アクション

ネタバレ『シャザム!』最速シナリオ書き起こし解説・感想!

みなさんこんにちは!オレンチ(@1080Buttobi)です!

今回は映画『シャザム!』を三幕構成に区切り、シナリオを書き起こして分析しました!

ネタバレ全開でいくのでまだ未見の方はご注意願います。

それでは『シャザム!』の感想・解説行ってみます。

最後までお付き合いいただけたらとっても嬉しいです。

この記事はネタバレ表現を含みます。

作品情報

まずはサクッと作品情報をお届けします!

シャザム!

z

原題  :Shazam!
上映時間:132分
制作年 :2019年
監督  :デビッド・F・サンドバーグ

デビッド・F・サンドバーグは『アナベル 死霊人形の誕生』や『ライト/オフ』のいわゆるホラー畑出身の監督ですね。

後述しますが、ある理由によって「『シャザム!』は程よい怖さを目指した。」とインタビューで答えている通り、彼の手腕が目立つシーンが随所に見られましたね。

キャスト

・ザッカリー・リーヴァイ(シャザム)
・アッシャー・エンジェル(ビリー・バットソン)
・マーク・ストロング(ドクター・サディアス・シヴァナ)
・ジャック・ディラン・グレイザー(フレディ・フリーマン)

主演のザッカリー・リーヴァイは、『マイティ・ソー』シリーズの三戦士の一人、ファンドラルが記憶に新しいのではないでしょうか。

他にはTVドラマシリーズの『CHUCK/チャック』でかなり有名ですが、TVドラマもかなり飽和して来ていた時期で、僕はいったんTVドラマから離れていたため、完全に未見でした。

いずれ機会を見つけて鑑賞してみようかな。

劇中では魔法の言葉を一言唱えるだけで、筋肉隆々のスーパーヒーローに変身できたわけですが、実際のザッカリーはかなり苦労して体を鍛え上げたようです。

配役が決まった当初、ネット上で「シャザムを演じるにはか弱過ぎる!」と否定的な意見が目立ったようです。

しかしザッカリーは週に6日間みっちりトレーニングし、身長1m93cmの体に11kgもの筋肉を身につけたそうですよ。

どのくらいすごいかというと、筋肉隆々が売りである『アクアマン』のジェイソン・モモアとほぼ同じ身長・体重だそうです。

ジャック坊(左)ザッカリー坊(真ん中)アッシャー坊(右)

 

