「優れた音楽家は借りずに盗む」
──イーゴリ・ストランヴィンスキー(作曲家)。
みなさんこんにちは!オレンチです。
この記事を開いてもらい本当にありがとうございます!
ここまで来てもらったのも何かの縁なのでどうか最後まで読んでやってください。
嘘です。つまんなかったら戻るボタン押していいよ。
2019年4月26日に『アベンジャーズ/エンドゲーム』が公開されますね。
そこで当ブログではマーベル・シネマティック・ユニバース(以下MCU)を製作者目線で振り返って参ります。
さて今回はMCU第9作目『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』です。
初めてこの記事に訪れた方のために簡単に説明しておきますと、すでに発売されているDVDやブルーレイの特典映像から、ちょっと「ヘェ〜」な小ネタや裏話、掘り出し物の情報を引き出しながら、シリーズ作品を振り返って「アベンジャーズ/エンドゲーム」に備えよう!という企画です。
前回の記事はこちら
今回もブルーレイに収録されている約30分の特典映像、
および
アンソニー&ジョー・ルッソ兄弟(監督)、クリストファー・マルクス(脚本)、スティーブン・マクフィーリー(脚本)の4名による音声解説を参考に『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』を掘り下げてみました。
この記事はブルーレイに収録されている特典映像および音声解説を参考にしています。
ではさっそく本題に入っていきましょう!
70年代スリラーが与えた影響
「陰謀もので行こう」
ケヴィン・ファイギ(MCUプロデューサー)がそう言うと、彼は70年代の陰謀スリラーを提案しました。
そこでアンソニー&ジョー・ルッソ兄弟は70年代の作品を山ほど鑑賞し、その中で『コンドル』が構成の手本になったそうです。
[box05 title=”『コンドル』のあらすじ”]ニューヨークにあるアメリカ文学史協会は、CIAの外郭団体として世界各国の雑誌書籍の情報分析を行っている。協会職員は学者肌のCIA分析官で構成されていた。
ある日の白昼、アメリカ文学史協会は短機関銃で武装した男3人により襲撃され、協会職員は次々と射殺される。たまたま裏口から外出していたために命拾いをしたコードネーム“コンドル”ことジョセフ・ターナー(ロバート・レッドフォード)は、CIA本部に緊急連絡し保護を求める。
CIA次官のヒギンズ(クリフ・ロバートソン)からの指示で第17課長のウィクスという男に落ち合うことになったが、そのウィクスに銃撃を受ける。辛くも逃走したが、孤立状態となったコンドルは、偶然見かけた女性写真家キャサリン・ヘイル(フェイ・ダナウェイ)を拉致同然に巻き込み、独力で真相を暴こうとする。
CIAの暗部に近づこうとするコンドルに謎の殺し屋ジュベール(マックス・フォン・シドー)が忍び寄る。
[/box05]
ここで映画『コンドル』を3つのパーツに分解してみましょう。
『コンドル』
①前半は逃げながら追っ手の正体を探る
②真ん中で追っ手が見えてきて戦いを挑む
③悪者の正体がわかり後半は真相が明かされていく
どうです?本作の構想とそっくりじゃないですか?
『キャプテン・アメリカ/ウィンターソルジャー』
①ニック・フューリーが殺害され、キャップも追われる
②ドクター・ゾラによって敵が見えてくる
③アレクサンダー・ピアーズが黒幕だと明かされる
このようにかなり王道のスリラーを軸に作られていたんですね。
他にもフィーリーが病室で息を引き取った直後、自販機を見つめるシーンがありますが、あれは『フレンチ・コネクション』のオマージュです。
ジーン・ハックマンがバーでゴロツキの客たちを見ていると、カメラが彼の顔に迫り物語とは関係のない音が流れます。
それはハックマンが何かに気づき、歯車が回り始めた合図なのです。
本作ではそのテクニックを利用して、キャップの心理を描いているのです。
USBを見つめて「この厄介なものをどうしよう。」ってね。
『ヒート』を受け継ぐアクションシーン
本作はキャプテン・アメリカの能力を体現するために、できる限り実写での撮影を意識しています。
特にフューリーが窮地に立たされるシーンや、高速道路でのシーンは露骨に『ヒート』を意識して撮影されていますね。
さらにアンソニー&ジョー・ルッソ兄弟は、ブライアン・デ・パルマ監督からも強い影響を受けていると言います。
デ・パルマからは《皆が好きな登場人物を危機的な状況において、そこからいかに抜け出すか観客をハラハラさせる》という作家性を引き継いています。
『ミッション・イン・ポッシブル』のトム・クルーズが宙づりになる有名なシーンがそれに該当しますね。
本作ではどこのシーンがそれに該当するかというと、
①フューリーが謎の警官に襲われ窮地に立たされるシーン
②キャップがエレベーター内で襲われるシーン
が該当します。
アンソニー&ジョー・ルッソ兄弟は映画オタクであることを武器にし、巨匠たちからテクニックを盗むことによって名作を作り上げていったのです。
吸収していくスタイルが功を奏し、今後のMCU作品である『シビルウォー』『アベンジャーズ/インフィニティーウォー』『アベンジャーズ/エンドゲーム』を任されるようになったのでしょう。
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ここまで読んでいただき本当にありがとうございました!
読んでいただけた方が一人でもいたなら感謝感激です!
今回の音声解説はとってもボリューミーでめちゃくちゃ面白かったです!今回記事では伝えきれなかったことも沢山あるので、ぜひご自分で鑑賞してみてください!
次回は、みんな大好き!第10回『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』です!
まとめ記事はこちら
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