オレンチ
はじめまして!オレンチと言います。
今回は人気漫画『賭博黙示録 カイジ』の映画化作品第2弾。『カイジ2 人生奪回ゲーム』について感想をぶちまけていこうと思います。
ちなみに『カイジ2 人生奪回ゲーム』はU-NEXTにて見放題で配信中!
今すぐ見たい人は以下の記事を参考にしてくださいね!
前作の『カイジ 人生逆転ゲーム』も見れますよ!見逃した方はぜひ!
さらに1月24日には地上波にて放送されるので要チェックです!
作品情報
タイトル:『カイジ 人生逆転ゲーム』
制作:2011年/日本
上映時間:133分
スタッフ
- 監督:佐藤東弥
- 原作:福本伸行
- 脚本:福本伸行、山崎淳也、大口幸子
- 撮影:藤石修
- 編集:日下部元孝
キャスト
- 伊藤カイジ:藤原竜也
- 一条聖也:伊勢谷友介
- 石田裕美:吉高由里子
- 利根川幸雄:香川照之
- 坂崎孝太郎:生瀬勝久
- 大槻太郎:松尾スズキ
- 村上保:柿澤勇人
- 石田光司:光石研
- 黒崎義裕:嶋田久作
- 船井譲次(奴隷):山本太郎
感想・解説
まずは誠に勝手ながら0.5刻みの5段階で僕の満足度を表すと・・・
[jinstar3.5 color=”#ffc32c” size=”50px”]オレンチ
3.5といった感じ!
前作『カイジ 人生逆転ゲーム』に比べるとかなり映画っぽくなったな!という印象でした。
ただやはり1作目で感じた説明セリフの嫌悪感は引き続き健在で、ところどころ「気持ち悪ぅ」と思うシーンがありました。
ただしひとつ自戒の念というか、今後は念頭に置いて鑑賞しなければならないなと思った点なのですが、洋画にこう言った説明セリフを感じないのは、洋画そのもののレベルが高いのか、はたまた僕が英語のリスニング能力が皆無なゆえ気付いてないだけなのか─。
二つにひとつなのですが、今まで意識していなかったがゆえ判断できず・・・。今後は洋画を見る時も同じような気持ち悪さを感じないか気をつけて鑑賞したいと思います!
《ツカミ》と《動機》
せっかく「Eゲーム」から生還したのにも関わらず、またもや借金が膨らんでしまい地下労働施設へと舞い戻っていたカイジ。
冒頭の地下労働施設では、原作漫画のチンチロ編をスピード解決し、そそくさと沼編のスタート地点へと足を進めます。
要するにチンチロ編を本作の《ツカミ》&《動機》として機能させているのですが、ナイス判断だったと思います。
《ツカミ》は読んで字のごとく、物語に興味を惹かせるための展開のこと。
要するに映画のスタートダッシュですね。
《動機》は1本の作品を通して解決すべき問題で、本作の場合は「地下労働施設の仲間達の借金を全部返す」という目的です。
1作目はこの《動機》がフワフワしていたんですよ。「限定ジャンケン」「ブレイブメン・ロード(鉄骨渡り)」に勝って、「その場をしのぐ」という《動機》は存在するのですが、1本の映画としてみたとき、全体を通した《動機》が見えづらいんです。
ゆえに「限定ジャンケン」「ブレイブメン・ロード(鉄骨渡り)」それぞれにクライマックスが存在し、『カイジ 人生逆転ゲーム』評ではドラマ的だと評してみました。
遠藤さんに作ってしまった借金を返すという《キッカケ》によってテイアイグループの闇に巻き込まれていきますが、結局あれよあれよと巻き込まれていくだけで、カイジの《動機》としては弱かったように思います。
その点「地下労働施設の仲間達の借金を全部返す」という《動機》をもった本作は、沼に挑むべき理由として非常に納得がいきますし、勝つために葛藤するカイジ達はよりドラマチックになります。
原作との違い
本作は原作漫画「欲望の沼編」をベースにした映画化作品であり、基本的には原作に沿って映画化されているのですが、僕の知る限り2点ほど原作とは大きな違いがあります。
原作の映画化に求めることは、模写することではないので、こういった違いは嬉しい限りですよね。
その一つ目が、利根川の再登場です。
しかもなんとカイジ側。『ワイルドスピード』シリーズのお家芸よろしく、「昨日の敵は今日の友的」な展開は見るものを熱くさせますよね。