一方本作のヴィランに当たるマーク・ストロングですが、もともと悪役寄りの俳優さんであるものの、よっぽどアメコミの悪役に縁があるようで、

『グリーン・ランタン』、『キック・アス』そして『シャザム!』と3度目のヴィランを演じきったわけです。

素晴らしいのは、「そういえば!そうだった!」と思えることで、つまりどのヴィランも《マーク・ストロングが演じるヴィラン》に成り下がっていないという点です。

どの悪役を演じるにしても、しっかりと演じ分けていることがさすが売れっ子俳優といったところでしょう。

シナリオ分析

それでは三幕構成に区切り、シナリオを分析していきます。

第一幕

シーン1

場所:ニューヨーク北部 車の中
時間:夜
人物:シヴァナ親子

1974年、ニューヨーク北部。

クリスマスの夜、シヴァナ親子は車で夜道を走っていた。

サドの父と兄は彼に冷たく当たる。

直後、車は氷に包まれサドは「永遠の岩」に立っていた。

シーン2

場所:永遠の岩
時間:不明
人物:サド(ドクターサディアス)、魔術師シャザム

「永遠の岩」の奥に進むと、そこには魔導師シャザムが玉座に座っていた。

魔導師シャザムは「七つの大罪」を封印し守っているが、自分の力が衰えて来たため、後継者を探していると説明し、サドをテストする。

大罪の誘惑に負け、テストに失敗したサドは後継者になれないまま現実世界へと戻されてしまう。

シーン3

場所:ニューヨーク北部 車の中
時間:夜
人物:シヴァナ親子

テストに不合格となったサドは錯乱し、それに気を取られたサドの父は運転操作を誤り雪道でスリップしてしまう。

なんとか大事に至らずに停車できたかと思ったのもつかの間、トラックに衝突されサドの父は車から投げ出され大怪我を負ってしまう。

サドこと、ドクターサディアスの幼少期を赤裸々に描き、彼と彼の父、彼の兄との間に大きな確執が生まれたことが描かれています。

このことが、後のヴィランとなる大きな動機となって来ます。

ここでタイトルコール

シーン4

場所:フィラデルフィア 現在
時間:昼
人物:ビリー・バットソン

フィラデルフィア郊外のある質屋でビリー・バットソンが警察に通報。

警官が到着すると質屋の奥へと誘導し、景観を質屋の中に閉じ込めてしまう。

パトカーからとある住所を調べ、警官を閉じ込めたまま調べた先へとビリーは向かう。

シーン4

場所:パレード(回想)
時間:昼
人物:ビリー・バットソン

パトカーから調べた住所先に着く。表札はバットソン。

直後ビリーの幼き頃の回想へと移る。

パレードの射的でビリーはトラの人形を欲しがるが、スコアが足りず、コンパスのキーフォルダーを景品としてもらう。

「あなたが家に帰るために必要なもの」と母親に諭され、大切に握りしめていたがふとした瞬間にキーフォルダーを落としてしまう。

夢中でキーフォルダーを追いかけ、見つけたものの迷子となってしまい、以来ビリーは孤児となってしまう。

シーン4

場所:警察署
時間:昼
人物:ビリー・バットソン

回想から戻り突き止めた住所のインターフォンを鳴らすと、家から出て来たのは黒人女性だった。

直後先ほど閉じ込めた警察が現れビリーは補導されてしまう。

警察署に移り、ビリーは現在孤児で里親を転々として来たことが明かされる。

さらに新しい里親が警察署まで迎えに来ていた。

回想の意味とビリーの生い立ちを最も違和感なく観客に説明しているシーン言えるでしょう。

シーン5

場所:バスケス家
時間:夜
人物:ビリー・バットソン、フレディ・フリーマン、その他義兄弟たち

ビリーを迎えたのは、バスケス夫婦。

彼らもまた孤児で、ビリーと同じような孤児を多く保護している一家だった。

一人一人に挨拶を済ませ、ビリーの寝室まで案内へ。

寝室にはヒーローオタクのフレディ・フリーマンがいた。

彼はバットラングのレプリカや、スーパーマンが体で受けて潰れた弾丸を宝として保管していた。

バットラングや弾丸の件は、のちのシーンの伏線になっています。

シーン5

場所:バスケス家 浴室
時間:夜
人物:ビリー・バットソン

メモを眺め、すでに母親候補の名前がなくなっていることに落胆し、ビリーはメモを浴室のゴミ箱に捨ててしまう。

この辺りでビリーが抱える葛藤がしっかりと見えて来ますね。

ビリーの葛藤とは、真の家族を見つけることでそれ以外のことには何も興味を示していないのがわかります。

またメモを捨てるショットが意味深ですね。小さなことですが、先の伏線につながっています。

シーン5

場所:どこかの集団ヒステリーの研究所
時間:昼
人物:ドクター・サディアス・シヴァナ

集団ヒステリーの研究に紛れ込み、ドクター・サディアスは「永遠の岩」へ行く方法を模索していた。

