最近ミュージカル映画、調子いいっすね。
「レ・ミゼラブル」あたりからジワジワと来て、「ラ・ラ・ランド」で爆発して、「グレイテスト・ショーマン」が後に続いて─。
そして、2019年一発目のミュージカルは50年ぶりの続編、メリーポピンズリターンズ!!
リメイクかと思ったら続編なのね。50年ぶりの続編て。幼稚園生だって孫の一人や二人いてもおかしくない歳月ですよ笑。
それではサクッと作品情報をやって鑑賞後の感想です。
作品情報
メリーポピンズ リターンズ
原題 :Mary Poppins Returns
上映時間:131分
製作年 :2018年
監督 :ロブ・マーシャル
上映時間は約131分とほんの少しだけ長いっすね。でもミュージカル映画って体感的に短く感じるから丁度いいのかも。
キャスト
エミリー・ブラント
リン=マニュエル・ミランダ
ベン・ウィショー
エミリー・モーティマー
コリン・ファース
メリル・ストリープ
アンジェラ・ランズベリー
ディック・ヴァン・ダイク
キャスト陣は豪華ですよ〜!若干見たことがない人混ざってるけど、エミリー・ブラント、ベン・ウィショー、コリン・ファースにメリル・ストリープ──
エミリー・ブラントは間違いなく今を時めく俳優さんになりましたね。歌って踊れて銃もさばけりゃロボにも乗れて超マルチ!!
あとはディック・ヴァン・ダイクが出演してるだけで涙ものです。このおじいちゃんは前作バート役を演じてた人。
最近だとナイトミュージアムの悪い守衛さん役とかで記憶にある人がいるかも。
このディック・ヴァン・ダイクが演じる役が、前作彼が特殊メイクで演じた銀行のおじいちゃんの息子がおじいちゃんになった役(伝わる笑?)を演じるというなかなか粋なことをやっております。
あらすじ
大恐慌時代のロンドン。バンクス家の長男マイケルは今では家庭を持つ父親となり、かつて父や祖父が働いていたロンドンのフィデリティ銀行で臨時の仕事に就いていた。しかし現在のバンクス家に金銭的な余裕はなく、さらにマイケルは妻を亡くしたばかりで家の中も荒れ放題。そこへ追い打ちをかけるように、融資の返済期限切れで家まで失う大ピンチに陥ってしまう。そんな彼らの前に、あの「ほぼ完璧な魔法使い」メリー・ポピンズが風に乗って舞い降りてくる。(以上映画.comより)
感想
いやぁー…
全くもって、前作と同様に楽しい作品だった!
ただどこか前と何かが違う。
そう、実は僕泣いてました。それも何故か楽しいはずのシーンで。
前作を踏襲した愛のある作り込み
とりあえず前作は必ず見ましょう。50年ぶりの続編はマジ伊達じゃないっす。
始まりから終わりまで、オマージュ盛りだくさんなんだけど、わざとちょっとだけ見え方を変えてるので、真新しく見えるんですよ。この外しのテクニックがなかなか粋で見ていて飽きなかったっす。
例えば、階段を手すりに乗ってスーっと上がっていく姿は部屋の中からチラッと見えるだけだったりね。
そういえば、傘の柄ですが喋れるのか喋れないのか曖昧にするのかと思ったら、やたらと喋ってましたな笑。あれが喋るのジュリーアンドリュースが嫌がってたみたいだけどそこんところはどうなんだろう。
前作より事態はだいぶ重めですが、やっぱりドタバタしてるバンクス邸。パパになったマイケルが時代の煽りを受けて家を手放さなければいけないかもしれないという一大事に。遂には思い出のあの凧まで捨ててしまったその瞬間──。
そうです!風と共に、凧に釣られてメリーポピンズ が帰ってきたのです!
足の角度…
オッケー!
上から目線の態度…
オッケー!
やっぱ登場シーンは歓喜そのものでした。持ってるの凧だけど。
僕的にエミリー・ブランド版のメリーポピンズ はジュリーアンドリュースより更にキツくなった印象です。メリーポピンズ 様に近づいた感じ。
でもそのおかげでギャップ萌えが著しく向上いたしました。笑顔が可愛いこと可愛いこと。そしてお歌がお上手ですわね。ここのところエミリー・ブラントまじですごいっすね。あとはスーパーヒーローくらいか。
世界恐慌という時代
はい。僕が涙した理由はここにあります。
世界恐慌ということが、本作にとってものすごく意味が深いものでして、世界恐慌は我々庶民にとって間違いなく最悪の時代です。失業率は25%まで上がったというし、明日の食事が出来るかどうかだって深刻だった時代です。
ついさっきまで家を手放さなければならない話をしていたのに、メリーポピンズときたら明るく元気にお風呂の支度をしているではありませんか。しかもその支度がなんと楽しげなこと。
最悪の時代だからこそメリーポピンズの強さがより際立つというか、前作以上に眩しく見えたんですよ。で、なんかこっちまですげー励まされてる気になってきて、気づいたらなんか軽く泣いてました笑。つまるところ僕は疲れているということになるのですが笑。
人間あんな形で励まされると自然と泣くんですね。誰かこの現象の名前教えて笑。
子供にとっては楽しい映画、大人にとっては励まされる─最近のディズニー映画正統派なつくりですね!
