こんにちは!マンダロリアン になりたいオレンチです!
ついに日本でも、スターウォーズ初の実写ドラマ『マンダロリアン』の配信がスタートしました!
第1シーズンは全8話構成で、毎週金曜に1話づつ配信されていきます。(第2話は2020年1月3日配信予定)すでに第2シーズンの製作も決定しており、全てのスターウォーズファンは外せないシリーズとなっています。
『マンダロリアン』はアメリカの動画配信サービス『Disney+(ディズニープラス)』で11月から配信がスタートしていましたが、残念ながら日本で、『Disney+(ディズニープラス)』を視聴する方法がなく、お預け状態でした。
しかし、2019年12月26日より、ディズニージャパンが運営する動画配信サービス『ディズニーデラックス』から配信開始されています。
早速僕も、『ディズニーデラックス』へ加入し第1話を字幕・吹き替えで2回ほど鑑賞いたしました!
今回は『マンダロリアン 』第1シーズン第1話の感想を綴っていきたいと思います。
よろしければ最後までお付き合いください。
関連:徹底解説!スターウォーズ初の実写ドラマ、マンダロリアンとは?!
目次
待ち望んだ賞金稼ぎのスターウォーズ・ストーリー
『スターウォーズ』の実写ドラマ化企画は2009年の初頭にスタートし、50本以上の脚本が書かれていました。
その企画は、映画には登場しない、もしくはほんの一瞬登場しただけのキャラクターにフォーカスし、『スターウォーズ』のユニバース広げようというもので、中には超人気キャラクターであるボバ・フェットにフォーカスした脚本もあったそうです。
僕自身ボバ・フェットは大好きなキャラクターであり、賞金稼ぎの目から見た『スターウォーズ』が描かれることを大変心待ちにしていたんです。
しかし、その実写ドラマ化計画はあまりにも予算が高額になることが予想され、いつの間にか企画自体が中止されてしまいました。
そこでの『マンダロリアン 』です。
第1話で受けた印象を一言で語るのなら、待ち望んでいた《賞金稼ぎのスターウォーズ・ストーリー》が描かれていたということです。
氷の惑星で繰り広げられた最初のアクションポイントからここからグリーフ・カルガ(カール・ウェザース)が待つ賞金稼ぎギルドまでは、主人公の腕の良さや賞金稼ぎの性質とも言える冷血な性格がスピーディーかつ鮮明に描かれていました。
最初に《ファンボーイズ》の心をくすぐったのは、賞金首の運び方でしょう。
その運び方というのが、黒光りするモノリスのように固められた「カーボン冷凍」です。
「カーボン冷凍」はボバ・フェットがハン・ソロをジャバ・ザ・ハットの元へ運ぶために使った技術で、元は惑星ベスピンの産物であるガスを冷凍する技術です。(詳しくは『帝国の逆襲』をご覧ください。)
前述の通り元々「カーボン冷凍」はガスを冷凍する技術で、人間に利用したのはハン・ソロが初めてだったはず。
それ以来、賞金稼ぎたちの間では、賞金首を運ぶための技術として一般化したのでしょうか。だとしたらボバ・フェットはパイオニアですね。笑
さらに主人公のスターシップで登場した武器庫にボバ・フェットが愛用していたブラスターが保管されていたように見えたのですが僕の気のせいかな?
