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【解説】『狙われた学園』ネタバレ感想・伏線・考察|ショットの情報量過多

オレンチ

はじめまして!オレンチと申します!

今回は大林宣彦監督作品から『狙われた学園』について書いていこうと思います。

早速ですが、以下目次からどうぞ!

『狙われた学園』の基本情報

  • 1981年/日本
  • 大林宣彦監督
  • 薬師丸ひろ子

あらすじ

第一学園の三田村由香は、最近、自分が念じるとそのとおりになることに気付き始めていた。ある日、由香たちのクラスに高見沢みちるが転校してくる。みちるは不思議な力で学園を支配するようになり、由香だけはみちるが超能力を宿していることを感知する。

(U-NEXTより)

ネタバレ感想・解説・考察

画面の情報量多目

本作はセーラー服で機関銃に快感を覚える直前の薬師丸ひろ子が、超能力を用いて地球外(金星)からやってきた超能力者から地球を救うファンタスティック超能力バトル映画である。

 

超能力バトルとは言ったのもの、中盤をすぎるまで超能力については匂わすくらいで、高校青春モノに近い。

特別大きな変化もなく、薬師丸ひろ子が、想いをよせる高柳良一の部活を応援したり家庭教師をしたりしている。

それでも画面に惹きつける力があるのだが、その理由は各ショットの情報量の多さが一役買っていると言える。

例えば高柳良一の部屋へ初めて薬師丸ひろ子が訪れるシーンでは、高柳良一がワインボトルをラッパ飲みしているし、

高柳良一が自宅のベランダから脱出するシーンでは、隣のジジイが飼っているチンパンジーと共に一部始終を見ているし、ベランダにはフンドシが干されている。

 

とある学園シーンではミュージカル映画に迷い込んだのかと思うほど、各部活の情報量が半端じゃ無い。

帰宅シーンではフェンシングの格好で帰宅しようとしているやつがいるが、本当にその格好で帰るのか気になって仕方がない。

正気?

 

薬師丸ひろ子の部屋には、大林宣彦監督作品をセルフオマージュするアイテムが目白押しで、パッと見で確認できる限り、『ハウス』のポスターと『金田一耕助の冒険』のポスター。『ハウス』でオバチャマを演じた南田洋子(メイクが『ハウス』そのまま)の写真が飾られている。

 

ちなみにラッパ飲みしていたワインボトルの中身は婆ちゃんが沸かした麦茶だった。よかった。

 

大林監督の反戦イズム

メインを飾る登場人物は、

  • 超能力を開花する、三田村由香(演:薬師丸ひろ子)
  • 由香の同級生で剣道部の関耕児(演:高柳良一)
  • 転校してくる謎の少女、高見沢みちる(演:長谷川真砂美)
  • ガリ勉、有川正一(演:手塚真)

謎の少女、高見沢みちるを演じた長谷川真砂美がなかなかの美女なのだが、80年代を最後に芸能界から退いているようで、ちょっと残念。

 

物語はみちるが転校してきたあたりを境に急展開を見せ始め、生徒会長に就任したみちるがパトロール委員を結成したことから学園が独裁国家のように成り下がる。

『機動戦士ガンダム』のジオン軍みたいな征服が妙に目につくが、このパトロール委員には大林監督が繰り返し主張する反戦イズムが、割とはっきりと反映されている。

 

パトロール委員に告げ口し、それを取り締まるパトロール委員の構図はナチスドイツの秘密警察ゲシュタポを彷彿させる。

ちなみにパトロール委員の”やりすぎ”をイメージさせる生徒たちを取り締まるモンタージュシーンがあるが、タバコの件は取り締まられて然るべきじゃないか。

というか白昼堂々と征服をきながら公園のど真ん中でタバコを吸える高校生もなかなかヤバイ。

 

みちるが怪しいと踏んだ関耕児は、木刀片手に尾行を開始するが、流石にゲタは無いと思う。

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