同研究にて、「永遠の岩」への扉を開くためには、あるシンボルが重要だということに気づく。

シンボルをドアに描き、そのドアに触れた研究員が散りとなってしまう。

シーン6

場所:永遠の岩
時間:不明
人物:ドクター・サディアス・シヴァナ、魔術師シャザム

再び「永遠の岩」に戻ったドクター・サディアス。

今度は魔術師シャザムに目もくれず、七つの大罪の封印を解き自身の体の中に入れてしまう。

魔導師シャザムを倒しドクター・サディアスは「永遠の岩」の元をさる。

ヴィラン誕生の瞬間ですね。

スーパーヒーロー物には珍しく、スーパーヒーローよりも先にヴィランが誕生し、並走してシナリオが続いていきます。

このことはストーリーの大きな推進力を担っていると言えると思います。

つまりよくある《第二幕での悪役が不在》問題をクリアしていると言えるでしょう。

シーン7

場所:学校 カフェテリア
時間:昼
人物:ビリー・バットソン、フレディ・フリーマン

ヒーローオタクのフレディとビリーははカフェテリアで食事をしている。

フレディは「もしヒーローになれたら何をしたい?飛ぶ?透明人間に?」とビリーに問いかける。

しかしビリーは迷惑そうにフレディをあしらってしまう。

純粋な子ども目線として「もしヒーローになれたら?」という問いかけが、本作の最も重要なテーマですね。そのテーマを提示する重要なシーンだと思います。

シーン7

場所:学校 校門〜地下鉄
時間:昼
人物:ビリー・バットソン、フレディ・フリーマン

帰宅時間となり、生徒たちは一斉に校門へ。

フレディが歩いていると、乱暴な運転をした車にはねられてしまう。

車から出て来たのはいじめっ子二人組で、意図的にひいたのであった。

いじめられているフレディの姿に心を動かされ、ビリーが助けに入る。

直後ビリーは逃亡し地下鉄へと向かう。

シーン7

場所:永遠の岩
時間:不明
人物:ビリー・バットソン、魔導師シャザム

地下鉄に乗り込むことで、いじめっ子から逃げ切ったビリーだったが、突然電車の窓が凍りつき、掲示板には見たことのないシンボルが現れ、次の瞬間「永遠の岩」の入り口に立っていた。

奥に進むと、傷ついた魔導師シャザムが立っていてた。

魔導師シャザムは、過去の誤った選択によって七つの大罪を生み出してしまったことを説明すると、ビリーに力を授けるのだと言う。

ビリーは魔導師シャザムの持つ杖を掴み「シャザム」と唱えた瞬間─。

なんとビリーは大人の姿になっていた!

ここまでが第一幕かなと思います。

第一幕の役割をおさらいすると、

  • 登場人物の紹介
  • ヒーローの誕生と葛藤の提示
  • ヴィランの誕生の葛藤の提示

要はこれから始まるお話の下準備といったところでしょう。

第二幕

シーン8

場所:バスケス家
時間:夜
人物:バスケス夫婦、シャザム、フレディ、義兄弟たち

ビリー改め、シャザムは気がつくと電車に戻っていた。

一方バスケス家では夜になっても帰ってこないビリーを捜索中。

義兄弟のペドロが浴室に捨ててあったメモを見つける。

フレディが皿洗いをしていると、窓の外にシャザムが現れ、自分はビリーだと言う。

シーン8

場所:路地裏
時間:夜
人物:シャザム、フレディ

深夜になり、フレディはシャザムの元へ。

シャザムはヒーローオタクのフレディへ助けを求めたのだった。

フレディはビリーはシャザムになったことでスーパーヒーローの力を得たと解釈し、シャザムのスーパーパワーを試そうとする。

しかし、シャザムは飛ぶことも透明になることもできない。

と思った瞬間、手から稲妻ビームを発射しスーパーパワーを証明する。

さらに近くで発生した強盗事件を解決しようと俊足も披露。

シャザムは最初の人助けをするのであった。

シーン9

場所:コンビニ
時間:夜
人物:シャザム、フレディ

大人の体を手に入れたシャザムことビリーとフレディは、コンビニへ。

彼らの目的は飲んだことのないビールを買うことだった。

しかし、コンビニで強盗事件が発生。早速ヒーロー活動をするも、シャザムは撃たれてしまう。

がしかし、シャザムに銃は効かず簡単に強盗を退治するのであった。

「もし14歳の少年が大人の体を突然手に入れたら?」と言う問いかけに対し、最も14歳らしいアンサーとして用意されたのが《ビール》だったということですね。

本作のテーマを非常にわかりやすく表現されたシーンだと思います。

シーン10

場所:フィラデルフィア博物館前
時間:夜
人物:シャザム、フレディ

フィラデルフィア博物館の階段を上がり、シャザムは「これでロッキーの気持ちがわかった」とつぶやく。

フィラデルフィアといえばロッキー!

