はいどうも。オレンチです。
最近とっても気になっていることがあります。
2020年8月5日より、キングレコードから発売開始した「死ぬまでにこれは観ろ!2020」に今年は全力で投資しようと思っておりまして、3枚買ったら1枚もらえる胸熱企画なんですよ。
対象の商品を買うと応募券が一枚ついてきて、応募券を3枚専用のハガキに貼って、希望のタイトルを添えて送ると2ヶ月後くらいに手元に届くシステムなんですけど、、、
1枚もらえたタイトルにも応募券ってついてるのかな?
つまり9タイトル買えば、3タイトルがタダでもらえて、そこからさらに1タイトル応募できる的な激アツシステムにはなっていませんでしょうか?
9タイトル買えば実質13タイトル手に入るみたいな。
どなたか情報を求みます。
と言うわけで今回は「死ぬまでにこれは観ろ!2020」と関係ありそうで、全く無い1978年に公開された『ハロウィン』評をさくっと行ってみます。
感想・解説・考察
●スプラッター来たる
前述の通り1978年に『ニューヨーク1997』(81)や『遊星からの物体X』(82)などのジョン・カーペンターが作成し、スプラッター界隈に多大なる影響を与えた作品で、『13日の金曜日』(80)や『エルム街の悪夢』(84)は本作から着想を得たのは有名な話。
『エルム街の悪夢』は未見だし、『13日の金曜日』は何番目を観たか全く覚えていないほど、スプラッター弱者な僕ですが、映画史の1ジャンルを築いたことを考えれば、マスターピース的作品くらいには認知していました。
本作からスプラッター界隈はとてつもないスピードで膨張し、ジャンルのセオリーを弄った『スクリーム』(96)や『キャビン』(12)などを生み出すなど、今なお新しい展開を繰り返しているジャンルでございます。
物語をざっくり振り返ると、
1963年のハロウィンの夜。6歳の少年マイケル・マイヤーズが、実の姉であるジュディス・マイヤーズを包丁で斬殺。マイケルは責任能力の無い異常者として精神病院に入院することになる。
それから15年後、21歳になったマイケルは突如として精神病院から脱走し、15年前に住んでいた町へと戻る。
逃走中に殺害した男からつなぎを奪い、金物店でトレードマークとなる白いマスクと、凶器となる洋包丁を盗んだマイケルは、同じ街に住む高校生のローリー・ストロード(ジェイミー・リー・カーティス)の命を狙う。
とまぁこんな感じで物語がセットアップされ、今後スプラッター界隈でセオリーとなっていく「イチャイチャしたリア充が殺られる」的な展開へと進んでいくわけです。
面白いのはブギーマンことマイケル・マイヤーズが白昼堂々と出歩いている点で、なんとも怪異な状況を作り出しております。
なんならマスク被ったまま車を運転していて、道路交通法的な何かに引っかかりそうなもんですが、かなり堂々と白いマスク越しにティーンエイジを下見しています。
とまぁ警察の無能さが浮き彫りになっているわけですが、そんな怪異な状況もあまり長く続くと慣れてしまうし、夜になってもマイケルくんはなかなか実行に移してはくれません。
窓からは何度もチラチラと覗き、離れ古屋に向かったティーンエイジを閉じ込めるだけ閉じ込めたらそのまま放置をかまし、閉じ込められたもんだから窓から抜け出そうとしたら、何故かラックに足が挟まりパンツ丸出しで身動きが取れなくなってしまった怪異なティーンエイジも見落とします、、、
早よ殺れボケ。
とまぁそんなこんなでようやくスプラッターショーが始まるのですが、いったん客観的に状況を整理してみると、
ベビーシッターをサボった挙げ句、子守中の家に友人カップルを招き、友人カップルは雇い主の家が無人なのをいいことに、家主のベッドでおっぱじめ、早打ちかなと思うレベルの早漏をかましたのち、そのままベッドでタバコを吸った挙げ句、冷蔵庫から勝手にビールを拝借します。。。
刺したろか。
こんなん精神に異常をきたしてなくても殺意わきますやん。
●面白いかではなく、どんな影響を与えたか
ちなみに『呪怨 白い老女』(09)などの三宅隆太監督の「あなたジョンの様子が変なの」理論というものがありまして、ホラー映画において飼い犬がやたら吠える時は殺人者がすぐそこまで来ているという理論で、多くの場合犬は急に静かになります。
有名なところで言うと『ターミネーター2』(91)などが挙がり、最近見た『ファニー・ゲームUSA』(07)でもワンワン吠えてぱたっと静かになっています。
本作でもしっかりと飼い犬がマイケル・マイヤーズに向かって吠えた挙句静かにされてましたが、ひょっとするとこの理論も本作『ハロウィン』(78)が初なのかも?
