チェ。オレンチです。
嫁ちゃんとの会合の結果、平日の晩はドラマ、土日祝の晩は映画ということになりました。
僕は朝5時おきで毎朝映画中です。
どうでもいいよね。
というわけで今回は『ザ ・リング2』(05)の感想に行ってみようと思います。
感想・解説・考察
●幽霊からモンスターに
ちなみに今回はこき下ろしていきます。なんじゃこりゃ。
ビデオをダビングすることで難を逃れてから3年、早くも続編が登場です。
前作『ザ・リング』(02)はオリジナルを踏襲したような作りだったが、今回はハリウッドオリジナルストーリーということで、監督はオリジナルの1作目と2作目を手掛けた中田秀夫監督。なんぼリング作るんじゃ。
何やら早いところヤりたい様子の男子高校生が、両親が不在の自宅へ女子を連れ込みに成功。すると2分しかないホラー映画を一人で観ろと女子にせがむ。
ヤりたいのではなく、殺りたいのでした。
女子はホラー映画に臆してフルブラインドを決めたもんで男子の目論見は無事失敗するわけなのですが、呪いのビデオってこんなルールだったっけ?
だとしたらナオミ・ワッツが生き延びた理由は元旦那にビデオを見せたからであって、ダビング関係ないやん。(ダビングって死語かな?)
完全に不幸の手紙化しております。
というわけで思いっきりルールが破綻してるんですよね。呪いがルールを守ってくれないと最早人間にはなす術がありません。
ちなみにここで登場した女子高生エミリーは後にキャプテン・アメリカとロマンスを育むことになるペギー・カーターの娘、シャロン・カーターを演じたエミリー・ヴァンキャンプ。
主人公のナオミ・ワッツはというと、呪いのビデオによる忌まわしい事件がきっかけで息子エイダンと浜辺の街に引っ越し地元の新聞社で働くことになるのですが、着任早々、さっきの男子高校生の事件を担当することに。あまりにも状況が似ていたため、真相を確かめるため男子高校生のしたい袋を開けると、サマラが現れ・・・。
「見つけた。」とな。
ついにビデオも関係なくなってきました。
サマラが呪いと言うしがらみから解放され、私欲のためナオミ・ワッツを狙うとなると、幽霊というよりサメやエイリアンなど知能指数が低く無差別に人肉を食い漁るモンスターに近い存在になってしまったなぁと思うんです。
幽霊が無差別となると、視聴者にとっては他人事感が濃くなり恐怖は薄まって行く気がします。
あまつさえサマラの狙いはレイチェル・ケラー(ナオミ・ワッツ)という個人に執着しているのでこの時点で視聴者は完全に他人事ですね。
●人を殺して決めセリフ!
ケラー家族を発見したサマラは息子エイダンに乗り移る作戦を決め込み無事成就。
息子の体温はどんどん下がっていき(32度て!)息子の前にもサマラが現れたもんだから、レイチェルは同僚で社長のマックス(サイモン・ベイカー)の元へ。
サイモン・ベイカー出てたんですね。
『L.A.コンフィデンシャル』(97)でカマを掘られれた挙句、絶命する不運な俳優役で鮮烈なデビューを飾り、8年の時を経てサマラによって鮮烈な死顔を披露してくれました。
ちなみに同年の『ランド・オブ・ザ ・デッド』(05)では屈強な2丁拳銃の戦士を演じ、ゾンビをバッタバタとぶち殺し、ようやく俳優人生にも日の目が。3年後には『メンタリスト』(08~15)に主演で出演!よかったね!
息子をサマラだと錯覚しバスタブの底へ沈めようとしたことがきっかけで虐待を疑われてしまい、息子は入院を余儀なくされますが中身はサマラ。
超能力で人間を操り自殺に追い込みます。リングのアイコンであるビデオは最早影も形もありません。
(中略)
ついにサマラを息子エイダンの体から追い出したレイチェルはサマラの狙いが自分だということを悟り、自らテレビの中に。
散々ビデオもテレビも無視してきたのに、事ここに至ってテレビから迫ってくるんだもんな。「やっぱサマラひいては貞子、リングといえばこうでしょ!」という演出という名の屍だよ。
テレビの世界にひきづり込まれたレイチェルは一瞬にして井戸の底へ。井戸の蓋を閉めれば全てが終わると悟ったレイチェルは井戸をよじ登ることに。
と、ここでサマラも負けじと井戸を登ってくるのですが、ここでのサマラがめちゃくちゃ良いです。
登るの早いし、登り方がクソキモいしで嫌悪感がMAX。死ぬ気で逃げたくなる。生身の人間に特殊メイクをすることで挑み、井戸のセットを横することでよじ登るスピードを演出。1作目でムカついた電子っぽさを表すビリビリ演出もありません。
強いていうのであれば、もっと主観っぽくこっちに迫ってくるような映像だと視聴者も危機迫る映像になったと思うんだな。
サマラとのクライミングバトルに勝利したレイチェルは「ママーーーー!」と叫ぶサマラへ、「てめーのママじゃねー!このクソやろう!」と捨て台詞を吐いて無事サマラを封印。完全にアーノルド・シュワルツェネッガーの影が見えました。
アーノルド・シュワルツェネッガーといえばアクション映画やモンスター映画に「人を殺して捨てセリフ」という《結末のカタルシス》を生んできた俳優です。
要するに本作はモンスター映画だということを確信しました。