70〜80年代を育った監督のロッキー愛溢れるシーンだったと思います。

シーン11

場所:バスケス家
時間:夜
人物:シャザム、フレディ、ダーラ

シャザムの姿から元に戻れないまま帰宅。バスケス夫婦にバレないよう、忍び足で寝室へと戻る。

がしかし、ダーラに目撃されてしまう。

ダーラに説明している途中シャザムは「シャザム」と口にすると、ビリーの姿に。

「シャザム」が変身の呪文だと知るのであった。

「シャザム」で変身できるという設定の説明シーンですね。

シーン11

場所:シヴァナ産業 会議室
時間:昼
人物:ドクターシヴァナ、シヴァナ親子

翌日。七つの大罪の力を手に入れたドクターシヴァナは父と兄がいるシヴァナ産業の会議室へと向かう。

ドクターシヴァナの目的は、自分につらく当たって来た父と兄への復讐だった。

七つの大罪の力を使い、シヴァナ産業の重役たちを惨殺しシヴァナ産業を後にするのであった。

シーン11

場所:学校
時間:昼
人物:ビリー、フレディ

同日の学校。

シャザムの力を使い、シーン7で登場したいじめっ子の車を廃車にする。

また、大人の姿を利用し、ビリーとフレディは学校から抜け出し、シャザムのスーパーパワーの実験をするのであった。

シーン12

場所:色々
時間:色々
人物:シャザム、フレディ

Queen(クイーン)のDon’t Stop Me Nowをバックに実験シーンのモンタージュが始まる。

フレディが実験をビデオカメラで撮影し、YouTubeに投稿するとそれがバズり一躍シャザムは有名になる。

シーン13

場所:不動産屋
時間:昼
人物:シャザム、フレディ

シャザムとフレディはヒーローには隠れ家が必要ということで、不動産屋を訪れる。

シーン13

場所:学校
時間:昼
人物:ビリー、フレディ、いじめっ子

フレディがまたもいじめっ子二人組に絡まれてしまう。

フレディは「自分はシャザムと友達」と主張し状況を回避するが、翌日のランチに呼べと言われてしまう。

フレディは早速ビリーに頼むが、ビリーはあまり乗り気ではなかった。

この辺りから第二幕のテンションは下降していきますね。

ビリーがこの物語を通じて学ぶべきことへの準備段階へと入っていきます。

シーン14

場所:バスケス家
時間:夜
人物:バスケス家一同

バスケス家の夕食。

話の話題は今世間を賑わせている謎のヒーローだ。

ヒーローオタクのフレディはなぜか謎のヒーローに否定的なのに対し、ビリーの肯定的な姿に他の家族は不思議そうに見ていた。

この前のシーンあたりからビリーとフレディが常に争っている風のシーンが続き、冗長に思えますが、このシーンは他の家族たちにビリーとフレディの関係を気づかせるためのものだったようですね。

