキャラクター化。もう1つはゴジラのヒロイック化です。
これまで怪獣たちは天災として描かれてきましたが、前述した2作品あたりからキャラクターとして扱われることが顕著になってきており、それに伴いどちらかと言えばヒール的な扱いをされていたゴジラがヒロイックな存在へと変化していました。
天災を最も恐ろしく描けるのは人々が行き交う街なので、これまでは街にゴジラが現れていたんですね。
これが島になった場合、どこか怪獣たちの住まいのように見えてきて、人間味を感じることができるような気がします。だから本作のゴジラ登場シーンは寝ているのかなと。なんだかゴジラの私生活を覗いたような気がしてきますね。
ドラマ部の人々にも変化があって、天災として怪獣が扱われていた作品では自衛隊など、災害を俯瞰して見れるような人物が主要な人物の中に必ずいました。しかし怪獣がキャラクター化してくると、怪獣との信頼関係構築が大切になってくるので、一般庶民が主要な人物となっていきます。
特に本作の主要人物は皆、一般庶民ですね。
そんな島に登場する怪獣がエビをモチーフにしたエビラ。初登場シーンはなかなかのインパクトがあります。
そんなエビラは見ればすぐにエビとわかりますし、ともすると大きな伊勢海老にしか見えません。
ですが、実はよく見ると地球上に存在するどのエビとも全く異なるんです。
つまり様々なエビや甲殻類を研究し、ちゃんと怪獣として作り込んできているんです。この造形の深さには敬意さえ感じます。
さらに実はエビラは人が中に入って演じるにはかなり困難な形をしています。しかしそれを補うために、とある工夫がされているんです。
どうやってエビラを演じる困難を乗り越えたかというと、ほとんどの戦闘シーンを海面にすることで乗り切ったんですね。実はエビラのスーツには実際のエビラには存在しない人間の足2本が出るようになっているのですが、これを隠すためにほとんどの戦闘シーンを海面にしたのだと思います。
なので、エビラの全身が映るのはゴジラが背負い投げをするワンシーンだけだったんです。
さらに挑戦的に海中での特撮にもチャレンジしていましたね。もう一つ特撮部について言及しておくと、本作初めて特撮部に人間が模型として登場します。
特撮部とドラマ部のコラボなんていう風に考えるようにしているのですが、これまで人間目線から怪獣を写した特撮部とドラマ部のコラボはあったんです。人間目線から特撮部とコラボすると、やはり怪獣が天災のように見えてくる効果があると思います。
逆に本作のように怪獣目線から特撮部とドラマ部がコラボをすると、怪獣が意思を持ったキャラクターのように見えてくる効果があるように感じました。
ドラマ部にも少し言及しておくと、本作に登場する秘密結社は少し前に公開された『007/ドクターノオ』の影響を強く受けているような気がしました。
そんなわけで『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』、気になる方は是非ご鑑賞ください。
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『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』はDVDとブルーレイのフォーマットで販売されています。
ブルーレイに収録されている特典は以下の通り。
- 劇場予告
- チャンピオン祭り版本編
- 二代目小美人の思い出 ペア・バンビ
- 南海の大決闘 井上泰幸の美術世界
- 「ジャンボ怪獣鳥」8mm+ソノシート
- 絵本「ジャンボ怪獣鳥」(静止画)
- 劇場パンフレット(静止画)
- オーディオ・コメンタリー(中島春雄/聞き手 倉敷保雄)
ゴジラシリーズの特典はなかなか豪華で、特に毎回オーディオ・コメンタリーが面白いです。
本作のオーディオ・コメンタリーは初代からゴジラの中の人として、文字通りシリーズのど真ん中に立って牽引したゴジラのスーツアクター中島春雄による音声解説となっています。
なんと本編のことを一切語らないという暴挙中の暴挙なオーディオ・コメンタリーですが、中島春雄の考えるゴジラとは?というテーマを約90分間も聴くことができるので、それはそれでとても貴重なコメンタリーだと思います。
特撮ファンなら十分に価値があると思いますので、ぜひ購入も検討して見てください。