とまぁ結局のところ貞節を守ったローリーのみが生き残る筋運びですが、本作のDNAを受け継いで進化した作品群が飽和状態の現代で、純粋に本作が楽しめるかどうかといえば、ぶっちゃけ胸を張って「面白かった!」と言える作品では無いです。
重要なのは前述した通り本作によってスプラッターというジャンルが切り開かれたという事実であり、その事実を鑑みれば本作の意義は大変高いものだと思います。
以前某まとめサイトで
アニメクリエイターの先輩に「クリエイターを目指すなら『ドラゴンボール』を観ておいた方が良いよ。」よ言われたのに対して、「『ドラゴンボール』なんか古臭くて面白く無いじゃん」
と発言した若いクリエイターの呟きがちょっとだけ話題になっていましたが、これと一緒で《今観て面白いか?》ではなく、《その作品が業界にどのような影響を与えたか》が重要だと思うんす。
多分《その作品が業界にどのような影響を与えたか》を知っているか否かで、その後に生み出された作品たちから得られる《面白さ》がいい方向に変わってくるんじゃ無いかな。
●ホラー映画の歴史
最後は簡単にホラー映画の歴史を考えてみようと思います。
恐らくホラー映画が映画史の中に最初に現れたのは『ノートルダムのむせし男』(23)や『笑ふ男』(28)などサイレント時代から1940年代に活躍した『魔神ドラキュラ』(31)、『ミイラ再生』(31)など人間以外のモンスターで、俗に言うユニバーサル・モンスターズかなと。
もっと遡ると、17世紀〜18世紀あたりで流行した幻灯ショー、例えば『ファンタスマゴリア』(1798)があったりしますが、まぁこれは先祖的な感じでしょうか。
第二次世界大戦が集結し、冷戦の時代に突入した1950年代〜1960年代では核戦争への恐怖から『ゴジラ』(54)などを生み出し、その最後期となるのがスタンリー・キューブリック監督の『博士の異常な愛情』(64)。
よくコメディ映画として紹介されている『博士の異常な愛情』(64)ですが、当時の情勢を考えたらホラー映画以外の何者でもなく、実際に当時の関係者も「全然笑えなかった」とコメントしていたりします。
本作のように殺人鬼によってもたらされる恐怖が最初に登場したのは恐らくアルフレッド・ヒッチコック監督による『サイコ』(60)で、本格的に本作『ハロウィン』(78)がスプラッター界隈を盛り上げていくことになります。
スタッフ
- 監督:ジョン・カーペンター
- 制作:アーウィン・ヤブランス
- 脚本:ジョン・カーペンター、デブラ・ヒル
- 撮影:ディーン・カンディ
- 編集:チャールズ・バーンスタイン
- 音楽:ジョン・カーペンター
キャスト
- サム・ルーミス医師:ドナルド・プレザンス
- ローリー・ストロード:ジェイミー・リー・カーティス
- リー・ブラケット保安官:チャールズ・サイファーズ
- アニー・ブラケット:ナンシー・ルーミス
- リンダ:P・J・ソールズ
- トミー・ドイル:ブライアン・アンドリュース
- リンジー・ウォレス:カイル・リチャーズ
- マイケル・マイヤーズ:ニック・キャッスル