オレンチ
はじめまして。オレンチと申します。
今回はお話しする映画は、NETFLIXで配信されているオリジナル映画『ポイント・ブランク -この愛のために撃て-』です。
本作はフランス映画『この愛のために撃て』のリメイク作品。恥ずかしながらオリジナルは未鑑賞での鑑賞です。
メガホンを取るのは個人的に初見なジョー・リンチ。主演はともにMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)で共演経験ありのフランク・グリロとアンソニー・マッキーです。
さらにアンソニー・マッキー演じるポール・ブッカーの奥さん役に『ワンダヴィジョン』でモニカ・ランボーを演じたてヨナ・パリスも出演しています。
というわけで以下目次より早速行ってみよう!
この記事はネタバレを含みます。未鑑賞の方はご注意ください。
『ポイント・ブランク -この愛のために撃て-』のネタバレ感想・解説・考察
【盾】の活躍、弱め
本作はハードボイルドなアウトローとしてのフランク・グリロと、裏社会とはなんの縁もない看護師としてのアンソニー・マッキーによる、いわゆるバディアクションです。
本作の設定上、裏社会に精通し戦闘経験が豊富な【矛】としてのフランク・グリロ、裏社会とは縁がなく怪我をしたグリロを補う【盾】としてのアンソニー・マッキーがという関係が成り立つのですが、全体を通してみてみると【盾】の活躍が若干弱い気がします。
オレンチ
そもそもアンソニー・マッキーの上腕二頭筋を見るとグリロと対等に戦えそうに見えてならないですよねw
【盾】つまり本作においては医療のスキルが役に立つのは、第一幕でグリロを覚醒させ物語の中心に引き戻す時くらいです。第一幕は物語の設定の役割を持っており、つまり本題への準備を行なっている段階です。
第二幕から本題へと移り、主人公たちは様々な障壁を乗り越えていくこととなるのですが、この第二幕ではカーチェイスや殴り合いといったように、役に立つのはほとんどがグリロのスキルなんですよ。
マッキーはただグリロについて回るだけで、妻を救いたいという能動的な行動原理があるにもかかわらず、実際の行動はかなり受動的となってしまっていました。
おそらく第二幕の中に医療のスキルでなければ絶対に乗り越えれない障壁が1つでも用意されていれば、二人のバディ感はより堅牢なものになり魅力的なものになっていたのではないでしょうか。
80’sのバディアクションを偲ぶ映画
さて本作は2019年に公開(配信)された作品ですが、劇伴に耳を傾けて見るといずれも80’sにヒットしたものばかりとなっています。
80年代といえばバディクションムービーの礎となった『48時間』が公開されたディケード。
『48時間』はエディ・マーフィとニック・ノルティによる異人種間のバディアクション。
『48時間』の後バディアクションは『リーサル・ウェポン』へと継承され、90年代には『MIB』や『ラッシュ・アワー』、2000年代には『ショウタイム』や『アイ・スパイ』など次々とバディアクションが生産されました。
今やアクション映画の一大サブジャンルとして確固たる地位を築いているバディアクションですが、80年代の『48時間』や『リーサル・ウェポン』がなければ、ここまで広がることはなかったかもしれません。
またこれらの作品に共通することのひとつとして、バディは異人種間という点もあります。
オレンチ
故に本作も白人のグリロと黒人のマッキーという組み合わせになっているんですね。
第三幕に登場する助っ人、ビッグDの好きな映画が『L.A.大捜査線』の公開年が1985年であることからも80年代を意識しているということは間違い無いでしょう。