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【ディズニー映画】『白雪姫』ネタバレ感想・解説・考察|ディズニーと道楽とバカにされたマスターピース

初めまして!オレンチと申します。

最近すっかり長女はディズニープリンセスにはまり、あっという間に歴代プリンセスのブルーレイが我が家の棚の一部に取り込まれました。

どうせブルーレイも集まったので、今後ゆっくりと時間をかけ、ガチでディズニープリンセスをレビューしていこうと思います。

という訳で第一発目は『白雪姫』行ってみます。

ディズニーの道楽とバカにされたマスターピース

最初のディズニープリンセスとして、世代を超え多くの人々に愛され続ける『白雪姫』。

公開時のヒットは凄まじく、ウォルト・ディズニーは今作の1本の収入で映画スタジオを立ち上げたほど。

そんな『白雪姫』だが、実は人類史上初の長編アニメーション映画だということをご存知だろうか。

『白雪姫』がなければ後に生まれる『トイ・ストーリー』や『アナと雪の女王』、ひょっとしたら『君の名は。』や『劇場版 鬼滅の刃』だって生まれてなかったかもしれない。

つまり長編アニメーション界マスターピース的存在で、その立ち位置は実写映画のあり方を変えたD・W・グリフィスの『國民の創生』と並べて語られるほどだ。

オーソン・ウェルズの名作『市民ケーン』なども白雪姫の影響を受けている。

しかし『白雪姫』の公開前は”ディズニーの道楽”と称され、世間から批判されていたのだ。

『白雪姫』以前のアニメーションは基本的にコメディで、長くても10分ほどの短編だった。

1分に1ギャグが鉄則で、短編である理由はそれ以上長くなると人々がギャグの連続に飽きてしまうからだ。

アニメはギャグを伝えるもので、恐ろしく思わせたり、悲しい気持ちにさせたりとその他の感動を観客に与えることは不可能と考えられていた。理由の一つとして、人物描写の難しさが挙げられる。現代でCGによる人物描写が難しいのと同じように、『白雪姫』公開当初は人物を描くことが難しかったのである。

実際『白雪姫』もウォルトが思い描いたものとは程遠く、王子のシーンは技術的な問題からほぼカットされている。ディズニー作品には動物が多く登場するルーツもここにありそうだ。

故に世間の目は冷たく、まるでホリエモンがロケット開発をすると言ったときのように世の中にバカにされた。

ホリエモンのロケットは爆炎とともに散ったが、ウォルト・ディズニーの『白雪姫』はそうはならなかった。

『白雪姫』は「長編アニメーションは可能」
という未来を映画界に与えたのだ。

ちなみに『白雪姫』に登場する人間は、実際に撮影した人間の映像に合わせて、アニメーションを作る「ロトスコープ」という技術を使っているため、動きがより実写に近いものになっている。

『トイ・ストーリー』との意外な接点

ディズニーの映画スタジオを立ち上げるほどヒットを飛ばした『白雪姫』だが、資金面からも完成が危ぶまれていた。

そもそも最終的な制作費が170万ドルに対し、ウォルトの見積もりが25万ドルと、スカイダイビングのため飛行機から飛び降りたらパラシュートがなかった時くらい無謀な見切り発車だったため、直ぐに資金は底をついてしまった。

ついに制作は危ぶまれ、銀行から融資を受けるために一か八か、未完成の『白雪姫』を担当者に見せる決断をする。

視聴を終えた担当者をウォルトが駐車場まで送る間、『白雪姫』の話題は一切でず、このときウォルトは「もうダメだ」と思ったらしい。しかし担当者が車にのり、ドアを閉める直前「この映画は金になる」と言葉を残し去っていった。

結局ウォルト・ディズニーの『白雪姫』は銀行から融資を受け、制作までたどり着けるのである。

なんの因果なのか世の中は面白いもので、この境遇と瓜二つで公開までたどり着けたのが、ピクサーの『トイ・ストーリー』である。

1994年、スティーブ・ジョブズ率いるピクサーは史上初のCGによる長編アニメーション映画に挑んでいた。

『白雪姫』のように世の中に批判されるようなことはなかったものの、当時のピクサーにはこれと言った収入源がなく、運営はかつかつ。ジョブズのポケットマネーで会社を維持していたほどである。