西部劇としてのスターウォーズ
サムライとガンマンが共存する遥か彼方の銀河系、それがスターウォーズの世界です。
サムライとは言わずもがなジェダイとシスから感じることができ、ハン・ソロやボバ・フェットからはガンマン─、つまり西部劇を感じ取ることができます。
『マンダロリアン』にはスターウォーズからガンマンの要素を抽出した、多くの西部劇的側面を見ることができます。
例えば、冒頭で氷の惑星の酒場に主人公が入っていくシーンは、ウエスタン・サルーンの扉から入ってくるガンマンの姿を想像することができ、荒野の惑星ではスピーダーなどテクノロジーを駆使したビークルではなく、馬のような生物(名前忘れた)を移動手段としたのも、西部劇=乗馬と解釈することができます。
そもそも荒野の惑星というロケーションも本作にとっては重要な要素ですね。
クライマックスの包囲戦は、まるで『明日に向かって撃て!』のラストシーンを見ているかのようでした。
帝国の崩壊から5年後
本ドラマは帝国の崩壊─、つまり『ジェダイの帰還』から5年後が舞台です。
そのことを彷彿させる仕掛けも随所に見られました。
簡単なところで言えば、グリーフと主人公が会話するシーンで「帝国のクレジット」が登場し、セリフによって帝国が崩壊していることを示されます。
さらに物語の発端となる裏の仕事を受注する場面では、まるで身を隠しているかのような雰囲気でストーム・トルーパーが登場していました。またこのストーム・トルーパーたちのアーマーはどこかくたびれていて、古さを印象つけていました。
身を隠しているにも関わらず、全身で帝国を語る真っ白のアーマーを身につけていたら元も子もないし、クライアントの胸には帝国のエンブレムがアホほど主張していましたが、あの頃のストーム・トルーパーが新たな物語で観れたので良しとしましょう笑
「衣・食・住」がSFの世界を広げる
またクライアントの隠れ家に向かうまでのシーケンスで描かれていた銀河の日常にも注目したいです。
主人公は人々が行き交う市場を抜け、人気の少ない裏路地へとどんどん進んでいきます。
この市場や裏路地では、『新たなる希望』で描かれたような人々の生活が垣間見えます。
特に食文化を描いたのは大きなポイントです。
SF作品における信憑性を表す要素は、「衣・食・住」だと僕は考えます。
多くのSF作品の場合、「衣」と「住」は必然的に描かれますが、「食」にフォーカスした作品は少ないです。
「食」にこだわった作品を一つ上げるのならばライアン・クーグラー監督による『ブラックパンサー』です。
『ブラックパンサー』ではワカンダの市場を描く際、彼らの食文化を徹底的にこだわったそうです。
「衣・食・住」をユニークに描くことで、SF作品は素晴らしいほど広がりを見せます。
「正史<カノン>」の『スターウォーズ』においても、ブルーミルクなどは有名ですよね。
さらに『マンダロリアン』で提示された「食」はこれまた《ファンボーイズ》を心をくすぐる内容でした。その詳細については後述します。
主人公の秘密
さて主人公が呼ばれている「マンダロリアン 」とは一体何者なんでしょうか。
詳しくは以下の記事をご覧いただきたいのですが、簡単に説明するとかつて銀河中で恐れられた惑星マンダロアに居住する戦闘民族です。
第1話の前半では、賞金稼ぎとしての一面を描いていましたが、中盤では戦闘民族「マンダロリアン 」としての一面もスピーディーに演出しています。
クライアントから前金としてベスカー金属(マンダロリアン のアーマーに利用する金属)が支払われ、主人公はマンダロリアンのアジトへと向かいます。
よく目をこらすと主人公と同じようにT字型のバイザーヘルメットを着用した人物が暗がりに何名もいます。
じゃれ合う子供達もまた同じようにヘルメットを被っており、「マンダロリアン 」の文化が垣間見えますよね。
ここで一つ、サスペンス的要素が付け加えられます。
というのは、女性のマンダロリアン との会話の中で主人公が口にする「俺も孤児だった」という一言。
その一言ともに過去の出来事がフラッシュバックされ、辛い過去を経験していることが見て取れます。物語の時代や主人公の立ち振る舞い(ヘルメットを脱がないので年齢不詳)から推測するに、主人公はボバ・フェットと同年代くらいではないかと思われます。
つまり、幼少期クローン戦争や帝国による暗黒の時代を経験している可能性は大いにあるかと思われます。
クローン戦争時代、マンダロリアンは激しい内戦を繰り広げており、その内戦や帝国と主人公の幼少期は大いに関係があるのではないでしょうか。
