- 倦怠期のカップルが摩訶不思議なミュージカルの世界に迷い込み、現実世界に帰れなくなってしまうコメディドラマ!
- 誰もが一度は思ったことがある「なぜ急に歌い出すのか」問題を思い切ってコメディに!
- 前時代的でステレオタイプな価値観(異性愛主義や男尊女卑)に言及している点にも注目!
オススメ度 |
公開日 | 2021年 |
制作国 | アメリカ |
エピソード数 | 12話(2シーズン) |
1話平均 | 30分 |
ジャンル | ミュージカル コメディ |
『シュミガドーン!』はAppleTV+オリジナルで配信されているミュージカル&コメディなドラマ作品。
倦怠期のカップルが、カップルセラピーのためハイキングをしている途中、摩訶不思議なミュージカルの世界に迷い込み、本当に愛する人同士じゃないと元の世界に帰れなくなってしまいます。倦怠期ということもあってか当然二人は元の世界に戻れず・・。
物語の類型としては『不思議の国のアリス』や『オズの魔法使い』のような異郷訪問譚で、「現実世界に帰りたくても帰れない」「現実世界に帰ることが目的」という要素を持つことから前述した2作と原型は同じですね。(異郷訪問譚には『ハリー・ポッター』のように自由に行き来できる形式もあります)
そんな類型を持つ本作ですが、最大の特徴が迷い込んだ不思議の国(街)がミュージカルの世界だったということ。誰もが一度は思ったことがある「なぜ急に歌い出すのか」問題を思い切ってコメディにした作品です。
シュミガドーンの住人にとって歌うことは言語の一部なので誰も違和感を感じることはありません。しかし現実世界から来た二人にとっては違和感しかなく、どこからともなく流れてくる音楽にさえ「また歌が始まるの?」と突っ込んでくれていますw
シーズン1ではタイトルのフォントや、本編のセット、照明の使い方などからも伝わってきますが、1950年代〜1960年代のミュージカル映画がモチーフになっており、『サウンド・オブ・ミュージック』や『雨に唄えば』など、名作として語り継がれているミュージカル映画に言及しているシーンが多数あります。
私があまりミュージカル映画に明るくなく、詳細な解説できずに心苦しいのですが1950年代〜1960年代あたりのディケードのミュージカルが好きな人にはぜひお勧めしたいですね。
基本的にはコメディな『シュミガドーン!』ですが、前時代的でステレオタイプな価値観(異性愛主義や男尊女卑)に言及している点は現代のドラマっぽさを感じます。
本作を観て初めて知ったのですが、ミュージカルにおける夢のシーンや象徴的なシーンにはバレエが使われることが多いらしく、そんなバレエシーンのことを”ドリーム・バレエ”と呼ぶみたいですね。ミュージカルにおいて歌って踊るシーンがそもそも象徴的なので、そんなミュージカル作品の中でさらに象徴的に見せたかった先人たちの知恵なのでしょうか。
ドリーム・バレエで僕は真っ先に『雨に唄えば』が思い浮かびました。ジーン・ケリーのバレエシーンがすげぇのなんの。
ちなみにミュージカル映画における「なぜ急に歌い出すのか」問題については今となっては暗黙の了解にみたいになっていますが、実はミュージカル黎明期からずっとみんなが感じていたことだったみたいですよ。
というわけで『シュミガドーン!』、気になる方は是非ご鑑賞ください。
配信状況は上記の通り。『シュミガドーン!』はAppleTV+が独占配信している作品なので、AppleTV+でのみ鑑賞することが可能です。全話見放題で配信しているので、お試し期間中に解約すれば無料で全話見ることも可能です。
AppleTV+は全てオリジナル作品を展開している配信サービス。見渡す限りオリジナル作品で、配信オリジナルが好きな人にとって金脈のような配信サービスです。
どのドラマや映画もハリウッドで一度は見たことがある俳優が出演しており、スティーブン・スピルバーグなどの有名監督も参加しています。ここでしか見れないような掘り出し物を探している人にとって非常にお勧めな動画配信サービスとなっています。
結論『シュミガドーン!』を観たい人はAppleTV+一択です!