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『チェ 39歳 別れの手紙』ネタバレ感想・解説・考察|チェ・ゲバラの魅力について

チェ。オレンチです。

ちなみに「チェ。」とはアルゼンチンで「やぁ。」みたいな感じで使われる砕けた呼びかけ言葉なんで、是非使ってくださいな。

そうそう『グリース』評の時に発表した『ゲーオブスローンズ』ですが、第2章の4話まで到達しました。

急ピッチです。早よ観終わらな。

それにしても2週目のスローンズは楽しいぞ〜。

というわけで、今回は『チェ 39歳 別れの手紙』(08)の感想に行ってみようと思います。

感想・解説・考察

●登ったら降りる。降りたら登る。

本作『チェ 39歳 別れの手紙』(08)『チェ 28歳の革命』(08)2つで1つの映画であり、その後編に当たる作品です。

故に『チェ 28歳の革命』(08)を観ないことには、『チェ 39歳 別れの手紙』(08)は始まりさえしません。

まずは『チェ 28歳の革命』(08)から先に見てくれよな!

一応『チェ 28歳の革命』(08)の感想もざっくりバッサリと書いているので、以下より読んでもらえると嬉しいです。

『チェ 28歳の革命』ネタバレ感想・解説・考察|ステーブンをバーグで締めると早撮り監督の出来上がり

『チェ 39歳 別れの手紙』(08)でありますが『チェ 28歳の革命』(08)を見たあとすぐに本作を見ない限り、『チェ』(08)という映画の持つ構造は理解できないと思うんだな。

「チェッチェ」うるせーな。もう少し我慢して。

ここまで二層構造にするのであれば、いっそのこと「intermission」を入れた4時間30分(270分)の映画にしてしまったらよかったのに。

それぐらいセットです。

だもんで『チェ 28歳の革命』(08)で足止めしてしまった人は是非とも本作まで歩みを進めて欲しいと思います。

さてさて本作『チェ 39歳 別れの手紙』(08)は革命家チェ・ゲバラがボリビア入りし、処刑されるまでを描いた作品です。

つまり本作のチェ・ゲバラは誰しもが知る死へと向かっているがため、必然的に映画は暗い印象を放っております。

んでもって本作が放つ暗い印象こそ、『チェ 28際の革命』(08)とセットで見るべき理由で、前編が革命の成就という明るい未来に登っているのに対し、後編は処刑という暗い結末に降っているのです。(チェッチェが止まらないので前編・後編に言い方を変えるね!)

つまりは前編と後編で反復しているわけです。

どちらも舞台となるのはほぼジャングルで、革命軍──ひいてはチェ・ゲバラの目線で語られるわけですが、前編は統率力が取れており連戦連勝死の描写はほぼ無いまま瞬く間にキューバを攻略したのに対して、後編は士気が低い上に脱走する者さえ現れ、意図的に死の描写ばかり描かれ、ついにはボリビア革命は失敗してしまいます。

もし前編に革命を簡単に成し遂げてしまうことでの物足りなさを感じたのならば、それは反復のための生贄。サクリファイスです。

そもそも大元はチェ・ゲバラがボリビアに入ってから処刑されるまでを映画化しようとしたところ、「暗すぎるわ」と制作のローラ・ビックフォードが言ったため、キューバ革命の話を追加することで中和させたんすわ。

ちなみにチェ・ゲバラの衣装も前編は明るく・後編は暗くと反復しているので、よ〜く見てみてくださいな。

●チェ・ゲバラの魅力について

前編の評「ゲバラの思想──つまりマルクス主義=社会主義=共産主義が掲げる理想は、実現不可能な理想論」と言い放ちました。

そのこと自体僕の思いを曲げるつもりはさらさら無いんですが、本作の特典についていた冊子を読んでみようかと開いた1ページ目にこんなことが書いてありました。

もしわれわれが空想家のようだといわれるならば、

救いがたい理想主義者だといわれるならば、

できもしないことを考えているといわれるならば、

何千回でも答えよう、そのとおりだ、と。

──チェ・ゲバラ(革命家)

正直、ゲバラ本人から語り掛けられてるかと思ったね。

俺、故人からここまで見透かされてると感じたこと初めてです。

この瞬間僕の中で何かが変わりました。

確実にゲバラが神格化しております。

クリスチャンが神を信じて十字架のネックレスをぶら下げるように、ゲバラのブレない信念を掲げてTシャツを着たい。

チェ・ゲバラという人物が魅力的なのは、社会主義者だからではなく、キューバ革命を成就させたからでもなく、革命家であり続けたからでもなく、自分の信念を貫くことに少しもブレることがなかったからじゃないでしょうか。

ブレずに生き抜くって無茶苦茶シンプルで、誰にでも伝わりやすいことなんですが、それを実現しようと思うとめちゃくちゃ難しい生き方なんすよな。

この姿勢こそがチェ・ゲバラという男が思想の壁を越えても愛される魅力。今は強くそう思います。

ただね、少なくともこの映画を作った人々はゲバラの魅力をまだ知らない人に伝えたいと思って作っているはずなのに、そうはなってないんですわ。

この作品はすでにゲバラをすでに知っている人向けであり、これから知ろうとしている人向けにはなっていません。

なぜかというと、記録映画(ドキュメンタリー)のような作風で、こちらの心を鼓舞させるような演出は極力控えられちゃってます。

これだとすでにゲバラを愛している人か、その場にいない限り、「やっぱゲバラってすげぇ〜」ってならないと思うんすわ。

ロードムービーの巨匠、ヴィム・ヴェンダースが面白ことを言ってましてね。

「モーション」は「エモーション」を生む。

──ヴィム・ヴェンダース(映画監督)

だとさ。もっと演出を動かさないとダメですな。

僕だって冊子を開かなければここまでゲバラに取り憑かれることはなかっただろうしね。

スタッフ

  • 監督:スティーヴン・ソダーバーグ
  • 制作:ローラ・ビックフォード、ベニチオ・デル・トロ
  • 脚本:ピーター・バックマン
  • 撮影:ピーター・アンドリュース
  • 編集:パブロ・スマラガ
  • 音楽:アルベルト・イグレシアス

キャスト

  • チェ・ゲバラ:ベニチオ・デル・トロ
  • アレイダ・マルチ:カタリーナ・サンディノ・モレノ
  • フィデル・カストロ:デミアン・ビチル
  • ラウル・カストロ:ロドリゴ・サントロ
  • カミロ・シエンフェゴス:サンティアゴ・カブレラ
  • シロ・レドンド:エドガー・ラミレス

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