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『グリース』ネタバレ感想・解説・考察|70年代ではなく、50年代なのだ

どうも。オレンチです。

私事ですが、先日「ゲームオブスローンズ コンプリート・コレクション」という定価80,000円財布には激アツな買い物をしまして、50,000円くらいで購入できたのでまあまあいい買い物をしたと思っているんですよ。

各シーズンのBOXも出るたびに買ってたんですけど、1章〜4章までは5.1chだったのに対し、コンプリート・コレクションの場合、全話ドルビーアトモスで収録されているんすよ。

誰かにこの喜びが伝わるだろうか。

ちなみに買ったからには見ないわけには行かず、今日から俺は『ゲーム・オブ・スローンズ』の旅に出ます。

と言うわけで今回は『グリース』の感想行ってみます。

感想・解説・考察

●歌とダンスとトラボルタとオリビアと

グリース』(78)は1971年に高校生達の青春を描いたミュージカル『グリース』を原作に映画化した学園ミュージカル映画です。

1978年の公開なのだが時代設定は1950年代なので、実は公開時からさらに20~30年というなんとも中途半端な開きがある。

故に冒頭のトラボルタは『理由なき反抗』(55)のジェームズ・ディーン風の衣装を着ていたりと、2020年を生きる我々にとって1970年代のトレンドも1950年代トレンドも違いが分からないので、今となっては若干ややこしい作品でもある。

今後初鑑賞する人や再鑑賞する方に至っては「これは50年代なんや」と頭の片隅に入れてご鑑賞いただきたい。

ちなみにトラボルタはミュージカル版の『グリース』にも「T・バーズ」の脇役で出演しており、本作はダニー役に大出世した形です。

そもそもトラボルタは『サタデー・ナイト・フィーバー』(77)や『グリース』(78)によって地位を獲得した俳優なので、彼のキャリアには『パルプ・フィクション』(94)や『ヘアスプレー』(07)のように歌とダンスが取り巻いております。

ちなみにニコラス・ケイジと顔を交換して悪役に挑んだ『フェイス/オフ』(97)も、ジョン・ウー監督の趣味がダンスだったことから、アクションシーンはダンスからヒントを得ており、れっきとしたダンス映画であります。

とにかく歌とダンスがキレッキレなトラボルタだが、とりわけラストに歌って踊る「愛のデュエット」は他と一線を画していますね。

なんつっても高域がすげぇのなんの。

約30年後に『ヘアスプレー』(07)で極太母さん役やり抜いた能力にも頷ける。

実は「愛のデュエット」シーンはトラボルタの旅行を中止させてまでして何度か取り直したシーンらしく、あの高域は怒りの高域なのかもしれない。

そんなトラボルタとデュエットするのは当時「恋人にしたい女性No1」に輝いたオリビア・ニュートン=ジョンで、もれずにトラボルタ「恋人にしたい女性No1だなぁ」と思っていたらしく、共演を熱望したそうな。

オリビア・ニュートン=ジョンはオーストラリアの俳優であるのに対し、原作のサンディはガチガチのアメリカ人だったがため、出演を渋ったのだが、サンディをオーストラリア人に改変することで問題は万事解決。思いっきりの良さが素晴らしい。

しかしまぁ「恋人にしたい女性No1」の称号は伊達じゃなく、フィルム越しに見る彼女はどの角度でも可愛いのなんの。

トラボルタが低めのハードルにつまずいたがため、心配したオリビアが駆け寄るも、意地で無視していたトラボルタだったが、まんまとオリビアの罠にハマり返事をしたトラボルタを見て、「やっと話してくれた!」と喜ぶオリビアの姿に完全に射抜かれてしまいました。

ブルーレイの特典で1998年の彼女を─、つまり本作から20年後の彼女の姿を拝見しましたが、変わらずお美しゅうございました。

今回を機会にフィルモグラフィを調べたが、どうやら『シャークネード5 ワールド・タイフーン』(17)に出演しているらしい。

先日『シャークネード』シリーズ6部作を1つにまとめた「シャークネード 完全震撼ブルブルBlu-rayBOX」を購入したばかりなので、待っててオリビア様。

とまぁそんな二人のキレッキレダンスと歌でエンディングに向かうので、心はギュッと鷲掴みされなんとも言えない幸福感で幕は下ろされる。

このおわり方ずるいなぁ。

見返したくなるわぁ。

●大人の階段を登る

物語はというと、高校生というまだ子供らしさが残る登場人物達は、プライドとは名ばかりの見栄のために、お互いの恋愛がうまくいかない。

そんな見えのため、ダニー(トラボルタ)はあらゆる部活に入部するが、バスケットボール部パートでトラボルタに殴られている青年は『ターミネーター』(84)や『エイリアン2』(86)で名を馳せることになるマイケル・ビーンである。

さらに、この中には『エバー・アフター』(98)、『アンナと王様』(99)、『メラニーは行く!』(02)などで名が知られることになるアンディ・テナント監督も混ざっている。

そんなこんなで彼らは高校の卒業と共に大人に近づき、ダニーはサンディに合わせることで。サンディはダニーに合わせることで結ばれることになる。

つまりラストでダニーサンディが相手のファッションに合わせることは、成長の可視化なのかなと。

とりわけサンディがイメチェンして現れたシーンは誰しもが忘れがたいことでしょう。

忘れがたい理由としては、まず徹底的にラストに至るまでのファッションで、オリビア・ニュートン=ジョンのスタイルを隠した点が挙げられる。

サンディは常にゆったりとしてヒラヒラとした洋服でそのベールを隠していた。

そこから180度方向転換した「恋人にしたい女性No1」のイメージチェンジなのだから、インパクトがない訳が無い。

加えて劇中通して語られる葛藤の答えがイメチェンの中に内包されているがため、忘れがたいショットになっているのかなと思う。

スタッフ

  • 監督:ランダル・クレイザー
  • 制作:ロバート・スティグウッド
  • 脚本:ブロント・ウッダード、アラン・カー
  • 撮影:ビル・バトラー
  • 編集:ジョン・F・バーネット
  • 音楽:バリー・ギブ

キャスト

  • ダニー:ジョン・トラボルタ
  • サンディ:オリビア・ニュートン=ジョン
  • リッゾ:ストッカード・チャニング
  • ケニッキー:ジェフ・コナウェイ
  • ドゥーディ:バリー・パール
  • ソニー:マイケル・トゥッチ
  • パッツィー:ケリー・ワード
  • フレンチ:ディディ・コン
  • ジャン:ジェイミー・ドネリー
  • マーティ:ダイナ・マノフ
  • マッギー校長:イヴ・アーデン
  • ティーン・エンジェル:フランキー・アヴァロン
  • ヴィー:ジョーン・ブロンデル
  • ヴィンス:エド・バーンズ
  • コーチ・カルホーン:シド・シーザー

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