このシーンのおかげでシーン19でメアリーがシャザムの正体に気づくきっかけになりました。

シーン15

場所:学校 校門前
時間:昼
人物:ビリー、フレディ

ビリーはまた学校をサボり、シャザムの活動をしようとするが、フレディは毎日サボりすぎていることを懸念し、拒否する。

するとビリーは一人で学校をサボることに。

フレディを一人学校に残しどこかへ消えてしまった。

シーン15

場所:路上
時間:昼
人物:シャザム、メアリー

シャザムが一人で路上を歩く人にパフォーマンスをしていると、車に引かれそうになっているメアリーを発見する。

通知書を眺め悲しげなメアリーを見てシャザムは不合格と勘違いする。

しかし結果は合格。

メアリーは家族と離れることを想って悲しんでいた。

シーン16

場所:学校 カフェテリア
時間:昼
人物:フレディ

昼食にシャザムが来ることを期待し、生徒たちがフレディを囲うもシャザムは現れず。

結局フレディはまたもいじめられてしまう。

シーン17

場所:フィラデルフィア博物館前
時間:昼
人物:シャザム、フレディ

ミッドポイント

シャザムはアイ・オブ・ザ・タイガーをバックに稲妻ビームでパフォーマンスを披露していとフレディが現れ、昼食に来なかったシャザムを非難する。

しかしシャザムの心には響かずパフォーマンスを続行。すると稲妻が遠方の高速道路を走るバスに直撃し、大事件に発展してしまう。

バスを救助したシャザムは、メディアに褒め称えられさらに調子に乗ってしまう。

その姿をさらにフレディは非難し「いじめっ子と同じだ」と吐き捨てその場を去ってしまう。

直後、ドクターシヴァナが現れシャザムとの戦闘が開始される。

ミッドポイントとは

ミッドポイントとは物語全体を通した折り返し地点のことを言います。

本作では、ヒーローとヴィランのファーストコンタクトこそミッドポイントと言えるでしょう。

シーン18

場所:ショッピングモール
時間:昼
人物:シャザム、ドクターシヴァナ

ドクターシヴァナはシャザムを掴み空高く上昇する。

土壇場で飛ぶことを覚えたシャザムは、ドクターシヴァナになんとか反撃するも、

初めてスーパーパワーが通用しない相手に翻弄され、一方的に打ちのめされショッピングモールへと追い詰められる。

間一髪のところで少年の姿(ビリー)に戻り、その場を逃れる。

ドクターシヴァナは、シャザムとフレディが会話していたことを思い出し、現場に駆けつけていたフレディを人質にしてしまう。

モールのシーンにはオマージュにあふれていましたね。

特に、ピアノの鍵盤を踏むシーンはトム・ハンクス主演『ビッグ』へのオマージュと見てまず間違い無いです。

[/box05]

シーン19

場所:バスケス家
時間:夜
人物:ビリー、バスケス夫婦、その他義兄弟たち

ビリーは一人で帰宅。

すると学校をサボっていたことがバスケス夫婦にバレてしまい叱られることになる。

一方その他義兄弟たちは、昼に起きたバス事件の報道を見ていた。

するとメアリーがビリーこそシャザムだと気づく。

ペドロが拾ったメモをもとに、ユージーンがビリーの両親を居場所を突き止めていた。

それをビリーに伝えるとビリーは家を飛び出してしまう。

box03 title=”シーン19”]

場所:あるマンション
時間:夜
人物:ビリー、マリリン・バットソン

[/box03]

ビリーはついに実の母親と再会する。

しかしビリーの思い描いていた再開とはまるで違っていた。

彼は迷子で孤児になったのではなく、事実上マリリンに捨てられていたのだ。

マリリンの態度に、ビリーは自分にとって本当の家族は誰なのかにやっと気づく。

そんなビリーの元にフレディから電話が。

しかしそれはフレディからではなく、兄弟たちを人質にとったというドクターシヴァナからの電話だった。

ここで第二幕が終了です。長かった…

第二幕は、第一幕と雰囲気がガラッと変わり、ビリーやフレディ、ドクターシヴァナなど主要な登場人物の人物像の掘り下げやお互いの関係の掘り下げにフォーカスされています。

