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『ロケットマン』ネタバレあり感想・解説・考察:エルトン・ジョンの世界をファンタジーで。

「正直に真実を伝える必要があった。」
──エルトン・ジョン。

お疲れ様です!オレンチです!

今回は『ロケットマン』です。

史上最も売れたミュージシャンの一人であるエルトン・ジョンを題材にした作品です。

オレンチ

最近では『キングスマン:ゴールデンサークル』でタロン・エジャトンと共演も果たしたね!

ちなみに僕は『ダイヤモンズ グレイテスト・ヒッツ』をヘビロテして本作に挑みました!笑

それでは『ロケットマン』の感想・解説・評価、行ってみます!

この記事はネタバレ表現が含まれます。

作品情報

  • 原題:Rocketman
  • 制作:2019年/イギリス
  • 上映時間:121分

あらすじ

並外れた音楽の才能でまたたく間にスターへの階段を駆け上がっていった一方で、様々な困難や苦悩にも満ちたエルトン・ジョンの知られざる半生を、「ユア・ソング(僕の歌は君の歌)」や「ロケット・マン」など数々のヒット曲にのせたミュージカルシーンを交えて描いていく。イギリス郊外の町で両親の愛を得られずに育った少年レジナルド(レジー)・ドワイトは、唯一、音楽の才能には恵まれていた。やがてロックに傾倒し、ミュージシャンを目指すことを決意したレジーは、「エルトン・ジョン」という新たな名前で音楽活動を始める。そして、後に生涯の友となる作詞家バーニー・トーピンとの運命的な出会いをきっかけに、成功への道をひた走っていくが……。(映画.comより)

監督・スタッフ

  • 監督:デクスター・フレッチャー
  • 制作:マシュー・ボーン、アダム・ボーリング、デビット・リード
  • 制作総指揮:エルトン・ジョン
  • 脚本:リー・ホール
  • 撮影:ジョージ・リッチモンド
  • 編集:クリス・ディケンズ
  • 音楽:マシュー・マージソン

監督のデクスター・フレッチャーは前作『ボヘミアン・ラプソディ』で一躍有名監督の仲間入りを果たしましたね。

しかし彼にとって『ボヘミアン・ラプソディ』は降板したブライアン・シンガーから引き継いだもので、本当に撮りたかったものは本作『ロケットマン』なのかなぁなんて思います。

製作総指揮のマシュー・ボーンデクスター・フレッチャーの付き合いは長く、始まりはガイ・リッチー監督の『ロック・ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』から。

マシュー・ボーンガイ・リッチーの作品を何作かプロデュースし、『レイヤー・ケーキ』で監督デビューを飾った数年後にスパイ映画である『キングスマン』、ガイ・リッチーのスパイ映画『コードネームアンクル』と同年に公開されスパイ映画対決をすることに。

今度はデクスター・フレッチャーが本作『ロケットマン』でガイ・リッチーの『アラジン』とミュージカル映画対決することになりました。

オレンチ

何の因果か同じ『キングスマン』も『ロケットマン』もタロン・エジャトン主演ですね

また制作総指揮としてクレジットされているエルトン・ジョン

実在した人物を描いた作品としては珍しく当人が存命で、しかも作品に関わっているという点は非常に興味深いです。

オレンチ

エルトン・ジョンが作品に関わっている点は後ほどガッツリと触れます。

最後に触れておきたいのが、音楽を担当したマシュー・マージソンです。

本作はエルトン・ジョンが制作に関わっている手前、彼の楽曲は全て使用許可が下りていたそうです。

マシューは数多ある楽曲の中から違和感なく脚本に融合させくれました。

ミュージカル映画である以上、彼あっての作品であることは間違い無いでしょう。

キャスト

  • エルトン・ジョン:タロン・エジャトン
  • バーニー・トービン:ジェイミー・ベル
  • ジョン・リード:リチャード・マッデン
  • シーラ・フェアブラザー:ブライス・ダラス・ハワード
  • ディック・ジェイムス:スティーブン・グレアム

エルトンを演じるは最近『キングスマン』で一気にはねたタロン・エジャトン

監督のデクスター・フレッチャーとは『イーグルジャンプ』でタッグ済み。

ちなみにタロン・エジャトンは『シング』でエルトン・ジョンの「アイム・スティル・スタンディング」を歌い、『キングスマン:ゴールデンサークル』でエルトン・ジョンと共演し、『ロケットマン』でエルトン・ジョンを演じる─。というエルトン・ジョンみたいな生活を送っております。

相棒のバーニー・トービンを演じるジェイミー・ベルは個人的に『ジャンパー』で印象的だったのですが、本作で一気に売れてくるんじゃ無いかなーなんて思ってます。

コンスタントに映画の舞台に顔を出すもイマイチ芽が出ないリチャード・マッデンは『ゲーム・オブ・スローンズ』ファンにはお馴染みですね。

オレンチ

リチャード・マッデンにそろそろ主演を!