この状況を立て直すために雇われたのが、ピクサーの最高財務責任者に就任することとなるローレンス・レビーである。

レビーは当時のことを「もう『トイ・ストーリー』にかけるしかなかった」と語っている。

株式を公開したかったピクサーは、投資銀行に『トイ・ストーリー』の導入部を見せることで、支援を受けIPOを成功させた。

『トイ・ストーリー』の空前の大ヒットでピクサーの株価は急上昇し、ピクサー株の多く所有していたジョブズは、ビリオネアに返り咲いたのだ。

『トイ・ストーリー』がなかったら、いま手に持っているiPhoneも生まれていなかったかもしれない。

このあたりの話は、ピクサー経営の立て直しを図ったローレンス・レビーのPIXAR <ピクサー> 世界一のアニメーション企業の今まで語られなかったお金の話が面白いので是非こちらをご覧いただきたい。

『白雪姫』も『トイ・ストーリー』も良い例で、人間が初めて挑戦することには大きな試練がのしかかる。しかしその試練を突破した勇気あるクリエイターたちの魂が、今の素晴らしい作品たちへと引き継がれていることを忘れてはならないのかもしれない。

命を吹き込まれた小人たち

ウォルト・ディズニーが『白雪姫』を制作しようとしたきっかけが、青年時代に劇場で見た1916年公開の実写版『白雪姫』だ。

『白雪姫』は物語を作る上で無駄の一切ない教科書のような構成としても語られる。

こう語られるのはウォルトの編集者としての手腕が光るためで、原作には魔女が白雪姫を襲う場面は3度あるし、小人たちが白雪姫のためにベッドを作るシーンもカットされている。

要するに、まるで肉抜きしたミニ四駆のように無駄のないストーリーなのだ。

それでも肉抜きせず、細かく描いたのは小人たちだ。

ウォルトは小人のリアリティを重要視し、「先生」や「おこりんぼ」など7人の小人それぞれに専属のクリエイターを数名つけた。

故に『白雪姫』では小人たちの個性が際立つのだ。

リリー・コリンズの実写版白雪姫『白雪姫と鏡の女王』は、戦う白雪姫という再解釈が大好きな作品であるが、リリコリやジュリア・ロバーツばかりにスポットがあたってしまい、小人たちの印象がじゃない方芸人くらい薄い。

しかし『白雪姫』の小人たちは一度見れば7人全員とはいわずとも、3人位は確実に印象に残る。

それは彼らの名前と発言、行動がすべてマッチしているためである。白雪姫が初めて七人の小人と合うシーンで、一人ひとりしっかりと名前を呼び上げる演出が、彼らの印象づけを助けている。

このシーンはストーリー会議の際、「ストーリーが停滞する」などという理由からカットする案が出されていた。しかしウォルトは譲らず、「多少、物語が止まってもあとで絶対に面白くなる」と白雪姫が名前を読み上げるシーンをしっかりと描いた。

おかげで小人たちの印象が強くなったと言えるだろう。

僕のお気に入りは「おこりんぼ」でとにかくこいつがかわいい。

最後まで懐疑的だったくせに、初めて額にキスされた時はどっちが「おとぼけ」なのかわからないくらい体を張ったギャグを飛ばす。

ちなみに本作のギャグだが、スタッフから募集されており、映画に採用されたものは5ドルの報酬が支払われたそう。

5ドルをそのまま日本円にすると520円程度だが、当時は86ドルくらいに相当し、日本円に換算すると9,000円ほどにもなる。

更にストーリーを助けるのが影の演出である。

『白雪姫』の影は人間の内に秘めた悪意を言葉を使わず鑑賞者へ伝えるギミックとなっている。

主に注目したい影は、

  • 冒頭、女王が魔法の鏡に尋ねるシーン
  • 魔女となった女王が毒りんごを作るシーン
  • 白雪姫を殺めようとする狩人の影

以上3つ。

上記2つの影は女王の悪意を増幅させ、狩人の影は物語にサスペンスを生んでいる。

悪意を表す影とは対象的に、ミュージカルシーンにも影が効果を発揮している。『白雪姫』で最も有名と言っても過言ではない「ハイ・ホー」を歌いながら、小人たちが仕事を終え家まで帰るシーンだ。

画面左上から右下へと小人たちが移動する奥行きのあるシーンのため、小人たちが近づくに連れ徐々に大きくなりながら右下へと流れていく。

実物の小人たちとは対象的に光の当たり方で影は逆方向へと大きくなっていくのだ。このため大・小、右・左とあらゆる動きが生まれ、非常にダイナミックなシーンとなっている。

ちなみにミュージカルとしては、歌でセリフが語られる史上初の映画らしい。『白雪姫』の次は実写映画の『オクラホマ!』。

ときより画面中心から全体をつかったテロップカットが挿入される点は、サイレント映画の名残を感じ、制作された時代を感じ取ることもできる。

それにしても毒りんごで死んだあと、白雪姫の体を劣化させることなく一冬越せる、小人たちの技術力には驚いたな!

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