しかも前作のクライマックスで心理戦と言う激戦を繰り広げた二人がタッグを組むという構図は、今後のやりとりに期待感を募らせます。
もうひとつの違いは、新ブレイブメン・ロードが登場すること。しかも登場までの流れが、軍資金のためだったので非常に自然でした。
さて利根川とのタッグが醸し出す期待感ですが、新ブレイブメン・ロードまでは良かったです。
「3択×心理戦」というゲームを登場時に仕込まれた「」という伏線によってクリアする仕掛けは「なるほど~」と感心しました。
ただですね、仲間になった後の利根川はカイジが種明かしをすれば合の手を送り、カイジがピンチに陥ればヤジを飛ばし、カイジにチャンスがやってくればエールを送る、生瀬勝久が演じる坂崎孝太郎とほぼ変わらないポジションになってしまっていたのが、残念に感じました。
カイジと利根川。二人のキレものが見せるアンサンブルをもっと味わいたかった気がします。
というか、カイジによる沼の攻略が始まった後は、「次に誰が金を積むか」しかほぼ展開がなく、劇伴とは反比例するようにテンションの失速感が半端じゃなかったです。
ただし、エンディングでの「Eカード」のくだりは面白かったなと思います。
物語の主たる問題が解決したあと(本作の場合、沼への勝利)ダラダラと長引く映画はあまり好みじゃないんですが、憎しみ合っていたはずの二人が、旧来の友人のごとくいちゃついてる姿はなかなか楽しい。
前作の悪役を、最後の最後でコメディリリーフとして転換させる試みも嫌いじゃありません。
やっぱり気持ち悪い《独り言》
前作『カイジ 人生逆転ゲーム』評でも言及しましたが、このシリーズはやっぱり説明セリフがとてつもなく気持ち悪いです・・・。
本作で言えば、良高由里子が演じる石田裕美はそこらじゅうで《独り言》をぺちゃくちゃぺちゃくちゃ喋ってましたよね。
「いったい何が起きているというの・・・・」なんて、一人で喋ってる奴きいたことねぇよ笑。
エンディングでも「ありがとう。カイジ」などど《独り言》をかまし、サブイボが発生しまくりでした。
だいたい冷静なテンションで独り言をいうやつはサイコパスで相場は決まっているので、普通の奴に普通のテンションで《独り言》を喋らせると、たちまち《説明セリフ》として認知されてしまうと思うんですよ。
それと比べると、伊勢谷友介の《独り言》は非常に良かったです。この手の悪役を演じる伊勢谷さんは上手いですね。
伊勢谷友介の《独り言》とはこうです。
沼が陥落する直前にこれまで手を汚してまで積み上げてきたものが、今まさに崩れ落ちようとしている─、正しかったはずの自分が負けようとしている現実を受け止めきれずにいる混乱から生じる《独り言》です。
要するに錯乱して自然としゃべってしまっているんですよ。
この錯乱している様子の演技が非常にうまく、《独り言》が発生しても何ら違和感を感じないです。
錯乱して独り言を吐いてしまう経験は多分誰にでもあるんじゃないでしょうか。(僕は昔、対戦ゲームでよく吠えてましたw)
あとがき
ここまで読んでいただきありがとうございました!
説明セリフ的な《独り言》は気持ち悪かったものの、全体的には非常に楽しめた作品でした。
特に生瀬勝久さんが非常に良いです。
監督とは仲間由紀恵さん主演の『ごくせん』からの繋がりだとは思いますが、同じく仲間由紀恵さん主演『トリック』のころから強烈な印象を残す俳優さんですよね。
《生瀬勝久が無視される笑い》が僕はたまらなく好きです。笑
『トリック』でもよくあったんですが、生瀬勝久が一生懸命喋っているのに、まるで空気かのようにに無視され、生瀬が突っ込みを入れるという流れが《生瀬勝久が無視される笑い》ですw
本作も利根川にしょっちゅう無視され、セルフで突っ込みを入れていましたねw
もし、今一度『カイジ2 人生奪回ゲーム』を見たくなったら、U-NEXTで無料で見れますのでぜひぜひご覧ください。
ちなみに前作の『カイジ 人生逆転ゲーム』も合わせて無料でみれますよっ!
それでは!