ブライス・ダラス・ハワードについてはソックリさんかな?と思うくらい丸くなっておられまして、役作りかなとも思ったんですが、本人曰く役作りする時間がなかったのだとか。

感想・解説

エルトン・ジョンが見てきた世界

25歳で億万長者となったエルトン・ジョン。

本作は彼の幼少時代からデビュー─。そして『アイム・スティル・スタンディング』をリリースする1983年までを描いています。

なぜこんな言い回しをしたかというと「エルトン・ジョンの半生」と呼ぶにはあまりにも前半に過ぎないということです。

つまりそれほど魅力に満ち溢れた人だということですね。

まず最初に伝えておきたいのは、『ロケットマン』はエルトン・ジョンの伝記映画というより、ミュージカル映画でありファンタジー映画だということです。

レジナルド少年(エルトンの本名)が夢を膨らませて懐中電灯を振ればオーケストラが現れるし、若きエルトンが観客と一体感を感じれば会場にいる全員が浮き上がると言ったようにファンタジー的な要素の表現力はとても豊かです。

このようにミュージカル部分にはほとんどと言っていいほどファンタジー的表現が含まれていますが、本作がファンタジーに舵を振ったのには大きな意味があります。

それは、エルトン・ジョンが本作の制作に大きく携わっていることにです。

つまり本作でファンタジックに演出される表現は全てエルトン・ジョンがその時その場で感じていた感覚を映画の技術を持って映像化しているということが言えます。

仮に『ロケットマン』が舞台だったとしたら、表現力はある程度制限されてしまうでしょう。

映画でしかできない事を映画でやる。非常に優れた《映画》だったと僕は思います。

タロン・エジャトンの歌唱力は言わずもがなですね。

しかも『ボラプ』と違い大きく評価したいのはタロン君自ら歌っているという点です。しかも彼はエルトン・ジョンをコピーするのではなく、自分なりにアレンジして己の個性を残したそうです。

これこそミュージカル映画における最強最高の演技と言えるのでは無いでしょうか。

ちなみにラストで歌う『アイム・スティル・スタンディング』はイルミネーションエンターテイメントの『シング』でもやはりタロン・エジャトンが歌っていましたね。こちらも因果的。

愛を求めて

本作はタロン・エジャトン演じるエルトン・ジョンがグループセラピーに参加するシーンから始まります。

ここで自身の幼少期を語り出すと、ファンタジックな演出とともに舞台は過去へ。

唯一ファンタジーの世界に入れていないエルトン・ジョンとレジナルド少年だけハッキリとしたカラーリングされその他はブリーチバイパスのようにくすんだ色になっているのが印象的でしたね。

荒廃的な背景色と現実的な色味のエルトンから過去をよく思っていない心情が映像から伝わってきます。

そんな第一幕で描かれるのは子供時代、愛に恵まれなかったレジナルド少年についてで、このことは作品全体を通して《子供時代が与える影響》として観客に語りかけます。

特に父親に愛を求めても叶わないまま父親は消えてしまい、有名になって父親と再会するも我が子としてではなく、ただの有名人としてしか見てもらえないエルトン・ジョンが非常に切なかったです。

さらにはセクシュアリティーな問題にまだ理解が追いついていなかった時代、パートナーに恵まれなかったこともあり、富と名声と反比例するようにエルトン・ジョンは孤独に悩まされていきます。

ちょうど「Rocket Men」の歌詞のように。

「僕はみんなが思う、地球にいた時の僕じゃないって
あぁ、なんてこった、僕はロケットマン」

しかし、バーニー・トービンだけは見捨てませんでした。

二人が出会った直後、バーニーがエルトンにかけた言葉が印象的に残っています。

「君の思う愛ではないが、僕は君を愛している」

結局バーニーはブレることなくエルトンを親友として愛し続け、彼を救うことになるのです。

エルトンはバーニーに背中を押され、自分に正直になることで自分を救済します。

クライマックスでエルトン・ジョンがレジナンド少年とするハグには救済という意味が表現されていたのではないでしょうか。

赤裸々に

ドラック、アルコール、セックス…。

本作ではエルトン・ジョンが抱え苦しんできた内容が赤裸々に描かれています。

本人が存命で、作品に携わっているにも関わらずここまでできたのは、エルトン・ジョン本人の意思あってのこと。

エルトンは「名声と引き換えになった途方もない代償を、正直に伝える必要があった」と語っています。

そんなエルトンの熱意に体を張って答えたのがタロン・エジャトンです。

何と言ってもリチャード・マッデンとのベッドシーンでしょう。これは『ブロークバック・マウンテン』以来の衝撃。

リチャード・マッデン演じるジョン・リードと恋に落ち、ベッドインまでが赤裸々に描かれていますが、このベッドシーンがなんとも情熱的でセクシーなんです。

兎にも角にもタロン・エジャトン最高!な作品でした。

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詳しい情報は以下の記事をご覧ください。

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