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【特集】西川美和監督作品の一覧|特徴・作風について考察してみる【映画】

こんにちは!オレンチと申します!

今回は先日新作『すばらしき世界』(21)が公開されたばかりの西川美和監督について書いていこうと思います。

恥ずかしながら『すばらしき世界』(21)はまだ未見なため、それ以前の作品を元に西川美和監督について考察を広げていこうと思います。

あくまでも私個人の考えであることをここにお断りしておきます。

西川美和監督作品の特徴・作風について考察してみた

壊れていた家族が一貫したテーマ

西川美和監督のデビュー作『蛇イチゴ』(02)ではリストラと多額の借金を隠していた父親を──、『ゆれる』(06)では殺人容疑のかかった兄とその証拠を握る弟を──、『ディア・ドクター』(09)ではガンを隠す母親を──、『夢売るふたり』(12)は詐欺を共謀する夫婦を──、『永い言い訳』(16)では妻を失った2人の夫を──、といったように西川美和監督作品には一貫して”何かしらの問題を抱えた家族”──、つまり壊れていた家族が物語の中心にいることがよくわかると思います。

 

さらにこれら”壊れていた家族”は、いずれも取り繕われていて表面上はその様子が見えないことが特徴的で、覆い隠してきた問題を突然現れた人物によって暴かれることで、物語がドラマチックに動き出すのです。

少なくとも『蛇イチゴ』(02)、『ゆれる』(06)、『ディア・ドクター』(09)はそのような構成になっておりそれぞれ、宮迫博之(=『蛇イチゴ』)、オダギリジョー(=『ゆれる』)、瑛太(=『ディア・ドクター』)が突然現れた人物に該当します。

面白いのは『夢売るふたり』(12)は自ら壊れていく家族を──、『永い言い訳』(16)では突然現れた人物ではなく、突然去ってしまった人物が物語をドラマチックに動かしています。

“嘘”が見せる人間らしさ

西川美和監督の作品は必ず嘘をついている人物が中心的に登場します。むしろその「嘘」が物語の骨子となっていることがほとんどですね。

「取り繕っていた」と前述したように、『蛇イチゴ』(02)では借金を隠す父親の嘘と詐欺を隠す息子の嘘が登場します。

『ゆれる』(06)では兄の供述が嘘なのか本当なのかに翻弄される物語でもあり、『ディア・ドクター』(09)はガンを患った患者の嘘によって、医者の嘘が暴かれてしまう物語でした。

このように西川美和監督の作品は、嘘と嘘が出会い、嘘が嘘を暴くなど、多くの嘘が渦巻いていることを感じていただけるかと思います。

 

この辺りはまだうまく言えないのですが、何か世間体的なものを隠そうと嘘をつく登場人物に、生身の人間らしさを強く感じるんです。

これが西川美和監督作品をみた後で感じる余韻の正体ではないかと僕は思っています。

さらに嘘を克服しようとした登場人物の心の変化が、西川美和監督作品の最後に一貫して与えられる”回復の兆し”だと思います。

西川美和監督の長編作品

1.『蛇イチゴ』

2003年公開

上映時間:108分

 

あらすじ・解説

祖父、父、母、娘のごく平凡な家族・明智家。娘・倫子は同僚との結婚を控え、父・芳郎は一家を支え、母・章子は痴呆症の祖父・京蔵を世話している。だが全員が誰にも言えない秘密を抱えていた。そこに勘当された長男・周治が突然帰ってきて…。

(U-NEXTより)

解説・おすすめポイント

 

2.『ゆれる』

2006年公開

上映時間:119分

あらすじ・解説

母の一周忌で帰郷した猛は、兄の稔と幼なじみの智恵子と共に渓谷に向かう。猛は吊り橋の上で稔と智恵子がもめているのを目撃。その直後に智恵子が渓谷に転落してしまい、当初は事故と判断されていたが、稔が自分が殺したと言い出し、裁判へともつれ込む…。

(U-NEXTより)

解説・おすすめポイント

 

3.『ディア・ドクター』

2009年公開

上映時間:127分

あらすじ・解説

山間の小さな村から一人の医師が失踪する。その男、伊野は過疎地で住民の医療を一手に引き受けており、村の人々から先生と呼ばれて親しまれていた。東京から来た研修医の相馬も彼の働きぶりに共感を覚え始めていたが、伊野の素性を知る者は誰もいなかった…。

(U-NEXTより)

解説・おすすめポイント

 

 

4.『夢売るふたり』

2012年公開

上映時間:137分

あらすじ・解説

小料理屋を営んでいた貫也と里子の夫婦。だが火事によって店は全焼し、貫也はやる気を失った。ある日、貫也は店の常連客だった玲子と再会。酔った勢いで一夜を共にしてしまう。浮気はすぐにバレてしまうが、里子はこの出来事をきっかけに結婚詐欺を思いつく。

(U-NEXTより)

解説・おすすめポイント

 

5.『永い言い訳』

2016年公開

上映時間:124分

あらすじ・解説

人気作家・衣笠幸雄は、妻とその親友が旅先で亡くなったと知らせを受ける。その時彼は不倫相手と会っており、世間に対して妻を亡くした悲劇の人を装うことしかできなかった。ある日、彼は妻の親友の遺族と会い、その子供たちの世話をすることになるのだが…。

(U-NEXTより)

解説・おすすめポイント

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