みなさんこんにちは!オレンチ です!
今回は2019年5月31日に公開を控えた『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』の前々作に当たる『GODZILLA ゴジラ』(2014)についてのお話です。
単刀直入に言うと僕的には「非常に物足りない作品」でした。
なぜ物足りないのか。
ズバリそれは、
《ゴジラ》の《怪獣映画》ではなく、《ムートー》の《モキュメンタリー映画》
だったからです。
それではその意味を一つづつ解説していきます。
三幕構成について
当ブログでは映画をハリウッドの脚本術である、「三幕構成」に区切って解説していきます。
参考までに、僕が区切った三幕構成を乗せて起きます。
第一幕
内容:オープニングからムートーの出現まで
第二幕
内容:ムートーの出現からゴジラがサンフランシスコに上陸するまで
第三幕
内容:ゴジラがサンフランシスコに上陸からエンディングまで
物語の中心にいるのはゴジラではなくムートー
ではまずは《ゴジラ》のではなく《ムートー》のという部分から説明していきます。
本作の冒頭のフィリピンで巨大生物の化石(ゴジラの化石)を見せつけ、かなりインパクトを与えていますが、この化石はただのシチュエーションなだけであり、登場人物の目的になっているのはムートーの卵です。
後々明らかになりますが、その後フィリピンの地を荒らし、日本の原子力発電所を壊滅させたのもムートーです。
15年もの間、進入禁止区間で研究され続けていたのもムートーですし、出現後に軍隊が追うのも基本的にはムートーです。
このように物語の主軸には常にムートーの存在があるのです。
肝心のゴジラはと言うと大きく掘り下げられることもなく、ムートーの出現に合わせたまたま現れたように描かれていました。
つまり、実際のところゴジラは脇役のような扱いになっているのです。
タイトルが『GODZILLA』なわけですから、この主軸のズレは大きな違和感になっているかと思います。
カメラマンの存在を意識した撮影
続いて《怪獣映画》ではなく《モキュメンタリー映画》という点について説明します。
よく本作は、
オレンチ
などと批判されています。
それもそのはずで、ギャレス監督を一躍有名にしたのが『モンスターズ/地球外生命体』という映画で、エイリアンを扱った映画にも関わらず、ほとんどそのエイリアンを登場させないという型破りな作品でハリウッドを唸らせた監督だからです。
『モンスターズ/地球外生命体』は革新的でとてもお勧めできる一本なので是非一度鑑賞してみてください。
ただし本作の場合、《見せない》のではなく《見えない》が正しい表現だと思います。
というものギャレス・エドワーズ監督が本作の撮影で最も意識したことは、カメラマンの存在です。
つまりどのシーンもそこにカメラマンが存在し、そのカメラマンが撮影していることを前提で編集されているのです。
この編集方法はギレルモ・デル・トロ監督の『パシフィック・リム』や、次作に当たるジョーダン・ボート=ロバーツ監督の『キングコング/ドクロ島の巨人』のような《怪獣映画》ではなく、
ギャレス監督自身の『モンスターズ/地球外生命体』や、J・J・エイブラムス監督の『クローバーフィールド/HAKAISHA』のような《モキュメンタリー映画》に近い編集方法になっています。
怪獣映画において、これが良いか悪いかといえば「悪い」と僕は思います。
当然すべての物語において、登場人物たちの葛藤や成長は必要不可欠なものですが、
怪獣映画に対して根底から期待するのは、怪獣がダイナミックに建築物を破壊する姿や、人知を超えた怪獣同士のバトルなのです。
これを観客に伝えるためには、普段見慣れているものをミクロに見せることが必要不可欠だと思います。
だから古くから特撮のミニチュア撮影が成功してきたのだと思います。
これはモキュメンタリー的手法では絶対に表せないと僕は思います。
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配信状況など詳しく知りたい方は以下の記事で情報を発信しています!
終わりに
以上が僕が本作を物足りなく感じた理由です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
この記事は、ブルーレイ版『GODZILLA』の特典映像を参考にしています。
興味のある方は是非一度ご鑑賞くださいませ。
本記事を読み終わったら次作であり前日譚の『キングコング:髑髏島の巨神』をどうぞ!