ちなみに世界恐慌の深刻さは「シンデレラマン」の冒頭らへんを見るとよく分かるのでこちらもオススメっす。
ぶっちゃけ歌と踊りは…
いやすげー楽しい作品なんですよ。メリーポピンズが魔法をかけるシーンは前作同様どのシーンもディズニーのアトラクションみたいでワクワクすごいし、歌詞だって心にささるやついっぱいあったし。
ちなみにトプシーの、見かたを変えれば何だってできちゃうぜ!みたいな深いテーマの曲と、お母さんは笑顔の中に生きている的な詩がめっちゃ好きです。まじ良いこと言うよな。
でもねー、なんかメロディが頭に残らんのですわ。
脳内ヘビロテジャックしてくるチムチムニーとか、とりあえず楽しそうなスーパーカリフラナンチャラドージャスみたいなフレーズだったり、前作みたいなインパクトがないんですよ。
壺の中に入るシーンは、真新しさが全くなくて正直ちょっと飽きが来てました。
壺の絵の中に入るってこと自体めちゃくちゃ斬新だし、地面とかあらゆる自然のものが陶器っぽい素材だったのは面白かったけど、その中でやってることは普通に馬車乗って、ちょっと変わった動物たちのバーレスクショーみたいなの見て、終わりに馬車で馬チェイスでしょ。周りが絵の動物ってだけで、
普通じゃね?
と。
このシーンと対になってる前作を思い出して欲しいのですが、メリーゴーラウンドの馬に乗って、競馬に出場するという超ファンタジックなことをやってるんですよ。それに比べちゃうと僕的には弱いなと思いました。
しかも、クライマックスでビックベンの時計を5分戻すというくだりがありますが、散々苦労して時計の高さまで上り詰めたものの、結局針まで手が届かない!
さぁどうしよう…っと右往左往していると、しょうがない奴らだなと言わんばかりにメリー・ポピンズがヒョイっと飛んで軽く時計の針を5分戻すのでした…って
最初から飛べや!
その手があったかーー!!みたいな空気になってますけど、そうはいかないからな笑!
ディック・ヴァン・ダイクという俳優
ディック・ヴァン・ダイク良いよ〜。最高だよ〜。
彼が出てくるシーンが観れただけでこの映画見に来てよかった!満足度120%!と声を大にして言えます。
いや、誰?
ってなっちゃっている人のために、簡単に説明をしますと、前作チムチムニーを歌ってたバート役の兄ちゃんですよ。ちなみに前作では一人二役で銀行の大ボス、ミスター・ドース・シニアも演じていましたよ。
そんなディック・ヴァン・ダイクが50年の時を経て、本当におじいちゃんになって帰ってきたのです!
登場シーンでメリーポピンズの傘の柄にウインクするあの瞬間は、ミスター・ドース・ジュニアではなく、ディック・ヴァン・ダイク本人に戻ってましたね!「よう!久しぶり!」的な。こう言うメタ的な演出ってほんとたまらんのですよ。
実際、僕はメリーポピンズを見て育ったと言うには程遠く、なんなら最近本作を見るために前作を見たのが最初の記憶だったりします。(嫁は小学生の頃一緒に見たよと言ってるんですが、覚えてないんだなこれが。)
そんな僕でもこれほどまで感動を覚えたのですから、これを見て育ったと言う方の感動は計り知れないし、正直めちゃくちゃジェラシーです笑!
出てきてすぐに以前と引けを取らない踊りを披露してくれて、その姿にはなんだかノスタルジーな感情を覚えましたし、前作シニアがツボった義足の男の話をチラつかせ、あの独特の笑かたには変わらぬユーモアを感じたし、”2ペンス”の話で、僕の感情はノックアウトされました。いったい短いシーンにどれほどまでの感情を詰め込んでくれてるんだ。究極に癒されましたとさ。
最後のキャスト紹介に出てくる文字にも注目してくださいね。ディック・ヴァン・ダイクの文字だけ踊り出しますからね〜。これはもろ前作のオマージュで前作も最後まで見てると同じように踊りまっせ。
言葉にせず、ここまで人柄を表す粋な演出にあっぱれです。
ディック・ヴァン・ダイクが大好きになった夜でした。
あ、そう言えば最後に出てきた風船売りのばあちゃん誰?不勉強ながら僕には全然わかりませんでした…すげー存在感あったけど。情報求む!
終わりに
最後まで読んでいただきありがとうございました。
ここまでが初見の感想です。
なにぶん理解力や集中力が弱いもので、何度も見ないと僕には映画の本質がわかりません。
なのでブルーレイが出た頃にまた家族で再鑑賞してみようと思います。
またその頃、記事を更新しようかと思いますので、その時もまた読んでもらえたら嬉しです。
前作の感想はこちら。”2ペンスを鳩に”の誕生秘話などヘェ〜な情報満載なので是非どうぞ。
前作、「メリー・ポピンズ」の誕生秘話を描いた作品がこちら。こちらも心に刺さる作品でしたよ!
それではまた!