『前作の精神を保ちたかったんだ。』
──スティーヴン・S・デナイト。
世界中の、特に日本の男子たちを熱狂させたあの『パシフィック・リム』の続編がついに!って感じですね~。
第一報はメイルストロームだったけか。
そこから監督はデル・トロ(前作の監督)じゃないと聞いてかなり不安になったりしましたが、第一報からボツになることが多い昨今にしては、思ったよりもかなり早く劇場公開まで進めた作品なんじゃないでしょうか?(ボツになることが多いというより、ネットが進んだ現代、それまで降りてこなかった情報が下々まで降りてきやすくなったってのが正解なんですが)
言わずもがな僕もまさに熱狂した男子の一人なわけですから、いろんな想いはあれど、やっぱりスゲー楽しみな作品なわけですよ。
主演は最近超ノッてるジョン・ボイエガですね。
おそらく「アタック・ザ・ブロック」をからの起用でしょう。
アンダーグラウンドに生きる様がとてもマッチしてましたね。
というわけで、早速自宅にて余す事なく鑑賞いたしました!!
この記事はブルーレイの特典および音声解説を参考にしています。
作品情報
パシフィック・リム:アップライジング
原題 :Pacific Rim: Uprising
上映時間:111分
製造年 :2018年
監督 :スティーブン・S・デナイト
上映時間は111分と超平均ラインですね。サクッと観れる感じでいい尺です。
監督はスティーブン・S・デナイト。うん。誰?な訳ですが、それもそのはず。長編初監督な訳で、そりゃ知らんわな。
TVドラマ界で活躍しているらしいですが、果てさて長編はどうなるか。
キャスト
ジョン・ボイエガ
スコット・イーストウッド
菊地凛子
スターウォーズで一躍時の人となったジョン・ボイエガと対照的にいまいち代表作が無いクリント・イーストウッドの息子であるスコット・イーストウッド。
なんでかなぁ〜顔は若い頃のクリント・イーストウッドと瓜二つなんですけどね。
ちなみにスターウォーズのジョン・ボイエがよりも、本作のジョン・ボイエに近い「アタック・ザ・ブロック」なんかオススメだったりします。
あらすじ
自らの命と引き換えに人類を救った英雄スタッカーを父に持つジェイクは、父とは別の道を歩んでいたが、KAIJUに復讐心を燃やす少女アマーラと出会ったことをきっかけに、義姉である森マコと再会。マコの説得により、一度は辞めたイェーガーのパイロットに復帰することになるが……。(以上、映画.comより)
感想
さて、ここからが感想ですが──
デナイト監督、こりゃダメだ。
前作の精神を保ちたかったとおっしゃいますが、前作の魂とは何か。
そりゃ”特撮感”でしょうよ!!
ある批評家が前作のことをこう言っています。(名前忘れた)
「この作品は地獄のような世界を、実在主義の皮肉な視点で描いたSFではない。どちらかというと詩の世界だ。怪獣とメカに対する愛の詩だ。怪獣映画やメカ映画への、尊敬を示そうとしている。それを見事に成功させた。この作品が嫌いな人は、予想を裏切られただけだ。素直に受け入れればきっと楽しめる。」
デル・トロ自身、この批評を「まさに僕が伝えたかったことだ!」と喜んでいたし、
ここでいう怪獣映画とは、円谷プロが作りだしてきた怪獣映画のことで、こういった特撮映画に対するリスペクトを表現した作品なんですよ。
ウルトラマンがアクロバットにマトリックスなアクションしてたら
なんか違う。
ってなるでしょうよ。
あと特撮においてこれこそ重要なことなんですが、それは”人が入っている感”ですね。
前作も無理があるんじゃないかといわれるとなかなか苦しかったりもするのですが、今作と比較するとやっぱり違いは歴然っす。
前作は60年代でも撮影できるようなアクションを目指して作られているから、前述した怪獣映画に対するリスペクトを最も感じられたんです。
そのリスペクト感こそが前作多くの怪獣映画ファンを熱狂させた理由であり、本作できびきび動くイェーガーに嫌悪感を抱く人が多い理由なんですよ。
実際、僕もきびきび動くイェーガーは受け入れ難く、悪い意味でハリウッド的になったなぁと感じます。
アクロバットに動くロボットが嫌とか、CG感丸出しが嫌とかそういうわけではなく、なぜ前作がカルト化したのか、その精神を保つとはどういうことかというのを鑑みたとき、これは違うんじゃないかな。
今回みたいなアクロバットに動くロボットは「トランスフォーマー」シリーズでやりゃ〜いいじゃんと。
そもそも身も蓋もないことを言うと、今回のイェーガー自体、僕の好みじゃないってのも否めないです。。
あ、ただ3人乗りのタレットだけは最高に興奮しました。タレットまで移動するギミックとかめっちゃカッコいいし、後ろそうやって撃つんだ!みたいな笑
でもまぁ、長編初監督だからね!しかもヤバイくらいこだわり派のギレルモ・デル・トロ監督の後となるとかなぁ〜〜〜りプレッシャーはあったんじゃないかな〜とも思うんですよね。
で、コメンタリーでどんなコメントしてくれるのかな〜って鑑賞してるとですよ。「このシーンはちょっと長すぎるから削った」「このシーンは予算の関係で少し短くしちゃった」「このシーンは…このシーンは……」
ずっと同じようなことばっかり喋ってて、結局なんで削ったのか、どんな想いが込められていたのか、全然語ってくれないんですわ。挙句ガンダムの銅像が映るシーンとか今回、デナイト監督こだわりのワンシーンのはずじゃないっすか。
ノーコメントかよっ!!!
本当に思い入れ持って作ってますか?最高につまらないコメンタリーでした。。。
本作とは違って、ジョーダン・ボート=ロバーツ監督や、ギレルモ・デル・トロ監督のコメンタリーは超オススメです。そのうちオススメコメンタリーの記事でも書こう。そうしよう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
それではまた!