オススメ度 | (4/5) |
公開日 | 2021年 |
制作国 | アメリカ |
上映時間 | 115分 |
ジャンル | SF |
- 新たなアプローチでポストアポカリプス(終末世界)を描いたSF作品
- 人間性を持ったAI・ジェフと、人間性を失った無機質な他人の描き方に注目!
- 画面上に登場する人物はトム・ハンクスのみ!役者の才能を見せつける彼の演技に注目!
『フィンチ』はトム・ハンクス主演で贈るAppleTV+オリジナルのSFで、太陽フレアの影響でオゾン層が破壊され、死の紫外線によって日向での生活ができなくなった近未来が舞台となっており、そんな世界でサバイバルする老人フィンチと人工知能を搭載したロボ・ジェフを描いた作品です。
紫外線や天候は予想できるため脅威には至らず、本当の脅威は予測することができない人間だというフィンチのセリフから、『マッドマックス2』から続くポストアポカリプスのスピリットをしっかりと継承したように感じられます。
面白いのは脅威となる人間はほぼゼロと言っていいほど登場せず、登場したとしても運転する車が画面上に映し出されるだけで、運転者は一才登場しません。
つまり真心を失った脅威となる人物は無機質な存在として描かれているんです。
そんな無機質な他人とは対照的に、徐々に人間性(真心)を育んでいくジェフに物語の力点が置かれています。
一方で人間を感情のない脅威として描き、他方でロボットを心の拠り所のような存在として描くことで、人間性の光と影を表し、そのコントラストがはっきりと感じ取れる作品になっています。
本作に登場するAIロボット・ジェフは劇中で徐々に成長していくわけですが、昨今のChatGPTの成長を観察するに、そんなに現実とかけ離れた描写ではないのかもしれませんね。
もしかしたらAIが搭載されたロボットと人間が本作のように会話する日も遠く無いのかもしれません。
スケールの大きな舞台や設定でありながら、ほぼ一人芝居で乗り切るトム・ハンクスの存在感にも脱帽ですね。実はトム・ハンクスは画面上に彼一人しか登場しないような作品が多いんです(『キャスト・アウェイ』や『ピノキオ』など)
2時間の長編を一人で乗り切れるのはトム・ハンクスくらいでしょう。
そんな『フィンチ』。是非ご鑑賞ください。
配信状況は上記の通り。『フィンチ』はAppleTV+が独占配信している作品なので、AppleTV+でのみ鑑賞することが可能です。全話見放題で配信しているので、お試し期間中に解約すれば無料で全話見ることも可能です。
AppleTV+は全てオリジナル作品を展開している配信サービス。見渡す限りオリジナル作品で、配信オリジナルが好きな人にとって金脈のような配信サービスです。
どのドラマや映画もハリウッドで一度は見たことがある俳優が出演しており、スティーブン・スピルバーグなどの有名監督も参加しています。ここでしか見れないような掘り出し物を探している人にとって非常にお勧めな動画配信サービスとなっています。
結論『フィンチ』を観たい人はAppleTV+一択です!