- スタンダードサイズ&モノクロからシネスコサイズ&カラーに変わる瞬間に注目!
- ファンタジー世界ならではの風景・ルール・生物を見るのが楽しい!
- ミラ・クニス演じる魔女のテーマ曲の編曲に注目!
オススメ度 |
公開日 | 2013年 |
制作国 | アメリカ |
上映時間 | 130分 |
ジャンル | ファンタジー アドベンチャー 童話 |
『オズ はじまりの戦い』は『スパイダーマン』シリーズのサム・ライミとジェームズ・フランコが再びタッグを組んだファンタジーアドベンチャーで、童話『オズの魔法使い』の前日譚を描いた作品。
手品師のオスカー(ジェームズ・フランコ)が魔法の国オズに迷い込み、自分を偉大な魔法使いだと嘘をついたことから「悪い魔女」と「良い魔女」の戦いに巻き込まれていく様を描いています。
冒頭の現実世界パートでは1900年代〜1950年代くらいまで主流だったスタンダードサイズ&モノクロという古典を感じさせる編集になっていますが(実際のスタンダードサイズとは若干異なります)、魔法の世界に入るとシネスコサイズ&カラーへとシームレスに変わっていくので「魔法の世界に入った!」という感覚が映画独特の手法によって体験的に味わえる点は本作最初の見どころですね。
シネスコサイズ&カラーへと完全に変わるショットは、広大な魔法の世界の大地を写したショットなので、シネマスコープがいかにパノラマを魅せるのに適しているかということもよくわかるショットになっていますね!
とにかく鮮やかで広大な大地に心が高揚することは間違いないです。
魔法の世界に入ってからは、ファンタジー世界ならではの風景・ルール・生物を見るのが楽しいですね。特に元が童話なので、お花畑や動くおもちゃといった具合に子供向けのものばかり。それを大人が本気で映像化しているわけですから、観てる大人も童心に戻れますね。
同じファンタジーでも童話じゃなく小説だと『ロード・オブ・ザ・リング』見たいな大人向けの映像が出来上がるんだから面白いですよね。
前日譚でありながらオリジナルの『オズの魔法使い」を彷彿させる遊び心も忘れておらずお馴染みなカカシやライオン、ブリキの代わりに陶器の少女が登場します。
その他はサム・ライミらしさあふれる演出が満載で、たとえば集中線が見えるかのようなズームショットだったり、色々な場面とその場面を想う俳優のアップショットを合わせたコラージュショットなどなど。これらはどれもコミックを思わせるショットで、コミック好きのサム・ライミならではといったところ。
とりわけ集中線ズームショットはサム・ライミのお家芸みたいなものなので、他のサム・ライミ作品でもよく注目してみてください。
もう一つ注目して欲しいのが、ミラ・クニス演じる魔女のテーマ曲ですね。最初はワルツを踊るオルゴールの曲としてとても心地の良い曲として流れるのですが、再登場するシーンでは編曲されていてメロディは同じなのに全く違う印象を与えます。ミラ・クニス演じる魔女の心の変化を最高に表現しており、まさに映画は総合芸術だということを表現していますね。
残念な部分で言えば、三人登場する魔女の魅力があまり伝えきれてない気がします。うまく表現できないんですが、サム・ライミは女性俳優を撮るのがあまり上手じゃない印象ですね。
『オズの魔法使い』の映像化はウォルト・ディズニーが特にこだわりたかったようで、生前それが叶わなかったのも残念ですね。その代わり生まれたのが『メリー・ポピンズ』で、もしゴリ押しで『オズの魔法使い』が制作されていたら『メリー・ポピンズ』という名作は無かったかもしれなくて、因果って面白いですよね。
『メリー・ポピンズ』の誕生秘話を描いた『ウォルト・ディズニーの約束』も面白いのでぜひチェックしてみてください!
そんな『オズ はじまりの戦い』ですが、是非ご鑑賞ください。
配信状況は上記の通り。現在『オズ はじまりの戦い』はDisney+では見放題で、Amazonプライムビデオでレンタル(400円)で配信しています。
Disney+は月額990円のサービスで、無料期間はありません。ただし全ての動画が見放題なので、レンタルのような追加料金もありません。ディズニースタジオとして公開された作品のほとんどが配信されているので、『オズ はじまりの戦い』以外にも見たい作品がきっと見つかるはず!
というわけで『オズ はじまりの戦い』を見るなら、Disney+がお勧めです!
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