サスペンス

映画『ギルティ』─満足度100%の理由─(ネタバレ・感想・解説)

こんにちは!オレンチです!

最近ちょっと寝不足気味でして…。

そこに放り込んだのが『ギルティ』鑑賞です。

あらすじから察するに派手なシーンは皆無でしょうし、下手すりゃ登場人物だって一人の可能性もあるわけで、

「ね、寝そう…。」

と不安を抱えながら鑑賞してきました。

いやそもそも『ギルティ』チョイスしたの僕なんだけどね笑。

以下『ギルティ』のネタバレを含む感想・解説です。

感想・解説

はじめに僕は寝落ちしてしまったのか?

答えはNOです。寝てません。ていうか寝てたら流石にレビュー記事かきません笑。

なんで寝落ちしなかったかって、そりゃ本作が面白かったから!なんですが、

じゃあどんな部分が面白かったのか?

米レビューサイト、ロッテントマトの満足度が100%の理由とともに考えていきましょう。

想像力と感情移入

本作から得られる情報は、主人公アスガーの電話越しに得られる音声と、アスガーに話しかける同僚からのみで、絵的にはほぼアスガーのドアップです。

つまりドアップでおっさんの電話をひたすら聞いているお話です。

改めて文字に起こすとクソほどつまらなそうに見えますね笑。

これがただクレームを聞いているだけの、コールセンターのおっさんだったら本当につまらなかったでしょう。

がしかし『ギルティ』は違います。

緊急通報司令室のオペレーターということで、電話の相手は非常事態であってしかるべきなのです。

人間というのは非常な状況にほど興味を惹かれる生き物ですので、当然『ギルティ』の電話の向こう側にも興味を抱きます。

ここで与えられる情報というのが音声のみなので、興味が畳み掛けるかのように、向こう側の状況を想像するのです。

これって小説を読んでいるときの感覚と凄く似ているんですよ。

「小説(原作)の方が面白かった!」という意見をよく聞きますが、小説は自分でベストな世界観を想像しながら読むのでちょっと考えればそれは当たり前なんですよね。

映画化されることによって他者の想像力(監督などの制作陣)が混ざってしまうので、自分の想像したものと完全一致するかそれを超えてこない限り、原作の方が面白いに決まってるんです。

その点を踏まえて考えると、『ギルティ』は他者の想像力が必要最低限に抑えられているので、無駄に減点されることが無いのです。

これは満足度100%にかなり貢献していると思います。

 

また音声のみ、アスガーのアップというシチュエーションが何をもたらすかというと、圧倒的な感情移入です。

前述したとおり、電話の向こう側に興味を持って想像しているわけですから、必然的に電話の主に感情移入をしてしまうのです。

とりわけ誘拐されたイーベンには皆さんさぞかし感情移入したことでしょう。

もちろん僕もその一人で、イーベンや残されたマチルダが不憫でならなかったですし、誘拐犯の元旦那ミケルには強い強い憤りを感じました。

音声のみというシチュエーションを巧みに利用し、そこまで徹底的に感情移入させておいてからの豪快なちゃぶ台返しな訳ですよ。

そりゃ開いた口がしばらく塞がらないですよ笑。

 

さらに本作ではもう一人、強く感情移入してしまう人物がいます。

あなたは誰目線で、向こう側を想像していましたか?

もちろんアスガーです。

本作は徹底的にアスガーの主観でとらえる事によって彼にも深く感情移入できるように作られています。

その目的とは一体何か?

どうやらアスガーが緊急通報司令室に配属された、ある理由が関係してそうです。

未精算の罪という”殻”を破る男の物語

記者や同僚が「あの事件について」を伺ってきたり、明日は法廷に行く必要があったりと、何らかの事件によって、アスガーは緊急通報司令室に配属されてきました。

そして、”例の事件”関係のことを聞かれると決まって濁したり、機嫌が悪そうな顔をします。

これはアスガーに未精算の罪が残っていることを示しています。

ここでいう未精算の罪とは法的に処理されているとかそういった意味ではなく、アスガーの心の問題のことを言っています。

過去の罪のせいで子供から離されてしまった男。

罪と知らぬまま罪を犯してしまった女。

この二人の罪が引き起こした悲しい現実にアスガーは心を打たれ、自らの罪を告白することで未精算の罪を精算し、罪という名の殻を破るのです。

始まりと終わりで主人公が成長する映画は面白いと言われます。

どっぷりアスガーに感情移入をしている訳ですから、全てを吐露する姿は清々しく、見ていて気持ちがいいものです。

未精算の罪という殻を破ったことで、アスガーも大きく成長したと言えるのではないでしょうか。

誰に電話をかけたのか

映画のラストはアスガーの私用携帯から”誰か”に電話をかけるシーンで終わります。

皆さんは一体誰に電話をかけたと思いますか?

明日法廷に立つ相棒か、被害者の家族か、はたまた出て行った奥さんか。

ちなみに僕は奥さんだと思っています。

しきりに「奥さんによろしく」と言われたり、まだ指輪をアスガーがつけていることから奥さんへの未練が伺えるからです。

ただし、”誰に”かけたのか?というのはさほど重要なことではありません。

大切なのは、殻を破ったことを分かち合いたいというアスガーの気持ちです。

信頼の置ける相手。愛する誰か。それが誰かは結局想像することしかできませんが、アスガーが映画の始まりから成長していることが容易に伺える後ろ姿でした。

終わりに

さて、今回も最後まで読んでいただき本当にありがとうございました!

まじで寝落ち案件かな〜と思っていたんですが、想像をはるかに超える面白さでしたよ!

今後も文章力アップ、映画の観察力アップを目指して日々精進してまいりますので、よろしくお願いいたします!

それではまた!

 

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