その証拠に第二幕では一度も「永遠の岩」や魔導師シャザムは登場しません。

本作が評価される大きな理由はほぼこの第二幕に凝縮されているように僕は思えます。

後述しますが、第二幕には家族についてのテーマと、最も子供らしい憧れの描写が色濃く投影されていました。

ビリーが本作で成長すべき点に気づいた段階で第二幕は終了しました。

第三幕

シーン20

場所:バスケス家
時間:夜
人物:シャザム、ドクターシヴァナ、兄弟たち

マンションの屋上からシャザムに変身しバスケス家へと帰宅。

するとそこには兄弟たちを人質に取ったドクターシヴァナが待ち受けていた。

ドクターシヴァナは魔導師シャザムの杖を手に入れるため、「永遠の岩」への扉を開きシャザムを連れて行く。

同時に兄弟たちも「永遠の岩」へやってくるのだった。

シーン21

場所:バスケス家
時間:夜
人物:シャザム、ドクターシヴァナ、兄弟たち

シャザムはドクターシヴァナと「七つの大罪」に打ちのめされいる。

間一髪のところ、兄弟たちが放ったバットラングがドクターシヴァナに命中。

するとドクターシヴァナは流血する。

しかし、七つの大罪がシヴァナの体内に戻ると傷はあっという間に治癒してしまう。

シヴァナが怯んだ隙にシャザムと兄弟たちはその場を逃亡し、テレポートによって「永遠の岩」を後にする。

シーン22

場所:フィラデルフィア郊外のパレード
時間:夜
人物:シャザム、ドクターシヴァナ、兄弟たち

ストリップクラブへテレポートした一同は、後追ってきたシヴァナから逃れるため、フィラデルフィア郊外で開かれていたパレードへと逃げ込みシャザムはビリーの姿に戻る。

しかし、変身の際の稲妻によって場所がバレてしまい、シヴァナもパレードにやってくる。

シーン21でシヴァナが流血した時の状況をフレディが分析すると、「七つの大罪」がシヴァナの力の源であることを突き止める。

「七つの大罪」を全て体から追い出すことができれば、シヴァナを倒すことができるのだ。

シーン23

場所:フィラデルフィア郊外のパレード
時間:夜
人物:シャザム、ドクターシヴァナ、兄弟たち

早速「七つの大罪」を追い出す作戦を開始するも、失敗に終わりまたも全員人質になってしまう。

絶体絶命ピンチの中、シャザムはあることを思い出す。

「永遠の岩」には7つの席があったのだ。

兄弟たちを集め、全員魔導師の杖に手を触れ「シャザム」と叫ぶと、兄弟たち全員シャザムの姿に返信するのであった。

シーン24

場所:フィラデルフィア郊外およびパレード
時間:夜
人物:シャザム、ドクターシヴァナ、兄弟たち

兄弟たちと「七つの大罪」、シャザムとドクターシヴァナに分かれ激しい戦闘が繰り広げられる。

戦闘の末、シャザムとドクターシヴァナはとあるビルの屋上へ。

シヴァナの体内に唯一残った”嫉妬”を引きづり出すためにシャザムはシヴァナを挑発する。

“嫉妬”を追い出すことに成功したシャザムは戦闘に勝利し、残りの罪たちも封印しついにドクターシヴァナに勝利する。

シャザムたちは「永遠の岩」という隠れ家を手に入れ物語は幕を閉じる。

第三幕は、物語を通じて真のヒーローとして成長したシャザムのシヴァナとの決着にフォーカスされています。

これで、本作で解決すべき課題を全て解決し物語が幕を閉じるのです。

感想

ここからはシナリオを分解した結果を踏まえた、僕の感想です。

コドモの憧れを具現化したヒーローコミック

もしかしたらある日突然僕のところにも魔導師シャザムが─。

「シャザム!」と唱えれば空を飛べるようになるかもしれない。

手から稲妻ビームを出せるようになるかもしれない。

数いるヒーローの中で最も《もしかしたら》を与えてくれるヒーローこそシャザムなんです。

だって、どんなに願ってもアトランティスの王子にはなれないでしょ。

そんなヒーローに対する子供の憧れを全て体現してくれているのが第二幕にぎゅっと詰まっているんですね。

この憧れって日本のあの人気アニメと似ていませんか?

そう、ドラえもんです。

きっとたくさんの人がドラえもんの「こんなこといいな。」「できたらいいな。」に胸を躍らせて育ったのではないでしょうか。

シャザムもまさしくそれと同じで、憧れを叶えてくれるヒーローなんですね。

80年代に敬意を

本作は、80年代に生み出された多くの作品から影響を受けている作品です。

特に大きく影響を与えたのがトム・ハンクス主演、ペニー・マーシャル監督の『ビッグ』、リチャード・ドナー監督の『グーニーズ』が挙げられます。

それもそのはずで、『シャザム!』はデビッド監督は子供時代に80年代の作品を観て育ち、彼の大好きな映画たちの世界観を描ける機会だと思ったそうです。

いずれも素晴らしいのは、懐古的に見せるのではなく、あくまでも今風に昇華させている点です。

『バンブルビー』評の時も書きましたが、80年代の映画を観て育った才能ある若き監督の時代が確実にやってきています。

ネタバレ『バンブルビー』感想・評価・シナリオ書き起こし徹底解説!みなさんこんにちは!オレンチ(@1080Buttobi)です! 今回は映画『バンブルビー』を三幕構成に区切り、シナリオを書き起こし...

