- 『ジョン・ウィック』シリーズの世界を大きく拡大させたアクション大作!
オススメ度 | (4/5) |
公開日 | 2016年 |
制作国 | アメリカ |
上映時間 | 122分 |
ジャンル | アクション 舐めてた相手が殺人マシン |
『ジョン・ウィック:チャプター2』は2016年に公開されたキアヌ・リーヴス主演のアクション映画。
監督は前作から引き続きチャド・スタエルスキがメガホンを取ります。
ただし前作はチャド・スタエルスキ&デヴィッド・リーチという共同監督作品でしたが、本作からデヴィッド・リーチは制作総指揮という立場を取り、チャド・スタエルスキとしては初の単独監督作となりました。
本作はシリーズの世界観を大きく広げ、よりグラフィックノベルのような裏社会を描いたことが大きな特徴です。
様々な要素がシリーズの拡大に貢献していますが、第一に誓印の存在が大きいです。誓印とは要するに「借り」と「貸し」の誓いを表すもので、ジョン・ウィックはかつての借りを返さなければならない立場にあります。
誓印の効果は絶大で裏社会のルールを象徴しており、ルールによって統率されている事実がグラフィックノベル感を引き出しているように感じます。
さらにコンチネンタルの上層の組織【主席連合】と、バワリー・キング(ローレンス・フィッシュバーン)が率いる組織を登場させたことで『ジョン・ウィック』シリーズが描く裏社会に奥行きを与えていますね。
第二にコモン演じるカシアンの存在も大きいです。カシアンは「引退しなかったジョン・ウィック」とチャド・スタエルスキが語っていることからも分かるように、シリーズで初めてジョン・ウィックと対等なスキルを持った人物。
コモンはこの役を演じるにあたり、キアヌが語る「ジョン・ウィック流」な超スパルタなトレーニングをこなしたそうです。
ジョン・ウィックとカシアンのバトルは拳銃を使ったものでありながら、まるで剣闘士の決闘のように作り込まれていてで、二人の拮抗するバトルにはとても見応えがあります。
さらにさっきまで殺し合いをしていた二人が、コンチネンタルホテルの中に入るや否や戦うことをやめ、バーのカウンターで一杯やるシーンがありますが、この流れは至極『ジョン・ウィック』的で、シリーズの世界観が詰まっており、『ジョン・ウィック』シリーズではないと成立しない素晴らしいシーンでした。
本作はセルジオ・レオーネから大きく影響を受けているそうで、マカロニ・ウエスタン味のある作品でもあります。マカロニ・ウエスタンと言えばイタリアですが、そんなこともあり本作のロケ地はローマが選ばれたのでしょうか。そんなローマのコンチネンタルホテルの支配人が『続・荒野の用心棒』のフランコ・ネロだから”粋”がつまっていますよね。
またアクションから少し視点を逸らすと、芸術的な側面もしっかりと細部まで作り込まれた作品なんです。
独特のネオンのライティングや色味はもちろんのこと、背景に掛けられた絵画が物語の展開を予見していたり、善人と殺し屋の二面性を表現するため、ジョン・ウィックがガラスや水たまりなどに映り込むカットが100以上撮影されていたりします。
冒頭で披露する柔道のシーンには水溜まりを用意することで、水飛沫を飛び散らせ、とても動きのあるショットを作ってたりもしました。
カラーグレーディングやライティングにもこだわりがあるようで、チャド・スタエルスキは『ジョン・ウィック』シリーズの色味について「カラヴァッジョの絵」と比喩しており、カラヴァッジョの絵は暗いトーンの中で影を使いこなし、描かれている人物の顔半分くらいに影がかかっていることが特徴的です。
カラヴァッジョの絵とジョン・ウィックの色味を比較してみるとまた面白いと思うので是非一度お試しください。
そんな点にもご注目して鑑賞するとより『ジョン・ウィック:チャプター2』を楽しむことができるかも。
ぜひこの機会にご鑑賞ください!
配信状況は上記の通り。『ジョン・ウィック:チャプター2』はU-NEXT、Amazonプライムビデオ、Hulu、NETFLIXにて見放題で配信されています。
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