さらにこの会話の中でも、民族や印といったマンダロリアン の文化が垣間見えました。
賞金稼ぎで抽出したスターウォーズ
「正史<カノン>」を描いた映画9作、スピンオフ映画2作、ドラマ多数とスターウォーズは膨大なシリーズなわけですが、ここまで大きくなると欠かせないのは《ファンボーイズ》の心を踊らせるオマージュの数々です。
本作『マンダロリアン』も例外なくオマージュに溢れているのですが、その抽出が賞金稼ぎ─、とりわけボバ・フェットを思い起こさせるオマージュに溢れているんです。
その一つとして挙げられるのが前述した「カーボン冷凍」です。
さらに、クライアントの隠れ家で門番を務めるドロイドは『ジェダイの帰還』に登場したジャバの宮殿に設置されているものと同じもの(ちなみに『トイ・ストーリー2』にもオマージュされています。)
食文化を表した丸焼きにされていた生物は、ジャバのペットで鑑賞者をイラつかせた、コワキアン・モンキー=リザードです。
また、マンダロリアン のアジトでは鍛冶場のすぐ上にボバ・フェットの装甲服の左肩に刻印されていたマンダロア兵団のエンブレム「ジェングの頭骨」が飾られていました。
さらに語らなければならないのが、賞金稼ぎドロイドのIG-11です。(ちなみにスーツアクターは『マイティー・ソー/バトルロイヤル』の監督、タイカ・ワイティティです。)
『帝国の逆襲』の後半、ベスピンで同系のIG-88がスクラップにされていましたが、実写化でその性能を見れる日がやってくるとは思っても観ませんでした。
しかもマンダロリアン と共闘することになるなんて。笑
賞金稼ぎとは離れますが、クライマックスのドアの破り方も『ジェダイの帰還』で帝国のシールド基地へ潜入した方法と一緒ですねw
スターウォーズにおいて開かないドアは撃ち破れば良いのです!笑
スターウォーズの広さ
スターウォーズの銀河をより味わい深く思わせる要素とはなんでしょう。
そこには多くの要素が絡んでいますが、その一つが常識かのように飛び交う専門用語にあるでしょう。
『新たなる希望』ではパーセク(厳密には現実世界にある単位)やハイパースペース、惑星タトウィーンでは水分農場が産業─、だという風に我々が現実世界で生活している中では口にすることはもちろん、耳にすることもないような用語がさも当然かのように飛び交いました。
しかしそのいずれも科学的知識を要するものではなく、会話から連想するに現実世界の何かと結びつきやすい点が、鑑賞者の想像力を掻き立て、スターウォーズの銀河を広く味わい深いものにしてくれていました。
その点『マンダロリアン』についても全く同じことが言えると思います。
フォーカスされているのは、いずれも賞金稼ぎにまつわる単語ばかりですが、主人公やその他登場人物からなんとなく理解できるようなものばかりだったかと思います。
こういった細かい配慮が、「今僕は別の銀河の世界を目の当たりにしている」という印象に結びつけ、SF世界に入り込む高揚感を手助けしてくれているのだと思います。
名もなきヒーローたち
世界の広さ、という意味では本作の主人公が「正史<カノン>」においては何者でもないことにも注目したいです。
『ローグ・ワン/スターウォーズ・ストーリー』がそうだったように、『スターウォーズ』という広大なフィールドに必要なスピンオフ作品というのは「あの人の過去」や「あの人のその後」では無く、何者でもない─、名もなきヒーローたちなのではないでしょうか。
名もなきヒーローたちを描き続けることによって、スターウォーズの世界は無限大の広がりを見せてくれるのではと思いました。
今後の展開
さて最後は今後の展開で気になる点を綴って行きたいと思います。
兎にも角にも気になるのは、ベビーヨーダの存在ですね。ベビーヨーダがマンダロリアンとどのような絡みを見せてくれるのか非常に興味深いです。
さらに主人公の過去も徐々に明かされていくことでしょう。
物語の本筋とは少しずれて気になったのは、肩当てを第1話で装備したことです。
装備した後のショットでは、《ヒッチコックの法則》のような捉え方で肩当てが映し出されていました。これは一体何を意味しているのでしょうか。
第一話の主人公がジェットパックを装備していないことから1話づつ装備が増えていくようなシステムになったら面白いですね笑
ヒッチコックの法則とは、超クローズアップで被写体を捉えることで、その被写体が今後の展開において重要な役割を担うことを示唆するショットのこと
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