今後生み出される数ある作品のためにも、一度過去を振り返り80年代の作品を鑑賞しておくと面白ことになるかもしれません。

ちょうどいい怖さ

ホラー出身の監督なので当然と言えば当然なんですが、所々驚かせるシーンが『シャザム!』にはあるんですよね。

「監督が得意だから」というわけではなく、この《ちょうどいい怖さ》も80年代の作品に通じるものがありました。

よくよく考えると、80年代の冒険映画はどれも《ちょうどいい怖さ》を持っていました。『ジュラシック・パーク』シリーズしかり、『インディ・ジョーンズ』シリーズしかり。

少し時代を送ると『ハムナプトラ』シリーズにも言えますね。

《ちょうどいい怖さ》こそ、怖いもの見たさや冒険心を煽るものなのです。

二人の子供の物語

本作はある二人の物語といっても過言ではないでしょう。

その二人とは、ビリーとドクターシヴァナです。

この二人は、どちらも親の愛情を受けることなく育ってきました。

一歩間違えれば、ビリーもシヴァナのように卑屈な少年になっていたかもしれません。

つまり、二人は表裏一体なのです。

クリストファー・ノーラン監督の『ダークナイト』がとても良い例ですが、敵対する二人が表裏一体に描かれている関係性は往々にして面白いものになります。

圧倒的な力を得た二人。

一方は守るためにその力を使い、一方は壊すことにその力を使いました。

どちらが正しいかは火を見るよりも明らかでしょう。

勿体無い「七つの大罪」

ここからはネガティブな意見を少々いきます。

マーク・ストロングのドクターシヴァナは、卑屈に育ってしまった感じがほとばしっていて素晴らしかったのですが、問題は「七つの大罪」にあります。

中二病をくすぐる設定とビジュアルを持っているのにも関わらず、その二つをまるで活用することがなかったように思えるのです。

というのも、皆さんは全て7つ全てクリーチャーと合わせることができますか?

僕には無理です。

せめてビジュアルからは”暴食”。

あとは劇中で名前を呼ばれた”傲慢”と”嫉妬”くらいでしょうか。

デビット・フィンチャー監督の『セブン』のように罪にちなんだ能力を発揮してくれれば最高のヴィランになったのではないかなと思えてなりません。

あまりにも間抜けな母親

シーン4の回想ですが、孤児になってしまう理由ですが、もうちょっとまともな理由を作り込めなかったんですかね。

パレードの最中に迷子になってそのまま生き別れ…。

「んなアホな。」って劇中ずっと思ってました。

結局、僕の思い描いたアホではなかったわけですが(母親に捨てられていた)、裏を返すと容易に想像できてしまうというか、ビリーに同情をしにくくなってしまうんですよね。

他にもすごく細かいところなんですが、

いじめっ子二人組がクライマックスのパレードで、観覧車に乗っていますが、あそこにあの二人必要?w

というか、二人でミッチミチの観覧車に乗ってるでどないやねんw

終わりに

最後まで読んでいただき本当にありがとうございました!

今回もめちゃくちゃ長くなってしまいました…。数えたら10,000文字以上!w

1,000文字でも100文字でも読んでいただけた方がいれば感無量です!

映画は何度も何度も見て、己の正しい感想にたどり着くものだと思っています。

お財布の関係上、劇場では一度しか見れませんが、手元に『シャザム!』がやってきたらいろんなバージョンで鑑賞しようと思っています。

その時にまた追記をしようかなと。

発売やレンタル開始後にもう一度訪れていただけるとまた嬉しいです!

それではまた!

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。